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7章-06 ミッションスタートだよっ

F-15()の通称が「ストライク・イーグル」ってのは有名だけど

F-15()の愛称は「まそ○ん」って言うんだね、最近知ったよっ (ホンキにしないよーに)


ウチ(の召喚対象)にいるドラゴンにも、偽装アーマー着けさせてみたくなったよっ


ちなみに、今回の作戦ではアタシは飛ぶ気はない

厳密には『召喚獣操縦者(パイロット)』としては飛ぶけど『自前の翼(フェアリーウィング)』では飛ばないつもり

人前で飛んだのはあくまで狐巫女LEAZA(リーザ)

アタシ、冒険者オーリはまだ誰の前でも飛んではいない(翼みたいな髪型してるけどさ)

アタシが召喚獣に頼らずに飛行できる事は身内以外には隠しておきたい

これ以上バケモノ呼ばわりされるのはゴメンだよっ ∠(≧△≦)ゝなー


【この作品は、吾流峰子 のオリジナルです [海賊版サイト対策]】

本網站的所有圖片、文章的版權帰 吾流峰子 所有、未經許可禁止拷貝或使用和銷售。

original: http://ncode.syosetu.com/n7904dz/

――――――――――


ザッ・・・「対象を発見、これより計測に入る、測量準備は?」


ザッ・・・「問題ない、こちらからの計測では本船よりの距離約5km」


会話の合間合間にノイズが入っているのは、魔道通信機を使用しているため

別パーティの魔道師さんの研究中試作品を貸してもらってる


起動した後に着きあわせて同期を取り、初めて使える無線機

その代わり多人数同時の会話が出来る。

まだ研究途中なので電源(?)切れたら再度つき合わせて同期を取り直す必要があるとの事

しかも連続使用時間は30分程度なんだそうな


ザッ・・・「深度を測定する、機体を安定させてくれ」


後部座席の測量士さんからメッセージが入る、

ただいま最終偵察飛行中、『集金Pay』の位置その他を計測


ザッ・・・「了解、これより一定速度での周回軌道に入る」


目標の上空で機体を45度に傾けたまま水平に旋回運動、速度と高度は一定に保つ

直径約30m、対象の大きさに大体合わせている


ザッ・・・「対象は全長約30m、深度40m、進行方向からして本船へ向かっている模様。接触までおよそ10分」


ザッ・・・「了解、本船は臨戦態勢に入る、一旦帰投されたし。作戦第1段階実施」


――――――――――


「おらおら、カタパルト設置急げ!」


「バリスタ配置完了!」


「弾頭深度設定、あと少しです!」


「急げ! とりあえず設定済みのからまとめといてくれ、(イーグル)に持たせる」


「防衛用係留ブイ展開!」


「弓隊、整列っ」


「魔道師隊、準備できてます」


「目視確認、(イーグル)帰投を確認、まもなく着艦します」


「作戦第1段階、準備どうだ?」


――――――――――


着艦、ここは急を要するところだからロマンは一時お預け

浅い角度からの滑空ランディングから、機首急起こしの全身エアブレーキで急停止着陸


減速Gで測量士が「ぐえ」とか言ったけど、潰れた訳じゃないので勘弁してもらおう


「通信機、交換しまーす」


手渡されるインカム、今まで着けていたのと交換する。魔池(マナ・バッテリー)もたないんよねこれ

しかも同期チューニングを作動中しか保持できないから一回OFFにしたら接続切れてしまうホントのテスト試作機。この欠点が克服できたらこの世界の通信が大きく塗り替えられる

魔道師さんってみんな何らかの研究してるみたいだね。

まだ直接面識の無い人の作品だけど応援したい、いずれ化けるよこの試作品

こうして、転生者とかのチートなんかと関わらなくったって技術革新は進んでいくんだ。

文化や技術の転機は異世界人によって起こるんじゃない、


「よぉ、メンバー交代だ」


測量士さんが降りて、身内のタツアンが後部座席に乗り込む

大きな袋を背負っている


「決戦だし、見知った顔の方がやりやすいだろうって事なんだろうな」


「今度はバテてられないかんね、その袋は?」


「分かってらいって、コレかい?借り物の『収納バッグ』だよ、見かけの大きさより大量に物が入る

もってくモノがぎっしり詰まってるぜ」


戦闘機動を得意とするイーグルだけど、実は意外と積載量もあったりする

アタシは水分補給の果実水の空容器をクルーに軽く投げ渡すと気合を入れなおした


「いくよっ! ミッションスタート!」


再度スクランブル発進、既にもう慣れた

2度目だし場所もわかってるんで、目標海域には比較的早く到着


作戦その1『コマセ(※1)作戦』

 奥の方、深い所にいる『集金Pay』をおびき出す作戦その1は、オーソドックスに『エサ』

タツアンのかかげた収納袋からドバドバと魚介類がとびだしては海へと降り注ぐ

『好き嫌い作戦』の『好き』に相当する部分

決戦予定地点まで、コレで誘導するよっ


「事前の釣り大会はムダにならなかったようだ」


「本来なら一部は今夜のディナーになる予定だったのにね」


「あきらめろ、ケチケチしてられねぇって」


むー、せめてマグロの1本確保しとくんだったー(後の祭り)


