6章-14 堕ちた?堕ちてないよっ
変な夢を見た
あやふやになりかけてる記憶、美しき夢を見る者
幼女は白いワンピースに大きな麦藁帽子を両手で支えて振り向く
「せきにんとってね」
気がつくとベッドの上、少し眠ってしまってたようだ
うつ伏せに突っ伏してたけど、つぶれるものは元から無い! ビバろりぺったん
10代半ばから思ってたけどアレってホントに寝る時には困るんよ、仰向けになったらなったで重量で肺が圧迫される。寝るときは横向き一択
まどろみから少しずつ意識がはっきりしていく
ブラウスは着たままだったけど・・・パンツ履いてなかった!
いちおーその、その下着の方のパンツは履いてたけど・・・
むー! けだものだもの
あうあう、確かに今まで生きてきて浮いた話の1つも無かった喪女人生だったけど
初めてはノーマルに迎えたかったにゃあ・・・
ええ、贅沢は言いません、ヤオイだってユリだってしっかりと需要のあるジャンルだってことは頭では理解してるよっ、(※1)
でも・・・でもねっ、せめて最低限、意識のある状態で迎えたかったよぉ
現実を否定したかったけど、『ベッドの上で下半身パンツ一丁』という今の状況
これを説明する流れが思いつかない
しく、しく、しく、しく・・・すん、すん
――――――――――
「王都本部からの要請か・・・なんでまた冒険者なんかに招集を?」
「騎士団は国境付近への対応に追われていて手が空かないと聞いています
塞襲撃の件は鳴りを潜めたといえ終結したわけではないと」
「魔物への対応なら、騎士団より我ら冒険者の方が手馴れているのも事実だしな」
「とりあえず緊急要請のクエストを掲示しておきました」
「はやいな、問題は現場が遠いって事んだよなぁ」
「それに関しては仕方の無い事、早急に船便を押さえておきました」
「はやいな・・・」
――――――――――
カチャッ、扉のが開く音
「ししょー、こちら荷造り完了し・・・ええっ!」
10歳の幼い身体でお嫁にいけなくなってしまった精神的ダメージに、アタシは声のした方へ視線を向けすらもせず、ベッドに伏していた
「・・・ししょ・・・お?」
ドタバタと駆け寄ってくるタヌ子、下半身剥かれたままのアタシは無反応
アタシを抱きかかえるタヌ子、なんだろ・・・少し落ち着くけど蕩けるまでいかない
「・・・・・」
「いいんですよ、ししょお。 何も言わなくて」
慰めてくれてるのだろうか・・・
「その小さな身体では、さぞかし痛かったでしょう。昔、村がオークに襲われた時酷い目に遭った子もいましたですぅ」
オーク? この世界のオークも他種族を襲うのん?
「あたしは運よく逃げられたんですけどぉ、捕まってしまった子は目から生気を失ってしまう有様でした。師匠と同じくらい小さな子でしたのに、一生消えない傷を心身両方に・・・」
タヌ子、その話し怖いよ、R-18Gなっちゃうからやめてー
オークのネタはファンタジー作品テンプレ古典だからアタシも知ってる
それだけに情景が浮かんできてしまう
「ん~、やっとお目覚めかな」
ふらりと帰ってきたマミさん
怒り心頭のタヌ子が真剣な顔で叫ぶ
「師匠が泣いてる! あの気丈な師匠が・・・」
詰め寄り食って掛かるタヌ子
「やってないわよ、尻尾の点検以外はなにも」
「え?」
「わたしは可愛い女の子が好きよ、でも誤解して欲しくないわ
美少女、美幼女ってのはねぇ仕草を含めて芸術品なのよっ!」
マミさん胸を張って鼻息を荒げる ( *`ω´*)=3ふんすっ!
