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Amnesia  作者: 癒々
1/1

Prologue

別サイトで投稿していたプロローグ。

一年前のgdgdっぷりを存分にお楽しみください。←



…自分でもよくわからなくなってきた件(・ω・`)

欠けた月が三つ、藍色の空にぽっかりと浮いている。


包帯の巻かれた右腕を押さえながら、私は****を追った。

何処に行くんだろう。

****は足が速い…ぁ、見失っちゃった…。

むぅ、でも魔力を追えば、遅くても****に辿り着けるはず。

夜のお散歩も悪くない。ゆっくりついていこうかな。


―と、思っていた矢先、****の魔力の波動が消えた。

少し先から、血の臭い。それから、数十の魔力の影。

これは―――…



嫌な予感がして、走り出す。

でも、走って間もなく、体力が尽きて座り込む。

自分の体力の無さを恨む。今度***に鍛えてもらおうかな。


「しょうがない……っ」


立ち上がって、手を空に翳す。

怪我を負ったままの腕が、悲鳴を上げた。

痛みを無視し、魔力を足元に集め、そこに風を起こす。

黒くて長い髪が、足元の風で舞い上がるのを感じ、頃合を見て無言でジャンプ。

「あい・きゃん・ふらい!」なんて言っている場合じゃない。

****が危ないと、本能で感じていた。

地面から飛び立ち、まず上昇。少し経った後、魔翼が背に浮き出てきた。

飴細工のような細い翼。

確認するまでもない。深呼吸をすると、一気に****の向かった方角に飛ぶ。


「****…!」


僅かに残っている****の魔力を肌で感じ、冷や汗をかいた。

飛び立ってから数分、血の臭いが濃くなってきて、下を見た。

目に映ったのは、赤い髪と…鮮血。


「****っ!!!」


声に気づき、****を囲んでいた魔法師は、一斉にこっちを向いた。

皆、黒いローブを羽織っている……昼間の人たちだ。

向こうは一斉に詠唱を始めた。炎、水、氷、大地……属性が多すぎる。

魔法陣が、彼らの足元に溢れ出す。

――何故、攻撃するんだろう。

色とりどりの魔法陣の片隅で、****は呼吸していた……虫の息で。

****の赤い髪は、自身の血で鮮やかさを増していた。

この人たち…****になんてことを…。

そう思ったとき、私の中で何かが音を立てて切れた。


「――――――…」


風を起こす。

光を呼ぶ。

助けなきゃ。

****を、助けなきゃ…!



「       」



幾つもの光の筋が、私を包んだ。

ズキン、と右腕が叫び声をあげる。傷口から、血が滲み出てきたことが解る。

でも、詠唱は止めなかった。



「       」



魔法師から、数万はある数の魔法が同時に放たれる。

しかしそれは、光の筋が一つずつ包み込み、光となって消えた。

怯まずに、第二弾。炎が、私を襲おうとした。

…そう、この時。

この時、私の魔法は成立した。


空中に浮いたまま、手を祈るように握り締める。

背にあった魔翼が消え、金色に輝く光の粉となり、辺りを一瞬明るくした。

その一瞬の後――――…































――真っ暗。


何も、見えない。

何も、映らない。

闇の中で一人。

ここは…?


「**!」


誰かが呼んでる。ううん、叫んでいるみたい。

誰が?誰を?


「**!!」


聞こえないよ。聞き取れない…。

誰を呼んでいるの?

何も見えない…彼方は誰?


―耳鳴りがする。

私は、何で此処に居るんだっけ…。

…苦しい。

怖い…。

此処から出して。お願い、出して…!

誰か…!




「**!!!」






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