表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/219

邂逅(羅亜夢Meetsラヴァン)

二人が出逢い、因縁の戦いが始まる


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

場所はバナナのジュース専門店を出た設楽(したら)羅亜夢(ラーム)(そん)悟空(サトラ)に移す。


(ラク)...一人にしてしまったけど...大丈夫かな...

と言ってももう大学生だから、なんとか対処できるだろう...

そう思って、弟と不可解で不思議な出来事で眠りに入ってしまった弟の知り合い、古海(うるみ)香蓮(カレン)を店に残して、犯人が残した何かの手かがりを目の前にサトラという少女が信じられない早さで走って追跡している背中を追っている状態のラームである。


ただ者じゃないのは分かったけど、さっきのこともいい...あの伝説の(ヴァナラ)の戦士が現代になって、少女の姿になっていることも気になる。

と走りながら、考えると...前から声が聞こえた。

「旦那!ここだ!」とサトラの次にラームも足を止めた。

「さっきまであのタマを撃った人の周りにまとう風の動きは一旦この路地裏に止まった。何分間ここに止まったんだ。ここから...ちょっと中に入って調べますんで、ここで待ってもらえます?」というサトラの指示を聞いたラームはその路地の入り口の周辺で立って、周辺を見ている。

これで犯人が見つけられたらいいけど...と考えたりしながら、人々が通り過ぎたことを見ながら、ラームはふっとある人のことを思い出す。


そう言えば、ネパールから戻ってからは蘭華(ランカ)さんに一度も連絡していなかったな...

と思って、スマホを取り出した。

チャット用アプリの画面を確認すると、かなり前に送られた写真を見て、ラームが少し笑った。

これは彼女がジャナクプルに行ったときに送られた写真だ...

良い旅になったのかな...

それ以来連絡がなかったが、ラームも自分なりに忙しかった。特に最近起きた出来事のおかげで彼女のことをすっかり頭の片隅に置いてしまった。

決して忘れてはいないが...自分の使命やら従者やらで今はかなり頭がいっぱいになっている。

この出逢いも...俺の使命と関係がないと思いたいけど...と考えたはラームはある記憶が脳内に蘇った。

いとこの子供たちが言い放った俺とランカさんのことを()()()()()()()と呼んだあのとき...ただの何かの冗談かと思ったけど、今になって深い意味が隠されているじゃないかとそこまで感じた。

やはり気になる...

ちょっと連絡してみるか...まあ、単純な近況のことについて聞いたらいいから、彼女にはこのような不可解で不思議な出来事に巻き込むわけには...


そう...彼は知らない

連絡しようとした相手にはすでにこの不可解で不思議な出来事に巻き込まれるところか...中心となった古の魔王と一緒に行動をしていることを...


まあ...とりえあずメッセージぐらいを送ろうかと...とラームはチャット蘭に文字を打ち込もうとしたとき、急に何者か声を掛けられた。


「スミマセン」という片言の日本語が聞こえたラームはスマホから目の前に立っている人を見た。

そこには濃い顔立ちの()()()()()()()の肌色をしている1人の男性だった。


外国籍の人に見えたけど...知らない人だ...

「えーと...何かご用でしょうか?」と質問をしたが、相手には通じなかった。

あれ?日本語が話せないのかな?

参ったな...と思って、試しに英語で同じ質問をした。

相手にはまた通じなかった。

英語が得意じゃないけど...今のはさすがに通じると思うけど...

相手の肌色から見て、南アジア出身ということはなんとか雰囲気で分かった。

じゃ、ここでネパール語かヒンディー語で話をしてみるか?

ネパール語とヒンディー語なら話せる自信がある。

と考えるうちに...相手は何かを言った。

その言葉にはラームが全く聞き取れなかった。

ちょっと待って...これはヒンディー語でもネパール語でもない...また別の言語だ。

何を言っているか必死に聞き取ろうとしたが、ダメだった。

困惑したラームは慌ててスマホを取り出して、念のためにインストールしておいた翻訳アプリを起動して、相手にスマホのマイクに何かを言ってという仕草を見せた。

それに何か理解した男はさっきと同じ言葉をスマホに言った。

そして、ラームは画面を確認すると...相手が話しているのはどうやら()()()()()らしい。

スリランカの方か...と思ったラームは日本語に翻訳された内容を見ると、途切れ途切れになった文章はこのように表示された。

「私はスリランカから来ました。偉大な人 会えて ハッピーです。」という内容だった。

最近の翻訳のAIはかなり進化して、結構正確に翻訳されたと聞いたけど...やはりマイナーの言語になると限界があるよな。偉大な人とかハッピーとかなんか適当だと感じるし...