まあ、そっくり返ったところでほとんど胸は無いのだけど・・・
芝居がかった身振りで講釈をたれ始める
「何気ない仕草ひとつ取ってみてもそこには隠された華があるのよ、例えば同じように剣を振るったとしたも違いが出てくるのよ・・・そもそも身体の作りからして違うのだから
そもそも快楽というものは、自分が自覚してない予想外の事から生まれるの
美味しいものを食べたとき、素敵な曲を聴いたとき、新たな事を成し遂げたとき
詩やお芝居、物語でもいいわ
既に結果が予想できていて、この予想と寸分違わなかったりしたら感動は生まれないわ
人間は、自分ではどうにもならない未知の感覚を快感・多幸感と捉えることがある(※2)
薬物や呪文でもその方向で研究する人はいるわ
私が女の子にちょっかい掛けるのだって
予想を裏切って見せてくれる反応が好きなの、気を失ったお人形さん状態を弄り回したって楽しくないわよ(※3)」
「とゆーことは、師匠は・・・」
「いちおう、まだきれいな身体してるわよ・・・物理的には(※4)」(¬▽¬;
そーいや、アタシの体に今、出血や痛みなんてどこにも無い
喪女のアタシだって分かる。
コ○ケ3日目系列の本じゃあるまいし、初めてでも即座に適応できてノーダメージなんてこと絶対にありえない。
薄い本だと痛いのは最初だけとかいって数ページですぐに適応しちゃう超高速進化生命体、んなこたぁ~ないっ!
・・・でもちょとまてよ・・・
「どーして、アタシお尻出したまま寝てたの?」
「鑑賞するためよっ!」
バキィィッ!!
神速で間合いをつめ一瞬しゃがみこんだのちに放つアッパーカット(※5)
涙目になんかなってないからねっ
ちゃんと手加減はしたよっ
「ふーっ、ふーっ、ふーっ」
尻尾の毛が逆立ち、「怒りの仕草」、タービン起動してないけど
・・・ん? デバイスマネージャ(仮称)からシステムメッセージ??
『エモーションドライブ、Check Complete 』
プリセットされている感情表現はこれで全部動作確認が完了したってこと?
拙い作品をお読みいただきありがとうございます
前書き部分が何なのか判った人は、かなりのご年配です
多分「ループ」はしません・・・ご安心ください
だいじょうぶ、10歳幼女にR-18な事はさせられません
セクハラ魔女であっても、信用してるところを気絶しているうちに食べちゃうほど外道ではありません
6章は、これにて一旦終了です
今度の7章はアウトドアな展開の予定です
ただいま作画資料用のデータを作成中、
デザイン未定な所はどうしましょ、フリーという事で絵師さんに一任かな
こちらで全て決めちゃったら、絵師さんの自由度がなくなっちゃうからね
と、ゆーワケで デザイン募集中っ!!
【解説】
(※1)ヤオイだってユリだってしっかりと需要のあるジャンルだってことは頭では理解してるよっ:ノーマルな人、引かないでくださぁいっ!
(※2)自分ではどうにもならない未知の感覚を快感・多幸感と捉えることがある:たとえば遊園地の絶叫マシン。聞いた話によると立ちくらみや気絶の“落ちる”瞬間も気持ちがいいらしい。
恋愛沙汰の時のよく分からない感情。麻薬も幻覚や幻聴を引き起こす。
サプライズが嬉しいのもこれに近いのかも
(※3)気を失ったお人形さん状態を弄り回したって楽しくないわ:イガイとマトモ? 本来観賞用のフィギュアも静止画もカワイイものを眺める(愛でる)のは楽しいらしい
(※4)まだきれいな身体してるわよ、物理的には:光学(視覚)的にイケナイ事してないとは言ってない、これがマミさんくおりてぃ
(※5)一瞬しゃがみこんだのちに放つアッパーカット:『しょぉおりゅぅうけんっっっ!』いや、低空から突き上げるなら『JET!』が正しいのかな?
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『メタもベタも極めてみせるよっ!』