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1章-07 なんかいろいろズレてきたよっ

殴りあった後に友情が芽生えて両者ガッシリと手を組む・・・ってのは少年誌作品の古典黄金パターン

ゲーム的な試合ならともかく、決闘的なバトルの直後って遺恨残りそう・・・

ついつい自重忘れたアタシは今、とぉ~っても肩身が狭いとゆーか、落ち着かないのよー

「心に棚を作れ」は名言だけど実行は難しいよー


ポクポクと蹄をならして馬車が行く


全身鎧の冒険者で鍛冶屋のアマドさんは町への帰路を進む

アタシは同乗させてもらい、町まで行く事になった


荷馬車なんで当然客用の座席なんて無い

御者席くらいしか搭乗スペースが無いのだけど、アマドさんは身長3mくらいの巨人族(ジャイアント)なので、御者台はいっぱいだ

アタシはというと、アマドさんの左肩の上に座っている、すっごく高くて揺れるのでちと怖い


荷台の方はインゴットや樽やらがびっしりと積まれているのでスペースが無いんだそうな


「ねぇ?こんなところに乗っけて、重くない?」


「重くないよ、普段着の鎧の片足分より軽いくらいだ」


この人は、普段着も鎧なのかいな


「普段着って、いつも鎧なの?」


「ああ、僕のポリシーなんだ」


ポリシーじゃ仕方が無い、アタシだってネコミミだけは譲れない

たまに居るんだよね、強いから、数値がいいからってだけで装備を選んでる人

そーゆー人はRPGじゃ無くてタクティクスシミュレーションでもやってりゃいいと思う

刺激はプレイング人生はロール ノリがなくっちゃ人生じゃないっ


「ね、ひょっとして鎧の中は空っぽで、魂だけ鎧に定着されてたりして

それでやたら背の低い兄とかいたりするとか・・・」


ちょっとオタ的な事をジョークで言ってみる


「なんだいそれ、ちゃんと中身は入ってるよ。それに兄は居るけど僕よりゴツいよ」


「だったらカッコイイかもーって思っただけだよっ」


肩の上に座ってるから隣にあるヘルメットをコンコンと叩いてみる

むー、音的にはちゃんと中身が入ってる・・・残念


「ちょ、やめてくれっ!結構中で反響するんだ」


ちょっと慌てるアマドさん、ヘルメットのバイザーの隙間からちょっとだけ中身が見えた

赤みの掛かった色白の肌、チラッと見えた金髪は位置的に見て多分ヒゲ

頭髪の方は多分少ないと思われる・・・よい子のアタシは勝手にバイザー開けたりはしないよっ


「ところでオーリ、聞きたい事があるんだけど・・・」


進行方向を向いたまま言葉を続ける


「君は、どこから来たんだい?」


「わからないわ、気がついたら見知らぬ土地にとばされていたの。

ただ、アタシのいた場所は『エンリ』と呼ばれていたわ」


「知らない町だな、いや村かな」


・・・『エンリ』はアタシのプレイしていたゲーム『MAGI』での舞台となる世界の呼び名

星の世界から呼び出された(プレイヤー)と神々との『縁』(つながり)『理』(ことわり)の物語


「もしかしたら他の大陸かもしれません」


アタシ大嘘つき、でも本当のことは言えないよ、罪の意識でしおらしい子モード


「ならいつか帰れるかもしれないね、近々隣の大陸との航路が開かれるってウワサもあるし」


「でもその前に、冒険者として一人前になりたいな」


「それが目的だったんだよな、迷子になってたけど」


コーン!


