第七話 スタンピードは超ヤバい
すみません(汗)
第六話を午前五時に投稿するとか言ったくせに、間違えて六時に投稿していました。
もうこれから六時にしようかな……。
スタンピード時において、冒険者はオルソ辺境伯の緊急依頼を受けたという扱いになる。
そのため、冒険者達はオルソ辺境伯騎士団の中の一隊として扱われる。
「お前ら来るぞー!いつでも倒せるように、武器を構えておけ!」
そう叫ぶのは、冒険者ギルドのマルク支部のギルドマスター、ビート・ヴェリノスだ。
ビートは元Aランク冒険者なので、実力は折り紙付きである。
俺も自分の杖を構えて、いつでも魔法を放てるように準備する。
土煙を上げて迫ってくる魔物の大群に、オルソ辺境伯騎士団の弓隊と魔導士隊が城壁の上から矢と魔法を交互に降らせる。
魔物の大群がある程度近くなると、弓隊と魔導士隊は撃つのを辞め、剣士隊と冒険者隊が動き出す。
「お前らぁ、行くぞぉー!!」
「おぉー!!!」
ビートの掛け声に冒険者達は雄叫びを上げると共に魔物の大群に突撃した。
冒険者隊はDランク以上の冒険者だけで構成されており、Eランク以下の冒険者達は、後方支援に回ったり、避難誘導をすることになっている。
また、冒険者隊の隊列は高ランク順となっている。
つまり、高ランクの冒険者ほど前に回されるのだ。
俺たちは晴天の剣はBランクなので、ギルドマスターと副ギルドマスターのキリア・ランドネスの後ろに配置されている。
俺たちは低ランクの魔物は無視して、Bランク以上の魔物を担当する予定だ。
ゴブリンやボブゴブリン、フォレストウルフの合間を縫って進む。
すると、体長約二メートルほどの猪のような見た目をした魔物に遭遇した。
口の端からは、二本の巨大な牙が覗いている。
三体のグレイトボアの内の一体だ。
グレイトボアは殺傷能力こそ高いが攻撃が直線的であるため、討伐するのはそう難しいことじゃ無い。
ガレンがグレイトボアの横に回り込み、ハルバードを振り下ろす。
グレイトボアは、ガレンに対抗するために牙を振り回し始めた。
反対側に回り込んだユリアは、振り回される牙を回避しながら刀でグレイトボアの横腹を薙ぐ。
俺たちは順調に攻撃していたが、突然グレイトボアが前脚の蹄で地面を掻き、鼻を鳴らす。
「お前ら、突進が来るぞ!避けろ!」
ガレンが声を張り上げる。
俺たちは突進に備えて、いつでも反応できるように神経を研ぎ澄ませる。
ドカッ。
グレイトボアが蹄で土を蹴り、弾丸のように懐に飛び込んでくる。
俺は咄嗟に左に転がり、ギリギリ回避することができた。
俺とは反対側に転がったリリノアは直ぐに体勢を立て直すと、突進後で勢いの弱まったグレイトボアの後ろ脚の膝裏の腱を、両手に持った短剣で引き裂く。
機動力を削がれたグレイトボアは、誰も近寄らせまいと牙を振り回した。
俺は魔力を放出すると、呪文を唱える。
「【風刃】」
風の刃がグレイトボアを襲う。
グレイトボアは首を切り落とされ、辺りは血の色に染まった。
☆・..・★・..・☆・..・★
「キリア、あのワイバーン打ち落とせるか?」
俺達はグレイトボアを晴天の剣に任せて、ワイバーンが居るところまでやって来た。
「やってみるわ」
キリアは弓に矢をつがえると、先頭のワイバーンの翼の付け根を狙って放つ。
キリアの矢は見事に命中し、ワイバーンは空中で少しよろめいたが、直ぐに体勢を立て直すと再びこちらに向かってくる。
キリアは二本目の矢をつがえ、今度は反対側の付け根を狙う。
矢が放物線を描いて飛んでいく。
「少しズレたわね」
狙いが少しズレたようで、矢はワイバーンの翼の中心辺りに命中する。
狙いがズレてそことは、たいしたもんだ。
キリアの弓の腕前は、百発百中と言っても過言では無い。