「奴さん、動き出したみたいだな」


深いところに居るから大雑把なシルエットしか分からない

それでもエサに反応はしているようだ


上空を先行し、撒き餌で誘導を続ける


ザッ・・・「作戦1実施、目標の作戦海域へと誘導中、」


ザッ・・・「こちら作戦本部、こちらも作戦海域に展開を開始、」


ザッ・・・「目標の速度が予想より速い、そろそろ目標海域に近づく、作成第2段階準備、

 実行のタイミング指示斯う」


ザッ・・・「こちら作戦本部、測量継続中、コースそのまま、タイミングはこちらから指示する」


――――――――――


万一の際の真下からの奇襲が怖いから、少々高度をとって誘導を続ける

飛んでいるとはいえ、少し後を巨大な『集金Pay』が付いて来ていると思うと緊張は収まらない

いつ海面を割って触手が飛び出してくるかと思うとさらに高度を上げたくなるが、船から測量している都合むやみと高度を変える訳にも行かない

GPS衛星や広範囲レーダーの無いこの世界では、目印となるものの無い海の上の位置把握が難しい。測量士と航海士の腕がいかに重要なのか、素人でも分かる気がする


ザッ・・・「そろそろ作戦海域のはず、目標の減速をたのむ、空中援護部隊もそろそろ到着するはずだ」


だいぶ本船にも近づいてきた頃だし・・・ちらほらと見えてきた


ディスクに乗る者、バリアのようなフィールドに包まれた者、風を纏う者

さまざまな手法で宙に浮ぶ魔道師たち、浮遊系の魔法では速度も持続時間もあまり余裕はないはず


ザッ・・・「作成第2段階準備!」


後部座席のタツアンは、ほぼ空になった収納袋(マジックバッグ)からもう1つ大袋を取り出す。

このバッグ、中に同じバッグが入れれるんだ、事実上無限に近い収納力だー

ゲームではありえないバグ仕様だねー


「いよいよご対面って事になるな、回避は任せたぜ! エースパイロットさんよぉ」


エースも何も、空戦できそうなのがアタシしかいないってだけだよっ


「作戦第2段階、各自投下開始っ!」


――――――――――


ポン・・・ポン、ポヨン


開いたドアからボール・・・にされてたフグが転がってくる。オギったらまだ遊んでたんだ


「だめだよオギ、こっちは大事な作戦会議中になんだよ」


「いいって、男の子はそれくらい無邪気で当然だ

猫姫様は気苦労し過ぎなんだよ、

その若さ・・・幼さでどんだけ修羅場渡って来たんだい」


ほっといとて欲しいよっ!∠(≧△≦)ゝなー

・・・まー、年齢リセット繰り返す事一般的人生およそ50回分・・・ってホントのことは言えないからねぇ

精神(なかみ)的には20代中盤喪女、こっちは絶対に言うもんかだよっ

どこぞのウワサでは、声と人格がオジサンの狐幼女がブレイクしてるとも聞いたけど・・・

言いたくても言えない事が多いのは、ドコの世界でも一緒なのかもね

世知辛いのじゃあ~


「そうだな、嫌いなものと言えば、猛毒のあるフグとかは嫌うかな

何でも喰っちまう魔物(キンペー)もフグだけは避けるって聞いてる」


むー、そんなフグ、今甲板のすみに山のように転がってるんだけど・・・


「これは使うっきゃないな、作戦の要にすらなりそうだ」


――――――――――


作戦第2段階として、横並びラインを形成するように次々と投下されていく秘密兵器


その正体は『フグ機雷』

『集金Pay』が唯一嫌う魚、青酸カリの850倍の毒性を持つテトロドトキシンたっぷり

『好き嫌い作戦』の『嫌い』に相当する部分だ


フグは、投下されるとそのまま沈んでいった

釣り上げてから少々時間がたってるので生きてるわけじゃない、一般に死んでしまった魚は浮くので

浮いてこないように重りを入れてある


投下したフグは沈みながらゆっくリと膨れていく、生きてないからキンペーの接近から逃げ出す事も無い

そう、フグを沈ませるための重りには魔道師と細工師が総掛りで刻みこんだ魔道紋章がつけてある


水生成クリエイト・ウォーター』や『水流(ウォーターポンプ)』の呪文を刻んだ重りは、フグの腹を水で満たしていく、そしてちょうど深度40m ほぼパンパンに膨れ上がる事となる

