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もういいかい

作者: ツヨシ
掲載日:2026/08/16

「もういいかい?」

部屋にいると、そう聞こえてきた。

押し入れから。

妹のまやの声ではない。

もっと小さな女の子の声だ。

もちろんそんな女の子は、ここにはいないはずだ。

驚いていると、また聞こえてきた、

「もういいかい?」

どうしようかと考えた。

でも混乱して、何も思いつかない。

そのまま固まっていた。

すると、まやが部屋に入ってきた。

「お兄ちゃん、なにしてるの?」

僕はまやを見た。

僕になついてくれているのはいいのだが、いかんせんうるさくてうっとおしい。

おまけにパパもママも僕には厳しいくせに、まやは甘やかし放題だ。

ふと思いつき、言った。

「ちょっと、ここで待ってて」

「うん」

すると押し入れから再び声がした。

「もういいかい?」

僕は声を聴いてびっくりしているまやに、もう一度待つように強く言った。

妹はわけがわからないまま激しく首を縦に振った。

僕はまやを目で制しながら「もういいよ」とつぶやくと部屋を出て戸を閉めた。

その時、部屋から声がした。

「見いつけた」

僕はしばらく待った後で、部屋に入った。そこには誰もいなかった。


あの後まやの姿を見たものは、誰もいない。



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― 新着の感想 ―
えっ(・_・;) 短編で、この完成度は凄いですね❕ 主人公、可愛い妹をあまり良く思ってなかったのが伝わります。或いは少しいなくなれば良いくらいの、深く考えた復讐ではなく、ほんの悪戯心だったのかもしれ…
押し入れから聞こえる小さな声と、最後に残される静かな怖さが印象的でした。まやとのやり取りも含め、短い中にぞっとする余韻がありました!
∀・)お久しぶりです。 ∀・)久しぶりにツヨシホラーを読めて感激。 ∀・)説明が少ないぶん、想像の余地が広がる噺ですね。不気味でした。
感想一覧
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