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女大魔王 ②
近々大女神エレクティエが我が魔界へカチコミにくる。
この世は何度も繰り返されており、私が奴に負ける次元と勝つ次元がある。
――今度の道筋もわからない。
これからなにが始まるのか、毎度ここから始まるのだから。
同じ事をして、近視眼があることはある。
それはやらなければ、起きなければわからない。
「大体、大女神とやらはしつこいな。これでは我が花嫁との婚礼がいつになるのやら」
マーグスは自身の造った魔界の女に執心している。
「善神と悪神であれば争いは避けられぬのでは?」
ヴィーナは規定路線で幾度となく死んでおり、人になる未来がある。
そちらでも魔王と慕う悪魔がついているそうだ。
このような粗筋の記憶はあれど、どちらが先に死ぬかは我が敵である大女神すら把握していない。
すべては世界の創造主が幾度と駒のように終りなく操るのみだ。
創造主はたとえ飽きても、ランダムに茶番を続ける力を組み込んだ。
「第一に我々が創造主が許しているからだ」
「そして私たちが悪で向うが善なのも、神の気まぐれにすぎない」
悪の黒と善の白という概念を神ならば簡単に覆せるのだ。