プロローグ
この宇宙には、数多の“世界”が広がっている。
それは、ある世界では〈別の星〉とされ、はたまたある世界では〈異世界〉とされている。
たしか、それに該当する言葉が存在しない世界もあったっけ。まだ、その存在を知らないといった具合に。
私の趣味は、そんな世界を渡り歩くこと。目的はないでもないけど、基本的には行き当たりばったりの旅。
折角の自由気ままな一人旅、そんなものに縛られてたら面白くない。
あ、自己紹介がまだだった。
私はロゼ、魔法使い。趣味はさっき話した通りで……好きなものは魔法。苦手なことは、人と話すこと。
まあ、私の話はひとまずそれぐらいにして──、
──私が今いるのは、色んな世界に繋がる〈ステラターミナル〉っていう世界。あまり大きい星ではないんだけど、星全体が巨大な駅になってる。
私がここにいる理由はもちろん、次の目的地を決めるため。
別の世界に渡るときは、この場所を経由すると安心安全に移動ができる。私はたまに強引な移動をするときがあるけど、普通の人にはオススメできない。
「……」
私の目の前には、宙に浮いた線路とその上に停まっている列車。その線路が続く場所──もとい列車の行き先は、別の世界。
この瞬間はいつも、私の胸を高鳴らせる。
さて、次はどこに行こうかな────。
代表作の息抜きに書いているゆるいファンタジーです。
会話文が多く軽く読める内容なので、ぜひ楽しんでください。