衝撃的なオープニング!
まだまだ設定集を出したいと思っていましたが、異様にアクセス数が低すぎるので泣く泣く終わざるを得なかったのだ。(引きずっている)
しとしと寂しげな小雨が、灰色のように色落ちした町へ降り注いでいる。
まるで空虚とも言うべき燻った暗い曇り空……。
陰気に沈む心身の二人が向かい合って、静寂を保っていた。
「なぁ、友達だったんじゃないのか?」
黒髪を逆立てた少年は本来なら明るく活発な雰囲気を持つであろうが、今は曇った顔で沈んだ一言を発した。
「アールスペ……」
名を呼ばれるものの、未だ沈黙したままで俯く、もう一人の少年。
青い髪の毛でロング。男なのだが顔立ちは中性的で、女装すれば勘違いされそうだ。端麗とした顔立ち。
小雨に打たれながら、二人は静寂な灰色の町風景を周囲に見つめ合っている。
「友人だと思っていたのか? 勘違いしているのはエルローア。あなただけだ」
俯いていたアールスペという少年はキッと睨む目を見せた。
「まさか……!」
「今更気づいても遅いんだよ……。すれ違ったままこじれてしまった」
アールスペは「くっ」と斜め下へ顎を下ろした。
「二年前の夏休みでの山登りで、おまえの額に“肉”を書いてしまった事を恨んでいるのか?」
「そっちじゃないわあああああああっ!!」
恐る恐る聞くエルローアを、アールスペは思いっきし否定したぞ。
「それはむしろ嬉しかった! 私の事を構ってくれてるんだって恍惚してたほどだっ!! むしろ何度でも攻めてきて欲しい!! 攻め受けといえば、私は受けなんだからっ!」
「あ、えーっと……??」
本音を吐露したアールスペに、エルローアは予想だにしてなくて戸惑いをあらわにしていく。
「私は男だけど、本当は友人を越えて愛して欲しかったんだあああああああっ!!」
「そっちかーいっ!!」
「そうだよ!!」
「えええええええええええええええっっ!?」
思わぬカミングアウトでエルローアはビックラこいちまった。
「それとも、女じゃないと好きになってくれないのか!?」
「待て待て待て待て待てっ!!」
慌てふためいてエルローアは両手をブンブン振っている。
「えーっと、友人として親しくして欲しかったなという要求じゃなくて、性別を超えて愛して欲しいという欲求??」
「うん」
コックリと思いっきし頷いた。誰にでも分かるような肯定をした。
「おっぱいがないとな……」
惑うエルローアは渋々と口走る。
するとアールスペはガ──────ンと大きく口を開けてショックを受けた!
「あ……あなたは……おっぱいがないと、愛せないと……!? 女性としてのおっぱいを!?」
「うん!」
コックリと思いっきし頷いた。エルローアの強い肯定であるぞ。
「いいぞー。胸部の膨らんだ曲線は魅惑的で、どんな感触があるか気になるだろ? ぺろっとめくって先っぽ見てぇって思うだろ?」
「私が長年悩み続け、勇気を振り絞ってきたというのに、おまえはそんな下らない事ばかり考えていたのかあああああああああっ!!」
「うん!」
コックリと思いっきし頷いた。エルローアの強い肯定であるぞ。
「いいだろ! 美人な彼女と付き合ってあんな事やこんな事してぇわ!」
「ばかー!! 私は性別を越えて、エルとBL的展開で恋愛をしたかったんだーっ!!」
「え? いやだよ。そんなん」
「エルのバカ────ッ!!」
アールスペは激情のままにエルローアをドンと突き出す。(貫通)
「エルロ──────アアアアアアアッッ!!」
アールスペは大泣きして慟哭。
たった今、愛しい人が若き命を散らしたのだから……。
とめどもない悲しみのあまりアールスペはエーンエーン涙を流し、水位が徐々に上がっていって陸地は完全に海底へ沈んでしまった……。
なんと地球は水だけの惑星となったのだ。
名づけて『水地球』……!
人類は滅亡した。(おい)
あとがき
ついに本格ファンタジー()が始まりました。
きっと人気大爆発するだろう……。たぶん。
でもウッキウキ期待しながら連載してますもん。
ロングと書いてあるので、ロングキャラに違いない。
断じて挿絵を描いてから「しまったぁー!」と失念したわけではない。
か、勘違いしないでよね。
愛読してくださってありがとうございます。
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GT