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2章-02 ティルの村だよっ

治に居て乱を忘れず はよい事だと思うけど、治に居て乱を望んではいけないと思うよっ、

世界中の神様、ちゃんと聞いてる? 平和が一番だよねっ



カランカラン・・・宿屋の入り口ドアに付いてたベルが鳴る


そのまま入ると鴨居にぶつかるから、鎧さんの肩から降りたよ

奥の方からお兄さんが受付カウンターへ駆け込んできた

ホントに雑貨屋さんと兼任してるんだ


「いらっしゃい、宿屋の方は久しぶりのお客さんだ・・・って鎧さんか

 おかえりー」


線の細い、温和な雰囲気の青年、20代前半って感じかな


「いつも通り湯浴み場を借りたい、それと部屋は空いてるかい?」


「まぁこの有様だから部屋は空きまくってるけど、どーゆー風の吹き回しで? 自分の家があるってのに」


「宿を取るのは僕じゃないよ、この子」


鎧さんが上半身ごと視線を下に移す、お兄さんも釣られて下を向く

店内をずっと観察していたアタシと目が合う


やっと気づいてもらえたよっ

そりゃ鎧さんは巨大だし視線も上へ向くけど、アタシはチビだからカウンターから顔しか見えてないけど


「これは失礼いたしましたお嬢さん、ようこそティルの村へ

ぼくはマルコー、宿屋と雑貨屋を切り盛りしてる」


うん、爽やか営業スマイルだー


そーそー、転生とかした後、お店に出会えたら真っ先にやっておく必要がある事・・・貨幣価値の確認

持っていたお金がどれくらいの価値があるのか、物価とかの常識感覚を掴む事

テンプレ主人公ってのは大抵、金銭感覚おかしいからねー


「あのぉ、この金貨、つかえますか?」


アタシはインベントリに有った金貨を1枚カウンターの上に置いた

大抵のテンプレ主人公は金貨の価値が高かった場合の事を考えずにジャラジャラと見せ付けて悪目立ちしたりする

まず1枚だけ出してその価値が低かったならそれじゃ足りないって言われるだろうし

逆に出した金貨が高額だった場合の対処も想定済みだよっ


「珍しい迷宮金貨ですね、つかえますよ、ちょっと拝借いたします」


マルコーさんは、天秤ばかりで重さを量り、なんかの台帳と見合わせている


「これなら大金貨・・・通常金貨10枚分と同等ですね、」


よし、後は物価の確認だよっ


「しばらくこの村にとどまる予定ですので、お部屋を10日ほどお願いします。おいくらです?」


「王都の高級宿じゃあるまいし、ウチは1泊銀貨3枚って相場並みだよ

 食事はとなりに食堂があるから出してないけど、湯あみ場が使い放題になってお得です」


「ごめんなさい、嵩張らないように大金貨にまとめてまとめてたんで」


「まとめると持ち運びにはいいけれど、盗まれたり落としたりした時が大変だよ、

はいおつり、金貨7枚・・・1枚は銀貨に両替しておこうか

金貨6枚と銀貨10枚」


アタシはおつりと部屋の鍵を受け取る

判ってきたぞー、1大金貨=10金貨=100銀貨

多分この下に銅貨とかありそうだけど、次の機会でいいや



「じゃ、部屋は2階、湯あみ場はその廊下の奥だよ」


とりあえず荷物も無いので湯あみ場への廊下を進む

期待してなかったんだけど、この世界にもお風呂はあったんだなーってちょっと期待、GAMEには温泉はあったけどお風呂は無かったからねー


「待ってくれ、オーリ」


後ろからアマドさんの声が掛かる

まさか・・・一緒にって誘いじゃないでしょね?

