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5話

「じゃあ、そろそろ行くぞ?」


「はい」


「では、行って参ります」


「えぇ、気をつけてね」


メアリー様等に見送られて出発する。

馬車に乗るのは僕とルシア。

そして同行するのは王国軍の方々


今回、ルシアに南の地で暴れる異民族への交渉を命じられたのだ。

僕はルシアが離れたくないという希望もあってルシアの御付として捻じ込まれた形だ。

そして、王都を出発してから3日ほど経った頃。

「あれが異民族の街か……」

遠くの方に見える街を見ながら呟く。

街の入口付近では武装した兵士が監視しているのが見える。

物々しい雰囲気の中僕たちは街へと入るのだった。


街の中の人たちは異民族という事もあって肌は褐色でここでも女性の方が多い。

僕とルシアはそれぞれ休む場所にと個室を割り当てられていた。

そしてルシアが交渉の為、部屋の中で待っていると突然と扉が開く。


「アンタがトニーか!俺はアッティラ!仲良くしようぜ!」


そういって入ってきたのはアッティラと名乗る女性。非常に元気で入るないなや肩を組んでくる。

見た目は小柄でルシアとメアリー王女の中間ぐらいの小柄さに黒髪をポニーテールで纏めており肌は褐色で民族衣装なのかすごく露出の多い衣装を着ている。

彼女は笑顔でこちらに歩み寄ってくる。


「よろしくお願いします……」


「おうよ。」


「それで、どのような要件でしょうか?」


「んー、そうだなぁ……とりあえず、抱かせてくれないか?」


「え?」


「だから、トニーを抱かせてくれよ」


「あの、流石にそれは……」


「そんな固いこと言わずにさ、ほらほら。王女や今回の交渉役とも仲良くやってるってウワサだぜ。

 それを期待してオマエたちを街に通したんだからさ!」


「いや、それでもやっぱり……」


「まあ、いきなりはそりゃそうか……でも、私は本気だぜ?」


そういってアッティラさんは顔が触れ合うぐらいの近さで向き合ってくる。


「うっ……ちょっと、離れて下さい」


「照れなくても良いのに」


「いや、本当に勘弁してください……」


「ふぅん、どうしてもダメなの?」


「はい、すいません……」


アッティラは少し沈黙した後、僕の顔を舐めてきた。


「今はこれで勘弁してやるよ」


「えっと……」


「また来るからな。その時には覚悟しておけ」


「あの、出来れば来ないで欲しいんですけど……」


「残念だがそれは無理だ。私が来たい時にここに来るだけだ。」


そういって出ていってしまった。


「はぁ……」


僕はため息をつくしかなかった。

そうしてアッティラが去って直ぐにルシアが戻ってきた。


「どうしたの?」


「うん、実はね……」


僕はルシアに先程の事を話した。


「へぇ、そうなの……」


ルシアの目が光を失ったように見えて背筋が凍る。


「あ、あの、ルシア?」


「ねぇ、トニー」


「な、何?」


「私の事好き?」


「えっと……」


「答えて」


「す、好きだよ」


「嬉しい!」


そういうとルシアは僕の胸に飛び込んできた。


「ちょ、ルシア!?」


ルシアは僕を抱きしめて離さない。


「ごめんね。嬉しくてつい」


「それはいいんだけど……あの、そろそろ離れてくれないかな?」


「嫌よ」


「え?どうして」


「だって、こうしていればトニーを独り占めできるもの」


「いや、そんな事言われても……困る」


「そんな事言ってるけど、本当は嬉しいんでしょ?」


「え?」


「だって、顔真っ赤にしてるもの」


「そ、それは……」


「恥ずかしい?」


「はい」


「なら、慣れるまでずっとこのままね」


そういってしばらくルシアと抱き合ったまま過ごす事になった。

ルシアからはもう数日この街に居る事になったと聞いたのでアッティアの件で不安になったのだろう…

僕も不安なんだけど……」

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