「おあぅっ!」


隣りにある頭のテンプルを軽くたたく

ダメージ目的ではなく音がよく響くようにスナップを利かせて


「迷子は余計だよっ!」


ぷんすか、イーッって顔をしてみせる


「手厳しいなぁ、でもそれくらいでないと冒険者はやっていけないか」


「適性あるの?見極めてくれるって言ってたじゃない」


「答えは・・・言うまでも無いな、キミが類まれなスキル持ちであることからして・・・

 全くもってすごい体験をしちゃったよ」


あれ?なんかおかしい、こんなの基本スキルのはずなんだけど・・・

そういえば、アマドさんの攻撃、基本攻撃のアタックがほとんどだったなぁ


「キミが冒険者として経験を積んだら、末恐ろしいことになると思うよ」


そんなそんな、アタック、ディフェンス、ガードブレイクの3すくみ関係は基本のはず

ベテラン冒険者がそんな基本を知らないはずが無いよ・・・


「アタシの戦い方なんてのは、少なくとも地元ではみんなやってることなんですけど・・・」


「すごい所で育ったんだね、エンリだっけ?剣豪ぞろいの村か、僕も行ってみたい・・・」


むー、なんか話が食い違ってきている

まさかとは思うけど、この世界ではスキルは切り札的なもので、頻繁に使うものではないとか?

アタシが知っているスキルとはその行動を取る為の技術、全ての技術的行動にはスキルが付随しててスキルなくして行動はできない、その熟練度がスキルランク

同じ行為でもスキルランクの差は成果の絶対的な差になる・・・はず


「けっして剣豪ぞろいって事は・・・一通りの剣術スキルは持っていると思うけど・・・

 アマドさんも持ってるでしょ?剣術スキル」


「ああ、一応ファイターだからね、スキルランクもそれなりに上げてあるよ

 もちろんキミも鍛え上げてあるんだろ?」


ええ、もちろんマスターランクまで・・・と答える訳にも行かないので、調整して下げてあるランクをいう


「うん、ランク5まで上げてあるよっ」


ガクンっと視界が揺れた。一瞬だがアマドさんが硬直したらしい

なんかヘンな事言っちゃったのかな


となりにあるフルヘルムの頭が、ギ・ギ・ギ・ギ・・・とでも音を立てるようなぎこちなさでこちらを向く


「・・・ラ・ン・ク・5だって?!」


腰掛けている肩から振動が伝わってくる


「中級職でもランク6行けば一流だってのに、

 上級職極めてもランク8に届かない人がほとんどだってのに・・・」


えっ?えっ?! なんかちがうっ!

ホントのスキルランクはマスターランク、数字で言うならランク16で

いまは約1/3のランク5に調整してあるのに

あ、違和感がだんだん形になってきた・・・


「オーリ、キミは生まれながらの剣聖だったのか・・・」


やだやだ、こんなベッタベタな展開!

アタシはこの世界で、ちょっとだけ冒険しながら平穏怠惰に暮らすと決めたんだ


こんな召喚勇者みたいなテンプレート展開だけは絶対に避けたいっ!


「あ、あのっ・・・ランク5ってのは言葉の綾で・・・」


あせりまくってパニクってネコミミぱたぱた、ちょっと涙目、あざとく見えても目立ちたくないのは心からのホンネ


「いいよ、目立ちたくないんだね。誰にも言わないよ」


ほっこりした口調で語りかけてくる、ヘルムで顔は見えてないけど優しい笑顔なんだろうにゃあ

完全に保護者の雰囲気、ここは好意に甘えちゃおう、アタシ幼女だしね・・・


「でも1つだけ教えて欲しい、僕の渾身の一撃を吹き飛ばしたあの技は何なんだい?」


言ってもいいのかな?ここは隠さず誠意を見せた方がいいね


「あの技はスキル『カウンター』だよっ、相手の攻撃を刹那で見切り、その勢いに自分の力を上乗せして返す技

 相手の攻撃力を利用するんで、相手が強ければ強いほど効果を増すスキルだよっ」


カタカタカタカタ・・・


地震?いやアマドさんが震えてる


「もし、真剣勝負だったら・・・今頃僕は・・・」


落ち着いてー!

振動でオシリがぁ、あうあう~


拙い作品をお読みいただきありがとうございます


少しずつ、自分のチートに気付いて来ました。

まだ当人はゲーム感が抜け切れてないかも


一応、ここまでで第1章、第2章からは村でのスローライフのお話になる予定


ブックマーク、評価、とかはあまり気にしてませんが

ご意見、ご感想、誤字脱字のご指摘、メッセージ等あると非常に嬉しいです

よろしくお願いいたします!


『メタもベタも極めてみせるよっ!』


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