ボクはニワトリ…百合園に迷い込んだ哀れなニワトリ…
街でレイラを見つけた。どうやら【Arthur Night】のメンバーと行動しているようだ。仕方ない、また後でにするか。その間になんて告白するか考えとこ。
…ん?
「俺、告白の仕方知らない…?」
だってエロ漫画じゃ大運動会中に好き好き言い合ってその後…って感じだし。てかそもそも相手はネカマの可能性だってある。女好きだから作りました、とか。…え、俺、リアルで会ったこともない人が初恋?やばくね?
脳内で「今更じゃん」と言ったミモリを蹴っ飛ばして考える。あ、やばい急に緊張してきた…。好きなのは確か。確かなんだが…決意が揺らぐ。…そうだな。急に告白するのは良くない。せめてもっと仲良くなってから…よし、一時撤退しよう。というか、そもそも俺は
「む?サンド殿か。…ここで会うとは珍しいな」
「@&//#__##@/&_#kk__i_nj⁈(声にならない声でビビる)」
いつの間に………?!
「すまない、驚かせる気は無かったのだ」
「い、いやっ↑全然?!」
「…回線が悪いのか?」
「レイラ様ー!」
「candy。どうかしたのか?」
「ギルド会議の時間、また忘れてますよ?…その方は?」
「!?(ビクッとする)」
そうだ、俺はそもそも女が苦手なんだ…!なんであんな調子のいいこと言ってたんだよ!
「この方は【HAIZIN】ギルドのサンド殿だ。『ファントム』と言えばわかるか?」
「変態で有名なあの…!?」
おいどういう意味だ。そう言えたなら苦労しない。
「失礼だろう?確かにあの鬼畜仕様を戦略として数えられるのはサンド殿だけだと思うが…」
「あ、あの、そろそろ俺はお暇して……」
ガシリ。と俺の肩が掴まれる。その犯人はレイラ。
「(すまない!助けてくれっ!)」
「(と言うと?)」
「(…その、なんだ。candyは怒ると長いのだ。だから…!)」
そう涙目で伝えてきたレイラは妹属性を纏わせている。妹のいる身としては助けてやりたいが…。相手が悪かった。
「頑張ってくれ。俺は少し周回してくるから」
女だらけの場所に行くのは勘弁したい。気絶する自信があるぞ。
「まぁまぁそう言わずに」
スッ…と俺の腕にcandyの指が乗る。やばい、え?俺関係ないよね?なんでロックオンされてんの?ねぇ怖いって!
「ゆっくりと話をしましょう。ゆっくりと」
「「ひっ……」」
だからなんで俺までぇぇぇ!?
【Arthur Night】本拠地
「レイラ様!いつも時間は見てくださいと言ってますよね!?それも今回は身内キルまでして…そんなに会議嫌なんですか?!」
「お、落ち着くのだcandy。これには深い訳が…そう、深い訳があるのだ」
「その訳とやらを聴かせてもらいましょうかね…」
「ど、どこに連れて行く気だ?!私はサンド殿のいる部屋がいい!」
「あの方には色々と聞きたいことがあります。早く来てください」
わー、と情けない声を出したレイラは奥の部屋へと消えていった。…御愁傷様。
「貴方はこちらに」
「…1つ条件がある」
「なんですか?」
本当は目の前でイチャつくなと言いたいんだが…。
「…中身はもう諦める。だから、ガワだけでも男の奴にしてくれ…」
色々と察したらしいギルドの人は言った通りにしてくれた。
「まずは、急に連れ込んでごめんなさい。何点か聞きたいことがあったので」
人を拉致る理由になってねーよ?
「まず一つ目ですけど、貴方がバグと称している技の成功率上昇の方法を…」
「それは無理。俺のアドバンテージだ」
なるほど。ギルドの戦力強化のために俺を連れて来たのか。なら俺は黙秘するしかない。このギルド普通に強いし。
「……単純に気になったんですけど、武器ってなに使ってます?籠手?」
武器種の把握か。…喧嘩ふっかける気なのかコイツら。ま、俺の分は言っていいか。特殊だし。
「籠手…ってよりもアーマーだな。蹴りとかするし。あとはアイテムボックスに色々」
「そうですか…最後に、いつレイラ様と仲良く?」
「仲良くって…別に特別良いって訳じゃないだろ?」
「…男に対してあれほど気を許している姿は見た事がありません」
そう言われても…初クエストの時からずっとあんな感じだったからなぁ…。深すぎず浅すぎない関係が心地よくて、いつのまにか惚れてしまったのだ。
「もしかしたらリアル面識あるのかもな。俺は知らないが」
「…高校生なんですか?」
「おー。高一だ」
「…本当にその可能性が出てきましたね。ありがとうございました。それでは帰っていいですよ」
「はいよ。情報料くれ」
「ちゃっかりですね。…分かっています、はいこれ」
ふむ、500万。悪くない。
「じゃあまたな。俺は女苦手だから愛想悪いかもだけど」
「分かりました。私は団長の叱責に行ってきます」
……ファイト。結局告白できなかったなぁ。どうしよう。




