↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

ひどい言いがかりの婚約破棄

作者: ぺいた
掲載日:2026/10/06

「イザベラ・フォン・ローズウェル! 君との婚約は破棄する!」


王立学園の卒業パーティー。

今堂々と宣言したのは、この国の王太子であるフェリクス・エル・アルカディア殿下。

彼の左腕には、ピンク頭の令嬢がひっついている。


公爵令嬢である私は、彼がピンク頭に入れ込んでるのは知ってたから、婚約解消は想定していた。

だから、つけ込む隙を与えないように気を付けていたのに、どんな理由で破棄とか言い出すつもりなんだろう。なので聞いてみた。


「理由をお伺いしても?」


「人格が、王太子妃にふさわしくないからだ!」


「といいますと?」


フェリクスは側にいるピンク頭の令嬢を手で示しながら言った。

「ここにいるミア・フローレス嬢を、いやらしい目で見ただろう!」






は?


会場中がしんとなる。なに? 今なんと言ったのこの人は?


「いやらしい目……?」


「そうとも!『あの顔は、絶対に私を恋愛対象として見ている』とミアが言っていた! 想像の中で、あんなことやそんなことをしてるに違いないって!」


「はああ?! なんですかその気持ち悪い妄想は!?」


「ごまかさないで! 私にはわかるんです!」

ピンク頭がキッと顔をあげて大声で叫んだ。


「イザベラ様が私を見る目は、他の人と違うんです! 他の令嬢たちのことはとても優しい目で見るのに、私にだけは冷たくて!」


「いやそれは、あなたの態度が目に余るから……」


「嘘! 嘘です! 私にはわかります! きっと、イザベラ様は、私のことを愛しているのです……! 道ならぬ恋に苦しんでいるから、あんなきつい表情になってしまうのです!」


「……」

あまりにびっくりして、ぽかんと口を開けたまま固まってしまった。

なんだこの途方もない言いがかり。


「そういえば、ミア様があんなに殿下にベタベタしてるのに、イザベラ様は一度も注意しなかったわ」

「それどころか、イザベラ様の命令で、ミア様に護衛をつけていたらしいじゃない」

「もしかして本当に、ミア様のことを…?」

会場中の人間がなんかざわざわしてる! いや違うから! 誤解だから!


態度を注意したら「ミアをいじめた」って言われるかもしれないから、黙ってただけだし!

「教科書を破かれた」とか「池に突き落とされた」とか、やってもいない冤罪を着せられるのを阻止するために、見張りの護衛をつけてただけだし!


「誤解しないで! 私が愛してるのは殿下…」


と言いかけて、いや別に愛してはいないなあ、と思い至る。

こんな公の場で、王命である婚約を破棄するようなバカだし、ピンク頭にころっと騙されるバカだし、婚約解消となれば『はーやれやれ助かった』ぐらいしか思わないくらい、どうでもいい存在だわ。


「……と思ったけど、そうでもなかったので受け入れます。この婚約はなかったことに」


と言ったら会場が湧いた。

「じゃあ本当に!?」

「イザベラ様はミア様を愛していたってこと!?」


「違うそうじゃない! そういう理由で了承したわけじゃないから!」

私はあわてて否定した。しかしピンク頭が私の手をそっと握って、


「イザベラ様……! あなたのお気持ち、嬉しいです! 二人で幸せになりましょうね」


と言ったせいで、私の言葉など誰も聞かなかった。

ついでに王太子の

「あれ? ミアは私と結婚するんじゃなかったの?」

という言葉もかき消された。


そしてこの国は、『性別にこだわらない自由恋愛の国』として有名になったのであった。

10月7日、[日間]コメディー〔文芸〕 - すべて

で3位いただきましたー! 嬉しいです!!

ありがとうございますー!

10月8日、[日間]コメディー〔文芸〕 - すべて

で1位になってました~~。

びっくり~。スカっとしないからだめかな~と思ってたので嬉しいです。

ありがとうございます~~。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
いやいや、ちゃんとスカッとしますよ!笑
>「イザベラ様……! あなたのお気持ち、嬉しいです! 二人で幸せになりましょうね」 ・・・フ・フ・フフフ・ファ・ファ・ファファファ(私の声にならない笑いです)なんちゅうばかばかしい展開を考えられるホン…
まさかこういう展開になるとは! オドロキ、桃の木、山椒の木  ビックリしすぎて昭和のフレーズがついつい出てきてしまいました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。