一人目のお客様――3
帰る時は必ずやってくる。
それはいつなのか……
カロンは、アイスの案内役を命じられた。
からかった罰としてだ。
しかし…アイスは一言もしゃべらない。人みしりなのだろうか;
カロン「…なぁお前…苛められたのか?」
……カロンは…思い切り図星をついた様だ。
大泣きしてますよ~気付いて下さ……気付きましたね★
カロン「え、うわ、ちょ、泣くなって;;;;;」
言いつつも、軽くため息。
アイス「何で…分かるんですか…」
泣きながら、初めて聞いた声。
やっと喋った。軽く安堵した。
そして、問いかけには答えず…一つ言った。
カロン「お前…学校でもその調子なのか?」
アイス「え…っと……」
カロン「(同じなのか…)なら…性格を少しでも、明るく持つんだ。」
そして少し遠くを見る様にして言った。
カロン「後…いじめっ子達に会っても、元気に挨拶をする。そうすれば自然と苛めは消える筈だ。」
アイスが驚いてカロンを見つめると、カロンは照れたようにそっぽを向いた。
アイスがそれを見て笑った……瞬間…アイスの体から光が見えた。
カロン「それ………ちょっと来てくれ!」
慌てた様に言ったカロンに、アイスはただ頷くしかなかった。
リオ「…おやお嬢さん。……お帰りですね。」
少しだけ寂しそうに、リオネットが言った。
アイスは勇気を出して、言った。
アイス「私……ここで暮らしたいです!」
リオネットは少しだけ驚いた様にしていたが…やがて静かに首を振った。
リオ「お嬢さん……残念ながら、それは出来ないんです。招待状を持ってきましたし。」
そして、光が強くなって行くアイスを見つめて、言った。
リオ「…お嬢さん…ここでの記憶は無くなってしまうけど…これだけは覚えていて下さい。」
静かに微笑みながら、言った。
リオ「もし羽の事で苛められている様でしても…それは、皆が羨ましがってるんですよ。」
そして、小さく付け足した。
リオ「だって、綺麗ですもん…その羽。」
悲しそうに笑いながら、アイスの頭に手をかざして……一瞬で元の世界へと送った。
その際……アッバッキオの記憶を奪い取って。
アイス「…あれ……何してたんだっけ…?」
アイスは、戸惑っていた。
長い間いなかった気がして…良く分からない。
首をかしげながら……帰路についた。
小さな違和感を残しつつ。
リオ「お客様は帰りましたよね。」
カロン「ああ、帰ったろ。」
リオ「それにしても…良く、きっかけを与えましたね。」
リオネットが本当に不思議そうにカロンを見つめて…カロンは笑った。
カロン「俺の腕が良かったのかな?」
リオ「アハハ……」
こうして穏やかに、一人目のお客様は帰って行った。
名前:カロン・ルシューガ
種族:悪魔
髪&目:銀灰色の髪・右目は黄色で左目は紫
特徴
・白っぽい褐色の肌(何色やねんww)
・漆黒の翼と悪魔らしい尻尾を持つ
・とても平和主義者ww
・だけどからかうのは大好きwww