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再び人気のない街道を進んでいた。
エレノアだけが起きて、アーシュラは寝入っていた。ミモザは馬の様子を見てそろそろ休ませようと思い足を緩めたときだった。
その気配にはミモザだけが気づいた。
つけられている。たぶん、最初に遭遇した連中の仲間だろう。逃げ散るか気絶させただけだ。それならば、再び探しに来ることもありえない話ではない。
この場合、自分一人で対処するべきだろうか。
さっさと始末して終らせようとした甘い目論見はあっさりと打ち砕かれた。
懐にどれほど妙な道具を持っているか見当がつかない今、あの二人に対処させたらどんな惨劇を引き起こしてくれるかわかったものじゃない。
アーシュラと呼ばれている黒髪の女は寝入っている。ならば、あのエレノアという金髪の女さえごまかすことができれば。
ミモザは冷や汗を浮かべながら、様子を伺う。
騎馬の立てる足音が少しずつ近づいてくる。
馬を駆って逃げるのは論外だ。
二頭立ての馬車と、騎馬では機動力が違う。あっという間に追いつかれるだろう。
しかし、ミモザが決意を固めたときにはすでに遅く。アーシュラがパッチリと目を覚ましていた。
「また来たみたいね」
身体を横たえたままアーシュラが呟く。
「そうね」
ひざを抱えて座ったままエレノアも小さな声で答えた。
「それで、どうする?」
アーシュラは手持ちの武器の内容を考える。銃を使えば、ほぼ全滅できる自信があるが、それは限られた武器だ、先がどれほどあるかわからない状態では使いたくない。
そろそろ日も暮れるころだ。薄暗い中で、閃光装置はよく効くだろう。
しかし、うっかりミモザを失明させてはまずい。
「そうなると、今度は何をするか、あらかじめミモザに言っておいたほうがいいかな」
「私も一応釘は刺したしね」
エレノアが、御者席に座るミモザを振り返る。
「でも少し待ったほうがいいかもしれない。今見えているのが全員とは限らない」
エレノアはそう言って、先にミモザに話しておくことにした。




