ぶらり旅(鬼王神社)
魔王...心の在処に向かって、神社へ
古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...
もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?
時は現代日本、ある女子大学生「椎谷・蘭華」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...
うん...
ここからは、電車で4駅か...
ネットで調べたら、すぐにヒットしたのはここだけだしね...
何せよ、神社の名前としてはかなり珍しい名前だし...
鬼王神社...
まさにこの人?にピッタリな名前だな...とスマホで何かを調べながら、隣にいるの巨漢をチラッと見た椎谷・蘭華。
その巨漢がさっきラーメン屋の中で紙に描いた絵にはその記された場所の外観まで丁寧に描かれて、書かれた名前は鮮明に書き写された。
紙を手に取って、その場所を調べたランカたちはラーメン屋を出てから、再び地下鉄の駅に戻った。
路線を確認した後、ランカはきっぷ売り場に向かった。
うん...
まあ、これからも電車を使うと思うし、私も持っているこれを使って、この人?の分の新しいものを買ってあげようか...
とりあえず1000円ぐらいチャージしておこう...
と心が決まったランカはきっぷ販売機に操作し始めた。
そして、一枚のプラスチックのカードが出てきた。
それを持って、待っている巨漢の方に戻ったランカはそのカードを渡した。
「きっぷ...替わり...これ...使う...」と片言の古代言語でこのカードのことをさらに説明を加えた。
それを聞いた巨漢は受け取ったカードを持って、黙ったままに改札に向かった。
あ、まだ説明が終わっていない!と言おうとしたランカは巨漢を呼び止めた。
そして、仕草と共に話した。
「先...私...通る」
そこで彼女は自分が持っている同じカードを改札の機械の上の部分に光っている箇所にかざすと、扉が開けた。
後を追う巨漢は手に持ったカードを同じ箇所にピタッと置いておくと、扉が開けた。
しかし、置いたカードを大きな手で取ることが難しいせいか結局光った箇所は赤色に変わり、扉は再び閉じた。
ランカのさらなる説明と何回かのトライをした結果、無事に改札を通った巨漢だったが、本人は少しドヤ顔?に近い表情をした。
えーと...よくできましたと誉めるべきなのかな、これ...とツッコミつらいランカは苦笑いをした。
その後は普通に2人が電車に乗って、ある駅に向かった。
乗っている途中...隣にいる巨漢を見て、ランカは思った。
とりあえず、前みたいに頭がグルグル回るよりはマシだけど、よく見ると本当にこの絵が正確すぎて...驚いたな。
なんだっけ...
啓示?
予知?
予言...というの?
あれ?
透視?
テレパシー?違うな...とにかくここまでヒントをもらえるなら、行くしかない。
でも、さっきネットの情報とかを見たら、ここの鬼王というのはこの人?と関係なさそうだな。ただ名前が珍しいだけか?羅刹羅闍と鬼の王は似ていると見えるけど、日本の鬼とも違うし...でも、日本の伝承とかで鬼には王がいるのか?
逆に日本のことはあまり詳しくないから、自分では答えられない。
いや、ここまでハッキリ絵に出てくるから、それは何かがあるはず。
...
そう言えば、この人?が【心】と呼ぶものってどのようなものなのかまだちゃんと聞いていなかったような気がする。
今更だけど...どのようものだろうな
まさかと思うけど、生の心臓とか物理的なものじゃないよな。それはさすがにちょっとエグい...神話で出てきた感じならその可能がかなり高いけど...
うん...
と自分の想像に浸ったランカだが、気がづいたら目的の駅に着いた。
それから、2人は改札を出た後にランカは黄色の情報掲示板を確認した。
あった...ここなら、出口は...あっちね。
と方向が決まったランカは巨漢を見て、この方向に行くように促した。
エスカレーターを2回乗り換えた先には出口が見えた。
目的地の最寄駅、ヒガシシンジュク
最初見えたのは普通のビル街だった。
しかし、少し違うのは歩いている途中にはかなり和食屋より異国料理が多く見える。
タイ...韓国...インド・ネパール...