ちょっとでも触れたら確実に弾ける、まさに機雷そのもの


このパンク寸前のフグの並んだ壁に、さすがの『集金Pay』も進軍を一時停止する


魔道紋章自体は比較的シンプルな単機能のもので、魔道師が下書きしたものを細工師が掘るという突貫工事、質より量で作られたためいくつかは、予定深度で止まらなかったりもする


ボンっ!・・・っといったかどうかは海中深くなので分からないけど

何発かは過剰膨張で破裂したみたい、猛毒を含んだ体液と肉片が海中に散布される

一見海が汚染されかねないかもしれないけど、この海域には既に魚は住んでいない

近づく『集金Pay』から逃げたか食べられたかのどちらかだ


「く・・・くるぞっ!」


海中で破裂したフグを避ける為『集金Pay』が浮上を開始する


「魔道師隊は安全距離まで後退!」


空戦機動までは出来ない魔道師部隊を下がらせる


ザッ・・・「カタパルト射程内に補足、位置固定を望む」


本部からは無茶振り来ちゃったよー


「タツアン、機雷投下は任せたよっ、ちょっとGかかるけどね」


F-15の機体をバンクさせるとそのままキンペーの周囲を旋回させるように

シャンデル (Chandelle)マニューバで昇っていく(※2)


「背後をふさぐよっ、しっかり狙って機雷投下よろだよっ」


キンペーの背後に回りこむと、フグ機雷を投下して退路を断つ


「もし機雷が有効なら、ほぼ動きは封じた事になるけど・・・なかなか上がってこないねぇ」


「そりゃ、水中にいたほうが有利だってことくらいは理解してんだろ、だがもう遅い」


海面の一部が山のように盛り上がった方思うと、赤黒い巨体が現れた

少々薄汚れた感じもするが、明らかに巨大なタコにしか見えない


ザッ・・・「こちらイーグル、『集金Pay』浮上、目視確認」


ザッ・・・「コマセに混入させといたトラップが効をなしたようだ」


にゃるほど、最初に撒いたエサの魚にも、魔道チップは仕込んであったんだ

おそらく、『クリエイト・エアー』系列の気体発生の呪文


タコは魚類のように浮き袋のような浮力調整器官を持たない為、体内で気体を発生させる事で海面まで持ち上げられると踏んでの作戦だ。比重をほぼ海水と同じに保っている生物なのでバランスを少し崩す程度でいい


ひゅるる・・・どぱ~ん


放物線を描いて飛んできた何かが水柱を上げる


ザッ・・・「カタパルト試射、修正を斯う」


ザッ・・・「着弾点、目標の10m手前、左7m」


ザッ・・・「了解、照準調整完了」


これであたる・・・かな? 弾着観測射撃 ってヤツだね


ひゅるる・・・どすっ


タコの頭、厳密には腹部に何かが命中、突き刺さる

・・・これ、カジキだー


ぶおぉぉぉっ!!


暴れる集金Pay、そりゃ痛かろう


ザッ・・・「バリスタボート隊は、触手攻撃範囲に気をつけて前進!」


緊急脱出用ボートの改造だと思う小船に、バリスタ(大型ボウガン)が設置されている

その数6隻、、こぎ手の戦士系数名、射手、まとめ役の船乗りと少人数構成

これなら強力そうだ


フグ機雷を盾にやや間合いを開けて包囲陣を展開する


飛行持続時間を使い切った魔道師はこまめに交代しながら、キンペーの上空位置を維持する

制空権は完全に取ったねっ


後方からは、本船カタパルトからの長距離攻撃


いけるっ、この布陣なら勝てるよっ

いざ決戦開始だよっ


拙い作品をお読みいただきありがとうございます


大漁に連れた魚を余すところなく兵器として運用

カジキとフグは武器になる!(個人的意見)


生きてる魚で魚雷が作れればよかったんだけど、そこまで手が回らなかったのが残念

(フツー魔物に突進してくれるような魚はいないって)


火薬・爆薬の無い世界で陸戦型冒険者が巨大な海の魔物と戦うのは分が悪過ぎる?

でも水面上まで引っ張り上げたからには、打つ手はあるよっ


【解説】


(※1)コマセ:本来なら魚を寄せるための撒き餌の事、厳密には撒き餌に使用されるちっちゃいエビの事らしい


(※2)シャンデル (Chandelle)マニューバで昇っていく:螺旋コースで上昇していくマニューバ

水平飛行中から45度バンクし、そのまま斜めに上方宙返りし速度を高度に変える。開始時と終了時で方位が180度変わり、速度が減少する代わりに高度が上がる点ではインメルマンターンと同じ

2回連続すればほぼ1回転、繰り返せば螺旋軌道で上昇していく事になる

回り込みにも使える?



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