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高野「高中…大丈夫か?」
高中「う、うん。擦りむいたぐらい。高野こそ、すごい怪我…
高野「大丈夫だ。俺は丈夫だし」
高中「他の三人は?」
高野「ニーナは…龍族の奴は逃げたよ。浮いてた人は今、寒陀ってやつと話してる」
高中「ニーナさん、彼女にお礼したかったんだけど…」
高野「は…、な、なんで?」
高中「最初こそ急に連れ去ったり迷惑な人だったけど、寒陀って人から庇ってくれたんだ。だからお礼したくて…」
高野「…」
高中「その、浮いてる方は助けてくれたんでしょ?じゃあその人にお礼しないとね」
高野「あぁ、そうだな」
ー部屋の奥ー
心「話す気ないね…。頭凹んで変になっちゃった?ま、いいや。読むから」
心「へぇ、なるほど。ありがと。何?怯えてるの?大丈夫。殺さないよ。」
心「うん。見逃す。あ、でと"上司に殺される"らしいね。まぁ、せいぜい頑張りな」
心「終わったよ!」
高野「それは良かった。
心…本当に助かったよ。ありがとう。」
心「あ、そうだ!お礼!してくれるんだよね?!」
高野「お、おう…」
心「じゃあさ…
ー家ー
高中「ふぅ、落ち着いた…」
心「落ち着きますね〜」
高野「マジ…かよ」
心「お礼してくれるって言ったじゃん」
高野「まぁ、何から何まで助けられたから…何も言いない…」
まさか…身寄りとかそういうのが無かったとは…
心「おっと、それ以上詮索するのは禁止!」
高野「あ、あぁ…悪い」
高中「ご飯出来たよー」
高野「そういえばまともに食ってなかったな…お腹めっちゃ空いてる」
心「美味しいです!」
高中「ふふっ、賑やかですいいね」
高野「まぁ…そうだな」
心「二人は…優しいですね。僕、今までこんな能力を持っていたから忌み嫌われてきたんです。」
高野「誰かを救えるすげぇ能力なのにな…」
高中「そうだよ!」
心(…2人とも…本心…)
心「え、えへへ、そうですかねぇ。ありがとうございます高野、高中さん!」
高中「もっと砕けた感じでもいいよ、心ちゃん」
心「え、えぇ…わかりました」
心「二人とも…いい人だな…」
心「ここにずっと居たい…でも、アイツの情報が確かなら…あの研究所が全国各地にあって、そのどこかに元凶がいる。」
心「行かなきゃ」
高野「そうか、じゃあ俺たちも行くよ」
心「っ?!起きてたの?」
高野「心読めるんだし気づいてたのかと…」
心「…だめ。出会って分かったでしょ?あいつら普通に殺そうとしてくるの。二人には危険だよ」
高野「そりゃ心も同じだろ。皆にとって危険だろうな。」
高野「でも、普通に暮らしてたってまた狙われるかもしれない。高中がまた攫われるのはごめんだ。だからその前にぶっ潰す」
心「高中さんなんて…無事じゃ済まない。今度こそ本当に死んじゃうかも」
高野「高中に関しては俺もそう思う。でも、俺と心が行く!って言うとついて行きたがるよ高中は」
心「…そっか(二人とまだ一緒に入れるのは嬉しいな)」