まあ、少なくともコミュニケーションが取れるならいいかと思い、逆に自分の日本語でアプリを通して質問をした。

アプリでシンハラ語の文字に変換された文章を相手に見せると、相手は感心の目をして、また何かを言い出した。

その言葉をマイクで拾って、次に翻訳された内容をラームが読むと...

「すみません。美味しい料理が食べたい。どこ 分かりますか?」

なんだ...外国籍の観光客じゃないか...要するにご飯を食べるところを探しているという訳だ。

それなら...えーと、この辺で評価が高い和食の店を案内すれば...

とその瞬間、ラームは何か()()()を感じた。


なぜかというと...相手とそこまですごく肌色が違わない褐色のラームにわざわざこのようなことを聞くのか?普段は観光案内所とか通常の日本の人らしい肌色の人に聞くだろう?

もしかしたら同じ国の出身だと勘違いして接近したとしても、最初に話が通じない時点で諦めて、別の人に頼るべきだ。

助けたい気持ちが先走って、何か見逃した気が...と相手の顔をもう一度見ようとしたとき...後ろから突然()()()()()()


次に聞こえたのは金属のぶつかり合いの音だった。

突然のことで目をつぶったラームが再び目を開けると、目の前にある光景に一瞬固まった。

現れたのはサトラだ...

彼女が手にしているのはサイのような先が3つに分かれた鋭くて短めの槍...何という武器だっけ...あれだ!三叉槍(トリシューラ)!でも取っ手は槍というより、ナイフみたいな長さだ。

そして、さっきまで穏やかな表情をした観光客だと思われた男は、サトラの武器を別の武器でで受け止めた。それは一目で分かる...金剛杵(ヴァジュラ)だ。

目の前にいる二人を見たラームはいきなりの展開で思わず危険を感じた。

戦っている...

そして、二人の会話が聞こえた。

それは別の国言語ではなく、ハッキリと聞き取れた()()()だった。


「人間と混じっても、匂いがプンプンするぜ...おめえの協力者に辿ったら、拘束した。おめえの正体も分かるぜ。羅刹(ラクシャーサ)の分際で...よくこの方に近づけるな。感心するぜ」

と少女にも1ミリでも思えないセリフが彼女の口から次々出てきた。

それを聞いた男はニヤリと笑って、流暢に日本語で返した。

「お前こそ、こんなお人好しの主を一人にさせて、従者失格じゃないか?」という煽りの言葉を放って、サトラの武器を振り払った。

体制を立て直した二人は睨み合いながら、しばらく二人とも動きもしなかった。


それを見たラームは、周りを見渡ると...なんか人が集まってきはじめた。

まずい...ここで戦ったら、人の目が引く...さらに目撃者とか巻き込まれる人もいるかもしれない。

そこでラームは初めて【主】らしくサトラに命令をした。

「ここで戦うのはまずい。場所を変更しなさい!」

それを聞いたサトラはなぜか不服にも見えて面白そうに見えたちょっと怖い笑顔でこう答えた。

「おお...仰せのままに...」と言って、自分と敵とラームの周りに強風を起こして、宙に浮かせたままに3人はラームの命令の通りに別の場所に移動させられた。


何のためなのか分からないまま...戦いは始まった...

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。

この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


現実の世界に戻ったら、なんか外国籍観光客との会話から一変して、バトルが始まったという急展開すぎて、作者も追いつけませんでした。(おい!笑)


外国からの観光客に道を聞かれたとかそこで主人公はめっちゃ外国語がペラペラでしゃべれることが発覚した展開とかとは違って、現実にはそんな簡単にはいかないときもあります。最近の翻訳アプリもすごく進化しましたが、まだまだ人間の代わりには遠いですねと個人的に思います。


前回の続きで現実世界のカレンちゃんのことも考えないとなと思ったら、先に犯人を追跡中の二人の話になりました。


いい加減にランカちゃんと魔王の話にしたいですが...いつラーメンの話になるんだ?お待たせしてしまい、すみません!(<m(__)m>→これで4回目...


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は新作も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓

有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~

https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