いっぱいあるね。
そうか...この辺ってコリアンタウンがあるんだよね。
通りで異国の店が多い。
うん...さっきの焼肉屋も美味しそう...
いけない...いけない
今は目的地に向かうことが最優先だ、私。
着いてくる巨漢も特に何の反応もないまま、ランカについて行く形で異様なコンビが再び人々の目に引かれた。
しばらく歩くと、左側の小路には突然大きな木の緑が目に止まった。そして、その後すぐの角を曲がると...目的地に着いたようだ。
ランカは紙に書いた絵を見て確かめると...
間違いない...絵の通りだ。
見た目はあまり何かと変わらないなあ...突然ビル街の真ん中に神社がポツンと置かれること以外には特に特徴とかは。
とにかくこれで何かわかるはず、この人?も少し役に立ったかな...とりあえず着いてよかった。
ランカは嬉しそうに後ろにいる巨漢に振り返ると、なぜか一瞬自分の動きが止まった。
なぜかというと、巨漢の表情は単純に怖そうに見えるからだ。
え?どうしたの?ようやく心の在処に着いたのに、なんでそんな顔をする。普段さえも怖い顔なのに、今はもっと怖い...
というか目線は...と巨漢の目線を追ってみると、そこには何かの石像があった。
え?なにこれ?
鬼の石像?
まさかこれが?鬼の王?
それにしては小さすぎるし、渋い顔はこの人?と似ているだけだ。
第一、なんでここに鬼の石像が置かれるのか一番不思議だ。仁王みたいな門番にも見えないし...
というかなぜその石像を目で睨んでいるかは疑問だ。
といろんなところを巨漢本人に聞きたいところ、誰かの声が聞こえた。
「お待ちしておりました。古の魔王様」という言葉を話したのは神主の服装をした1人の男性だった。
神社の人?神主さんにしか見えないけど...
あれ?この人の目が...すごくキレイだ。
見惚れてしまうほどの透き通る青色の目をした神主らしき男性がさっき言った言葉を一瞬忘れたランカだったが、改めてその内容が脳裏に蘇った。
魔王...
魔王!?
と反応が一歩遅れたランカの先に後ろにいる巨漢は言葉を発した。
「...ナーガ」
それを聞いたランカはまた頭が混乱した。
え?この人が?
前に遭ったとはまた違う人だよね。
人?
外見は普通の人間だけど、前回遭った人のように。
大きな違いがあるとすれば、それはそのキレイな目だ。
ってここで考える場合じゃないよ、私!
まずは話を聞かないと...と男性に質問しようと思ったランカだが、そこでさっき巨漢が睨んでいた石像が突然声が聞こえた。
「熱い...熱い...熱い!苦しい!!余を...解放してくれ!」
今度は何!?
ランカは不思議で不可解な者たちに囲まれて、それを理解する脳のキャパが追いつけなかった。
とここで青色の目の男性はこう言った。
「では、始めましょうか...【血の試練】を...と言っても私も戦いには好みません。あなたの血が欲しいだけです。大人しく渡していただければの話ですが...」
街中の静かな神社で血の試練...開始
最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
ついに鬼王神社に向かう(ようやく)
拉麺編からしばらくにして、やっと本当の目的地に着いた2人だが、待ち受けているのはなんと!試練だった。
前に竜王の話で出てきた神社はまさか?のこの神社だったとは、すごい偶然ですね(棒読み)
来る前にはちょっとしたPA○MOの話にしたりしましたが、やっと軌道修正して戻りました。ふー
血の試練...謎の鬼の石像...謎の男性...
だんだんミステリー感が増しましたね(そんな作品だったっけ?)
ロケ地はどこなのかもはや隠すこともしていないですが、コリアンタウンと言ってもその辺では外国の人も多いし、興味がある方は聖地巡礼の気分でどうぞ...笑
もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!
毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!
追伸:
実は新作も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓
有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~
https://ncode.syosetu.com/n6239hm/




