武士の情けと言うやつさ……
いやよく考えればドキドキより、この女子力でなぜ子供を預かろうと思ったのかが気になるな。まあ所詮人様の家庭事情だし深く関わりたくないけど。
「そんな可哀想なものを見る目を向けないで……」
「……同情ついでに置いていってやるよ。赤い蓋のタッパーが惣菜で青い方が野菜とかだ。彩芽にも食わせてやれ。外で食うよりは栄養とれるだろうし」
「そんな、悪いよ!これ手作りだろうし、材料費とかも……」
「お前が食う食わないは好きにすればいい。でも彩芽には食わせろ。成長期だからな。あ、味は心配しなくていい。いつも三森が食ってる」
「……代わりに体で払えとか言わないよね?」
「んなっ!?俺をそういう男と一緒にするな!生憎、性欲はそこまでない」
「あはは~、よかったぁ……安心安心!」
「まだ信用できないのか?」
「……へ?」
俺はそれなりに人を見る目があると思う。だからこそ交遊関係は狭く深い。……ぶっちゃけ勘でしかないが空元気にも程がある。こいつみたいなおちゃらけタイプは端から見れば分かりにくいが、俺の近くに三森がいることもあって8割は当たっているはずだ。ま、反応を見るに……
「ダウト、だな」
「……朝の二人もだけど、私の近くにいる人っていつもこうなんだよね。隠したいことすぐばれちゃう。九十九くんもなんでって聞いてくるんでしょ?」
「いや?別に興味ない」
「んんん~?」
「言いたくないこと言わせる趣味もない。あと、聞くならお前からじゃなくてお前と親しいやつから聞く」
「……意外と悪だね?」
「本人に聞いて変に隠されたら嫌だしな。外堀から埋める。まあ俺らはそこまで気安い関係じゃないし、あとで協力せがまれるのも嫌だからな」
「ドライだねぇ……」
「変に気遣われるよりこっちの方がいいだろ。じゃあ俺帰るから。明日は頼りにするぞ」
「うん。……ありがと」
まだしおらしい気もするが……まあいっか。
「また学校でな」
「はーい」
◇◇◇
……帰った、よね?一応ドア回り確認して……よし、居ない。
「どーしよこれ……ありがたいけど、明日の学校気まずいなぁ」
くっ、まだレンチンしてないのにいい香りするし……いつの間にかパックご飯用意しちゃってるし。
「そう、毒味。これは彩芽ちゃんに食べさせてもいいかどうかの確認……!」
くぅぅぅぅぅ……!なんていい香りなの……!想像だけで、甘辛い味が身に染みちゃう……!
「中身は……魚、かな?」
お箸で持った感じ、1回油で揚げてるのかな……竜田揚げに絶対美味しいソース掛けました的な。
「いただきます、…………っぅ」
おいちいよぉぉぉぉ!ふわふわパリパリ。これが黄金比……?それでいてソースもおいちい。少し甘めだから彩芽ちゃんにも食べさせていい。九十九くん……
「……ぱぱぁ…………ふぇ?」
優しく笑いかけながら口許を拭ってくれて……じゃなかった!なかなかやりおる……!
あいらはこの場に晴樹が居ないことに安心しつつ、こころゆくまで心中、幼児退行するのだった。
おいちーーーッ!
ちなみにこのソースは本来、辛さベースなので家に帰って甘くしたこのスパダリ感(?)。美味しすぎて幼児退行するヒロイン。次はやっと女騎士攻略……書いといてなんだが長かった……!




