プロローグ
「ダンジョン」
本来、「地下牢」を意味し、城などの地下に造られた監獄や地下室を指す言葉である。
しかし今日、「ダンジョン」という言葉が用いられる場合、大抵はゲームや空想物語の中に登場する「ダンジョン」を意味し、怪物が跋扈する巣窟であったり、伝説のお宝が眠る場所であることがほとんどだ。
だがダンジョンは、ただ戦う相手がいて宝箱があるだけの場所ではない。彼らにもまた、固有の「性格」や「生き様」があるのだ。
まるで生き物のように姿を変え、時には環境に適応し、時には全く別の場所かと思うほどに姿を変えるものまである。
もしかしたら、あなたの知っているあのダンジョンも、意外な秘密を抱えているかもしれない。
ここではそんな様々なダンジョンのひとつひとつに注目し、その背景などを詳らかにしていこうと思う。
中には、あなたがこれまでに訪れたことのあるダンジョンもあったりするはずだ。
これを読んで彼らのことを思い出したのなら、是非とも再来訪することをお願いしたいものである。
彼らも貴方が再び訪れてくれることを心待ちにしていると思うから。
さあ、ダンジョンの扉を開いてみよう。
洞窟ダンジョンのほとんどは扉なんてないよ、って野暮なことは言わないでくれたまえ。




