表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/218

眠り姫の夢(正夢)

夢の中に物語...ここで閉幕(?)


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

再び夢の中の世界...

そこには、二人の女性が面に向かって、先ほどのほのぼのの会話から一転して真剣な話題に変わった。

古海(うるみ)香蓮(カレン)は、斯く斯く云々と自分が知っていることを目の前にいる女性に伝えた。

自分の親友のことも最近不思議で不可解な出来事絡みで出逢った人々のこともできるだけ相手に情報を与えようとした。

その話をしている間に彼女は一つの思いが浮かべた。

この話を夢の中で言って、何になるのかな...

というか、これは夢だよね?

目覚めたら、全て忘れてしまう展開とかになるじゃないの?

よく聞いたことがある話では見た夢のことを覚えないのはほとんどだけど...インパクトある夢とかなら、少し覚えるかもしれない...と言いながら、全てがハッキリ覚えるのは滅多にないだろう。

うん...自分の今の状況には正直まだ完全に信じられないけど、ある程度飲み込んで理解したつもりでこの夢?の世界を楽しむつもりだった。

しかし、目の前にいる女性の表情は楽しいとはかなり遠く、真剣に彼女の話を聞いている。

そして、ついにカレンが知っていることを全部話した。

それを聞いた女性、自分の親友の蘭華(ランカ)の容姿と似ていてシーターと自称した女性は笑顔でこう言った。

「話してくれてありがとう。これで...安心しました。」

「安心...ですか?」

「はい...自分が知っている者はあなたの時代でもまだ存在するということ...そして、何より...()はまだ生きている...ということも...もちろん()()のことも...」

「そうですか。役に立てれば良いんですが...」

「では、代わりになるか分かりませんが、私の物語...秘密をあなただけにここで教えて差し上げます。」

「秘密ですか...?」

「実は...私は...」とここで彼女から自分の秘密を打ち明けた。しばらくして...話が終わったとき、カレンは耳にしたことを疑ってしまう。

私しか知らない...シーター妃が告げる真実とは何か...


そんな...

それは...ひどすぎる!

運命というのは残酷すぎるよ...

あまりにも残酷で理不尽で悲しすぎる悲劇を耳にしただけで、なんでそうなったのか理解できなかった。

神様がいたら、本当にこのような不幸をなくして欲しいほどだ。

彼女は何をして、ここまでの罰を受けないといけないのだ。

そう考え込んだカレンは思わず涙を流した。

もはや涙腺が決壊したかのようにこぼれ落ちた涙が止まらずにいた。

それを見たシーターと自称した女性は涙が流れた頬を細い指で優しく拭い、カレンを抱きしめた。

そして、カレンの耳元にこう呟いた。


「ありがとう...ずっとあまり誰にも言えなかったこの秘密を聞いてくれて、私の悩みを受け止めてくれて、代わりに泣いてくれて...これで私たちも親友と呼べるのかな...少なくとも秘密を共有する共犯ではなれるけど...フフ」という冗談のつもりで言ったが、彼女は涙がウルウルしている笑顔をしていた。またいつもの優しい笑顔に戻った彼女はカレンに次のように告げた。

「でも残念...そろそろ目覚めの時間になったようだわ。」

それを聞いたカレンは相手の顔を見て、悲しそうな顔をした。

「そんな...せっかくここまで話ができたのに...」と残念そうで言ったら、シーターと自称した相手はいうもの笑でこう言った。

「これは【正夢】ではないことを心から願っているわ。もっとも...全ては真実だから、正夢確定ですけどね。」と少し間を開けて次のように言った。

「あなたの親友、ランカちゃんにもよろしくと伝えて...そして、仲良くしてね。この夢から覚めても覚えたらという話だけど、万一覚えたら、彼ら全員に伝えて欲しい。」

...

その内容がハッキリ伝わらないまま、2人が組んだ手も徐々にほどき、離された。

彼女がカレンに何かを伝えようとした言葉は...少しずつ聞こえなくなり、後ろの方向に何かに吸い込まれたかのようで体の自由が奪われた。

また暗闇に飲み込まれた

そして、彼女は()()()()...


カレンがこの夢で覚えたことがあるとすれば、それは誰かの温かみと優しくてどこかで悲しそうな笑顔と最後に聞こえた言葉...

「愛しています...」は夢と共に色褪せてゆく...

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。

この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


カレンとシーターの夢の世界の話もここで終わり?

もしかしたら、また誰かの夢にお邪魔するかもしれませんね。


実は、このMemento ofランカの物語自体も夢から始まったのです...

ある日、ラーマーヤナに出てくる魔王ラーヴァナが滅びかけたランカ島を見渡すという夢から、第一話のアイディアができました。

そこからいろいろ考えて、この作品を描き始めて今に至りました。

たまには、夢で出てきたとんでもない展開や設定も面白く可笑しくて採用したとこも何度もあります。


どのような話をしたのか気になりますね。とりあえず一旦ここで現実の世界に戻るとしますか?それとも?また別の夢になるのかな?(どっちだw)


あとは現実世界のカレンちゃんのことも考えないとな...


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は新作も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓

有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~

https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