↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブルーライトニング  作者: toy


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
77/121

ブルーライトニング 改訂版 第77章

 上原がオフィスで人工頭脳のシミュレーションをしていると、来客があった。

「いま、いいかしら」

 やってきたのはアリス・ダグラスだった。

「どうぞ」と上原は丁寧に招き入れる。

「コーヒーでいい?」と上原は気楽にアリスに問うと、

「ええ、お願いできる?」

 備え付けの紙コップにコーヒーを注ぎ、小さな会議机を挟んで、アリスと自分の前に置く。お茶好きの上原ではあるが、仕事の時はあえてコーヒーを飲んでいた。

「用向きは何?」と上原は切り出した。あえて仕事中に来るのなら、世間話ではないはずだ。そのあたりはアリスはけじめをつけている。アリスはコーヒーを一口飲み、そして言った。

「今日、申請された試作アンドロイドの件だけど、あれ、玲子のためのアンドロイドなの?」

 上原はコップを口元で止めた。

「ええ、もう一人、玲子のために弟を作ってやろうと思って。新しいコンセプトも試したいし、私が直接観察もできるし、ちょうどいいと思うの」

 上原は苦笑しながら言った。

「公私混同はだめかしら」

「いえ、新しいコンセプトを試すのも大事よ。真奈美がそれを直にテストするというのも意味がある」

「そう思う?」

 アリスは大きくうなずいた。そして言った。

「ええ、それでね、試作モデルは2体作れないかしら」

 上原はアリスの思惑を図りかねた。

「何に使うの?」

「メアリの妹にしたいの」

 上原はアリスの意図を理解した。

「そうね、いいかもしれない。2体作ることは可能よ。年相応の可愛い性格になると思うから、メアリも喜ぶんじゃないかしら。でも、まだ、製作許可が下りてないし、いいのかしら、試作機をあなたの娘に与えても」

「許可は任せて、責任を持って私が企画を通すわ。それに夫もラルフも興味を持っているから、妨げる要因は無い」

 一息おいて、アリスが続けた。

「それにね、メアリには新しいコンセプトのアンドロイドがいいと思うの。私も、そのコンセプトを試してみたい」

 上原は会心の笑みを浮かべる。

「わかったわ。企画書を直しておくね」

「ええ、おねがい」

 上原はコーヒーを一口のみ、言った。

「珍しいわね、そんな私的なことを、こんな時間に話しに来るなんて」

「企画書を直さないといけないから、早いほうがいいと思ってね。それに、真奈美の企画書を読んだら、他の仕事なんか目に入らなかったの。これは新しい需要に応えるものになると思う」

 上原の意気は大いに上がった。

「がんばるわ」

 そう言うと、コーヒーを飲み干した。

「期待してる」とアリスは静かに言って、残りのコーヒーを飲み干した。オフィスに残るコーヒーの香りが、二人の高揚感を高めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。