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眠り姫の夢(恋バナ)

夢の中に繰り広げる...恋バナ(?)


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

時間がどれぐらい経ったか分からない夢の世界

精密に言うならば、これは古海(うるみ)香蓮(カレン)の夢の中...

時間も光景も何もかも眠っている本人が作り出す世界...そのはずだが、どうやら彼女だけの夢に入ってきた別の女性の影響で二人の世界と化している。


学食という背景には、二人の女性がごはんを食べている和み感溢れる雰囲気が出ている。

しかし、ここで耳を澄ませて話の聞くと、何かの違和感を感じる会話が繰り広げられている。

「私には...【結ばれる運命】の方がいます。しかし...それは恋なのか愛なのか...最初は分からなかったけど...今でははっきり分かりました。私は...ある人を...()()()()()()。」

「それは...素敵なことですね。やはり旦那様である王子様のことを心から愛していると言えるぐらいの気持ちが伝わってきます。」

カレンがただ相手から聞いた話の辻褄を読み取って、彼女なりの考えでフォローをしたつもりだったが、目の前にいる女性、シーターと自称してカレンの親友の蘭華(ランカ)と酷似している人は予想外の返事が返ってきた。

「ラーマ様ね...彼は英雄王の名にふさわしい人で、良き夫だったわ...しかし、私は彼のことを()()()()()()()わ。」

え?あれ?

まさか...と思わずに表情が固まっているカレン。

私...マズいことを言ってしまったのかな...

いやいや!私もラーマーヤナについて詳しくないけど、自分がランカに聞かされた話の限りでは...ラーマ王子には献身的なシーター妃は間違いない。しかし、愛していないと言われると、話がややこしくなる方向に行ってしまった。では、その相手は()()なのかは...さすがに聞く勇気は...と困惑な顔をしたカレンに女性が微笑みで彼女を見ながら、こう言った。

「私が愛している人は誰なのか気になる?」

「あっ...えーと...」

「ふふっ...この話はまた取っておきましょう...ここで話してしまうと、もうこの話が終わってしまう気がするわ。もしかしてこの夢も...」

「え?そうなんですか?」とリアクションがどう取ればいいか益々分からなくなったカレンだったが、彼女は一旦深呼吸してから、目の前にいる女性に言った。

「分かりました。あなたがそう言うなら、別の話題にしましょう。女子会と言っても別の話題でもいいし。」と言ったそばから、目の前にいる女性はカレンに質問した。

「確かに恋話...そうだ!【恋バナ】は定番だとどこかで聞いたわ。でも、さっきあなたはもうすでに今気になる殿方の話をしてくれたわね。どのような話題がいいかしら。」と話題を上げた同時にまた唐突にそれをカレンに投げた。しかし、以外に唐突の話には親友のおかげで経験値が高いカレンにとっては、すぐに答えられた。

「そうですね。基本はさっき話した気になる人とか...すでに恋人がいる人の場合は交際中の近況とか愚痴とか...あまり良くない話になると、元恋人の話とか浮気されるじゃないかとか別れたいとか...良い方なら、この人と結婚したいとか...婚活とか?これぐらいですかね...」

「なるほど...このような話は一切ない私がいた時代では、姉妹さえも話せなかったわ。もともと自分で恋人が選べないしね。私の場合だって、お父様が勝手に儀式で私の未来の旦那様を選んだもの。たけど...その時に選ばれたのはラーマ様ということは全く後悔なんてありませんわ。恋愛には関係なく、あの人は私のために危険を冒すまで奪い返しに来てくれた。本当にそのときには心が動かされたわ。」と言って、シーターと自称している女性はまたどこかで曇りが一瞬見えた目をして、話の続きをした。

「あのときさえも...私は彼に責めなかったわ。これも運命だと受け入れた。」

雰囲気が段々女子会から遠ざかっていることを察知したカレンは自分から話し始めた。

もうここで自分の話が恥ずかしいとか思う場合じゃない!

「あ、そうそう。実はさっき話していた男子のことですけど...彼の名前はラクです。さらに彼にはお兄さんがいて、確かにラームという名前です。本当に偶然ですね。まさにラーマ王子とラクシュマナ王子みたいで、私でもその時から気になっていたのです。あ...ラームさんが気になったとかじゃないですけど...あれ?ちょっと待って...彼に会ったときにはもう一人の女の子がいて...サトラちゃんという名前をしていて...妙にしゃべり方がおじさんっぽいし、なんだっけ...バーユの子?と呼んでくれも言って、でもその時はたまげました。風を操る能力があるらしいですよ。恋バナとはもはや違いますけど、他にも親友の家には謎の巨漢が居候しているし...なんだって羅刹(ラクシャーサ)の王とか言って、自分的にはかなり急展開すぎて、何か何だか...挙げ句今は眠らされて、あなたと話しているし...もう不可解で不思議な出来事に出逢う回数は1ヶ月で何回も遭って、慣れすぎて感覚が麻痺するのか分からなくなりました...へへ。」と最後に冗談っぽく苦笑を浮かべたカレンだったが、相手の顔にはさっきまでのやさしい笑顔が消えた。

そして、彼女はカレンの目を見て、真剣な声でこう言った。

「その話...詳しく聞かせていただけないかしら?ラームさんのこともラクさんのこともヴァーユの子と自称するサトラという女の子も...そして、あなたの親友と一緒にいる羅刹の王という巨漢も...」


夢の中の女子会がどうやらここで終わった。

そして、ここで現実世界の登場人物の話が始まった。

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。

この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


シーターと自称している女性と今の夢の中の世界にいるカレンちゃんのやりとりはなんだか和むなと感じて、しばらくこの夢の世界を続けたいと思ったら、あれ?急に話しが重くなっているぞ...さらになんか偉い発言も出てきたし...現実世界の話も聞かれたし...どうなってしまうの?この夢の世界は...


今回はかなり伏線をとんでもない形で回収してしまったが、これで謎が少し明らかにする...はず。あれ?それとももっと話がややこしくなった?ごめんなさい(笑)


前回の4回に分かれたランカと魔王の拉麺の話が楽しすぎて、続きはどうしようかと思ったら...こうなりました。

あとは現実世界のカレンちゃんのことも考えないとな...


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は新作も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓

有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~

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