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第十話 神の試練は突然に

「じゃあ次は、【土人形(アースゴーレム)】を使ってみて?」


「分かった〜。【土人形】」

ルワンは魔力を放出し、すぐにゴーレムの形に整えると、土に変えた。


あれ、【土弾(アースバレット)】より手慣れてないか?


ルワンは作った【土人形】にお辞儀をさせると、私とリリアの周りを走らせたりジャンプさせたりしている。


ゴーレムを操作するためには、魔力の遠隔操作の技術が必須となる。

つまりだ、ルワンはもう既に魔力の遠隔操作の技術を習得していたのだ。


「ルワン凄いね!こんなに細かい動きをさせられるなんて……!」


「えへへ〜。弟と妹に頼まれて、よくゴーレム劇してたんだ〜」


ゴーレム劇、初めて聞いた……。

人形の代わりにゴーレムを使うとか、贅沢だなぁ……。


「そうだったんだ。通りで手慣れてると思った。じゃあ次は複合魔法に挑戦してみよう!!ルワンは土魔法で、リリアは水魔法ね。リリア、水出せる?」


「やってみる!」

リリアは魔力を放出すると、さっき氷を作ったときのように水に変換してみせる。


「できた!!」


「やったね!じゃあ、ルワンも土を出してみて」


「は〜い」

ルワンは手慣れた様子で土を出す。


「じゃあ、リリアの水とルワンの土を混ぜてみて!」


リリアとルワンは、言われた通りにお互いの水と土を少しずつ近づけていく。

二つが完璧に混ざると、泥になった。


「ここからは、リリアとルワンのどっちかだけが操作するよ!どっちがやる?」


「じゃあ、僕がやる〜」


「おっけー。じゃあそれを地面に敷いてー!」


ルワンが泥の塊を地面に敷くと、小さな水たまりほどの沼ができた。


「これが、水と土の複合魔法、泥だよ!魔物の足元に作って足止めしたり、魔物の行動範囲を制限したいときに使ってね!水と土の量を増やしたら、もっと大きいのも作れるようになるよ!リリアも、泥になってからの操作を習得しようか。じゃあ、もう一回やってみて!」


リリアは水、ルワンは土を出すと、ゆっくり近づけて泥にする。

ルワンが操作をやめると泥は一瞬下に落ちかけるが、何とか持ち堪えてリリアが操作する。

最後に、リリアは泥を地面に敷く。


「よし!二人とも上出来!!これからも、魔法頑張ってね!」


「うんっ!」

「は〜い!」

リリアとルワンが答える。


「みんな〜!そろそろ終わりよ〜!」

ユリアおばさんが講習の終わりを告げる声が聞こえたので、私たちはユリアおばさんの方へ向かう。


そこには、徹底的に扱かれた様子の二人がいた。


擦り傷が数箇所あるから、リリアに治して貰おう。


「リリア、二人の傷を治してあげて?」


リリアは二人の傷跡にありったけの魔力を込める。

すると、傷口が段々と塞がってきた。


「ありがとー!」

「ありがとよ!」

桃色の髪をツインテールにした活発そうな少女と、茶髪の元気そうな少年が礼を言う。


「どういたしまして」

リリアがそれに笑顔で答えると、この場はお開きになった。


私とソラとユリアおばさんが訓練場から出ると、ちょうど両親が帰ってきていた。


「おかえり!どうだった?」


「特に何もしてないわ。やったことといえば、騎士さんたちの傷をちょっと治したくらいよ」


「ちょっと……?瀕死の重体を治してなかったか?」

父が私の質問に対する母の返答を聞いて、訝しげな顔をする。


そんな会話を繰り広げた後、私たちは金鶏の卵亭に押しかけ、リリアに勧められた新メニューのチキンオムライスを注文した。

私たちはチキンオムライスを食べ終えると、口々にご馳走様と言って代金を支払い、金鶏の卵亭を後にした。


家に帰る道のりを歩いていると、突然甲高いトランペットの音が脳内に鳴り響く。

私は驚いて周囲を見回すが、トランペットを演奏している者など誰一人として居ない。


(「私は愛情と美の女神フローラよ〜。今から、あなたたちに愛の試練を課すわ〜」)

脳内に、女性の声が響く。


愛情と美の女神って……。

じゃあ、これは神様がやってるってこと……?


(「あなたたちの中から数百人を選んで、迷宮の最下層に閉じ込めるわ〜。だから、あなたたちは愛する人を救うために、迷宮の最下層を目指しなさ〜い。見事最下層に到達できたら、あなたたちの愛する人は、解放するわ〜。」)


こんな試練、冗談じゃない。


(「ちなみに〜、最下層に閉じ込められている間はあなたたちの愛する人は歳を取らないわ〜。だから、何年かかっても構わないわよ〜」)


そんなの、構うに決まってるでしょ。

迷宮に閉じ込められたまま月日が経って、外にいる知り合いがみんな死んでいたらどうするの?

大切な人が迷宮に閉じ込められたら、迷宮の外に残された人はどうやって生きたらいいっていうの?


(「じゃあ今から、ランダムで数百人選んで転送するわね〜」)


フローラがそう言った瞬間、父と母、そしてユリアおばさんとガレンおじさんが青白く光りだす。


「お父さん!お母さん!」

「父さん!母さん!」

私とソラが同時に叫び、手を伸ばす。

その手は空を掴み、後には何も残らなかった。


こんなことって……。

ほんと、こんな試練、冗談じゃない……。




「……やろう」

私が発した声に、ソラが振り向く。


「私たちで、迷宮攻略」

私は決意に満ちた声でそう言った。

これにて、第一章は閉幕となります。

第二章は書き溜めができ次第、投稿を始めます。

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