初心者を見守る、世話焼きな老師
ゼルダの伝説:LEVEL-1
「さあ、おいでなすったな、若き冒険者たちよ!ここはな、お主らがこれから挑む大冒険の、最初の第一歩となる場所じゃ!しっかり学んでいくのじゃぞ!」
と言ってはいるが、スタート地点から一本道でもないので、既に別のダンジョンを攻略済みの冒険者も多々いるのは突っ込まないであげてほしい。
中にはその内部の構造から「魔法のランプ」や「イーグル」なんて呼んでくれてる冒険者もいるみたいだけど通称みたいなものはなく、ほとんどの人はそのままレベル1なんて記号扱いするだけなので温かい目で見守ってあげてほしい。
彼の体内は、大きく切り出された石が規則正しく使用された床と壁が特徴で、どこか威厳を持った老人を感じさせる。しかしその表情は、常に優しさに満ちている。彼の体内は、複雑すぎず、しかし油断もできない絶妙なバランスで構成されており、初めてダンジョンに足を踏み入れる者にとって、最高の教科書となっている。
彼の日常は、実に多忙だ。若き冒険者にダンジョンの攻略法をこれでもかと教えなくてはならないからだ。
「まずはその剣の振り方を覚えるのじゃ!敵に当てるには、タイミングが肝心じゃぞ!」
「おやおや、盾を構えるのを忘れておるぞ!攻撃をガードすることも、時には攻撃以上に重要なのじゃ!」
彼は、冒険者たちが最初につまずきやすいポイントを熟知している。隠された通路や、一見すると突破不可能に見える仕掛けを用意し、冒険者たちに自力で解決策を見つけさせるのだ。彼の中にいるモンスターたちは、決して強すぎず、しかし油断すれば手痛い反撃を食らわせる、まさに「練習相手」にふさわしい者たちだ。彼らは、老師の指示に従い、その身を捧げて冒険者たちの成長を促すために一役買っている。
彼は、冒険者たちが成長する姿を見て楽しんでいる。爆弾で壁を壊すことを閃いた者、隠された部屋の入り口を見つけた者、敵のパターンを見切って無傷で突破する者……。彼らの小さな「ひらめき」や「成長」が、彼にとっては何よりの喜びなのだ。
彼の最奥にはトライフォースのかけらが眠っている。それは、このダンジョンを突破した証であり、冒険者が大魔王ガノンを倒すための「鍵」となる。
「よくやったぞ、若き冒険者よ!お主には、このトライフォースのかけらにふさわしい知恵と勇気がある!さあ、この先の厳しい道も、その調子で乗り越えていくのじゃぞ!」
最奥にたどり着いた冒険者を外へ送り出すと、彼は満面の笑みを浮かべる。まるで、自分の教え子が卒業試験に合格したのを見守る教師のような心境だ。彼の言葉は、常に冒険者たちを励まし、次の冒険へと背中を押してくれる。
しかし、時にはこんなことも。
「闇雲に突っ込むでない!目の前の敵をよく見てどう倒すか考えんか!」
「何をやっておる、その壁は壊れんぞ!そのすぐ隣じゃ、隣!」
たまに、明らかな危険に飛び込もうとする者や、見当違いな行動ばかりする冒険者を目の当たりにして憤ってしまうことがある。そんな時は、思わず大きく内部を震わせてしまうことがあり、他の冒険者たちを驚かせることもあった。
「はぁ……。まあ、失敗も学びのうちということじゃな。」
彼の日常は、ひたすら「教え導く」ことの繰り返しだった。しかし、その根底には、限りない愛情と、ハイラルの平和への願いが込められていた。彼は知っていた。いつか、この場所で学んだ冒険者が、真の勇者となり、大魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらす日が来ることを。
その日のために、彼は今日も静かに、しかし情熱的に、その場所にあり続ける。彼は、単なる「レベル1」のダンジョンではない。彼は、すべての冒険者の「世話焼きの老師」なのだ。時折、冒険者たちを鼓舞するかのように、彼の内部を風が吹き抜ける。
そして、また一人、新しい冒険者が彼の入り口に立っている。彼は、今日も静かに、そして温かい目で見守るのだ。
「さあ、入るがよい。ここから、お主らの伝説が始まるのじゃから。」
これは、かつて多くの冒険者たちがその第一歩を記し、成長への階段を駆け上がった、とあるダンジョンの、とある日常である。その正式な呼称はない。来るべき勇者を育てるため、優しく、そして厳しく見守り続ける、ハイラルの隠れた功労者だ。
ミンナニ ナイショダヨ
名称:LEVEL-1
所在地:中央湖右島
知名度:★☆☆☆☆
来訪者数:438万人
リピート率:★☆☆☆☆
見どころ:ヒントをくれる老人の存在