聞いた話によると昔・・・古代北欧ではジェンダーフリーつーかその辺り男女分けされてなかったってケースもあったとか・・・

水浴びとか男女分けたりしてなかったという記録を見たことがある。厳しくなったのはキリスト教以後

アタシゃ歴女じゃないので細かい所まで覚えちゃいない、TRPGの為に資料をかじった程度

なお、ハラスメント防止なんてものが組み込まれたVRシステムは物語の中でしか存在してないはず

知識だけなら架空の物語についての方が詳しかったりするかも


ちょっと安心、湯あみ場は男女に分かれていた

つー事は、この世界はGAMEの世界でも古代北欧のどちらでもない独自の世界なんだと言うこと


「ふー、やっと追いついた

 とりあえずこれを渡しておきたくってね」


ふわっとした折りたたまれた服、これニットだ ウール100%

同じ方向だったのに一回いなくなったのは、これを取りに行ってたのかな~


「キミの鎧、僕にメンテナンスさせてくれ!お代はいい

 初めて見るタイプの鎧、職人として興味があるんだ

 今渡したのは、その間にとりあえず着てもらう服

 サンプル商品見本だし、僕には入らないから・・・」


「ありがとっ、お借りするねっ」


ま~、子供用の鎧なんて珍しいでしょうね

この世界の事、まだ疎いからご好意には甘えちゃう


「身体の汚れを落としたらここで待ち合わせよう、その後は食堂を案内するよ」


「おっけ、覗いちゃヤダよっ」


「そちらこそ・・・」


ガチムチ巨人族の裸は、まったく興味ないかといえばウソになるけど

常時フルアーマー主義の人の中身を見ちゃうのはマナー違反だよね

(アタシは「腐」じゃないぞー)


湯あみ場は、シャワーこそ無いけど、普通にお風呂だった

まぁこの時代に水道蛇口なんてものは一般化してるはずも無い

お湯は、一旦かけ湯用の溜め桶に流れ込み、溢れた分が湯船へと流れていく仕組み、考えた人はアイデアマンだねー


シャンプーとかは無かったけども、アタシは身体についた埃等を洗い流した

久しぶりのお風呂、ゆっくりしたかったけど待ち合わせもあるから今日は長湯は控えとく


髪の毛をタオルドライしながら改めて思った、む~・・・すっごく貧相な身体だ。

髪形変えれば男の子でも通りそう、まだ10歳とはいえもう少し健康的にはなりたい

確かGAMEでは食事で体型が調整できたはずだけど、こっちでも出来るかな?


鎧さんに借りたニットワンピをかぶってみる

黄色に近いライトブラウン

毛の質はやわらかくチクチクしない、編み目もキレイ、こりゃなかなかのものだぁね・・・ただサイズが・・・


広い襟ぐり、多分この服は肩を出して着るデザインなんだと思う

でもそーしたら、引っかかる所の無いアタシだとワンピは下まで落っこちてしまう

むー、格差社会はんたーい!


仕方が無いので片方の肩に引っ掛け、ワンショルダー式に着る


ダボダボっとした感じがなかなかにフェミニン

サイズが合ってないから当然、袖は萌え袖になってる

ワンピの裾は膝上ちょいだけど、少しでも屈むと襟ぐりの隙間からは中身が見えてしまいそうになる

はっきり言って、あざといを通り越して背徳的だ

元居た世界だと児ポ法とか騒いでる団体に狙われそうだ


あんまし待たせちゃ悪いから、そろそろ待ち合わせ場所の廊下に戻ろう

パタパタと歩みを進めると

鎧さん、廊下の壁に寄りかかって待っててくれた


「おまたせー、長かった?」


「こっちも今出てきたところだから大丈夫だよ」


「・・・ん?ちょっと顔変わった?」


「食事用のヘルムに変えた」


む~、ポリシー貫き通す天晴れな御仁だ



拙い作品をお読みいただきありがとうございます


まったく絵が描けないタイプではないのだけど

キャラ絵とかUPしちゃうとイメージ壊しちゃいそうで怖い

どなたか描いてくれないかなぁ・・・(と妄想をつぶやく)


細かい事を気にしないほうが豪胆なイメージが作れるってのは判るけど、世の主人公達はお金に無頓着過ぎる傾向あるよねー

無造作に大金ドカンと使って常識外れな規格外行動、勇者志願ならいいけどワル目立ちするよね


常時フルアーマー主義の鎧さん、鎧職人が自ら広告となるという ある意味で時代先取りの人なのかもしれない

だれ?即売会のコスプレ売り子なんて言う人は


ブックマーク、評価、とかはあまり気にしてませんが

ご意見、ご感想、誤字脱字のご指摘、メッセージ等あると非常に嬉しいです

よろしくお願いいたします!


『メタもベタも極めてみせるよっ!』


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