実際に高速で飛ぶワイバーンに命中させているのだ。
その腕前は疑う余地もないだろう。
キリアの矢に両翼を穿たれたワイバーンは、よろめきながら低空飛行を続ける。
「もう一回当てたほうが良いかしら」
「いや、もう大丈夫だ。あとは俺がやる」
「分かったわ」
俺は拳に魔力を集中させると、ワイバーンに向かって走り出す。
ワイバーンは俺に向かって風の刃を放ってくるが、拳に纏った魔力で相殺する。
避けてスピードを緩める訳にはいかない。
この殲滅戦においては、何よりもスピードが重要だ。
どれだけ早く殲滅できるかによって、被害が変わってくる。
特にワイバーンなんかはそうだ。
ワイバーンは城壁を越える危険性があるため、早急に討伐しなければならない。
俺は拳を振りかぶると、ワイバーンの横顔に打ち込む。
俺の拳はワイバーンの頬にめり込み、そのまま吹っ飛ばした。
さて、残るワイバーンは四体だ。
後ろに振り向くと、キリアはもう次の矢をつがえていた。
キリアは二体目のワイバーンの翼の付け根に矢を放ち、素早く次の矢をつがえると、反対側にも放った。
先ほどのワイバーンと同じく低空飛行になったワイバーンを、俺が仕留める。
よし、残るは三体。
しかし、残りのワイバーンはもう既に俺たちがいる場所を通り過ぎてしまっていた。
後は騎士団の弓隊と魔導士隊に任せるか。
「キリア、他の連中の援護射撃をしてやれ。俺も他の魔物を倒してくる」
俺はそう言うと、強敵を探して騎士団の方へ向かう。
城壁の方へと向かったワイバーンは、弓隊と魔導士隊の集中攻撃によって墜落していく。
しかし、弓隊と魔導士隊の集中攻撃を避け切った一体が、城壁の向こう側へ飛んで行く。
弓隊と魔導士隊が追撃しているが、届かない。
あれは……マズイな。
俺は即座に城門に向かって駆け出した。
☆・..・★・..・☆・..・★
私たちは、オルソ辺境伯の館の前の広場に到着した。
そこにはマルク中の人々が避難してきており、遅めに到着した私たちは、広場の端っこに陣取っていた。
思ったより早くスタンピードが起こってしまった。
そもそも、カルラおばさんが立てたフラグは折ったはず……ん?
ちょっと待てよ?
もしかして、折ったあとに自分でフラグ立てたか?
「でも、確かに最近は帰ってくるのが遅い。いつもは昼前か昼過ぎぐらいには帰ってくるのに、最近は毎日夕方に帰ってくる。一体どうしたんだろう」
とか考えてた気がする。
やっちまった。
まあ、なってしまったもんは仕方ない。
ここまで魔物が来ることは無いだろうし、私の両親ああ見えて結構強いから大丈夫でしょ。
はっ!
もしや、これもフラグ!?
まずい、撤回せねば……。
そのとき、城壁の方から何かが飛んでくるのが見えた。
うわぁー!!!
ヤバい!
本当に来やがったぁー!!
目を凝らして何が飛んできたのかを見る。
あ、あれは……。
「ワイバーンだー!!!」
誰かが叫ぶ声がする。
B+の魔物、ワイバーン。
風魔法を操り、その鋭い嘴で敵を屠る。
ここにいる者では、到底倒せるはずのない相手だ。
私の心臓が早鐘を打つ。
「どうしよう」
それしか言えなかった。
勝ち筋も、生き残る方法も、何も思い浮かんでこない。
ワイバーンは翼を広げると、両翼で風を押し出し、目には見えない風の刃をこちらに向かって飛ばした。
私はその様子に腰を抜かして、地面に尻餅をつく。
「フィル!!」
ソラが私に手を伸ばす。
しかし、間に合わない。
ワイバーンの風魔法は、もう私の直ぐそばまで迫っていた。
もう駄目だ……。
「【土壁】」
そう思った瞬間、目の前から土の壁が隆起した。
「フィル、ソラ、大丈夫?」
後ろを振り向くと、そこには腰に剣を携えた少女が立っていた。
「「ノルド!!」」
明日はちゃんと、午前五時に第八話を投稿します!




