眠り姫の夢(女子会)
夢の中に繰り広げる...女子会(?)
古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...
もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?
時は現代日本、ある女子大学生「椎谷・蘭華」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...
夢の世界の中に出現した某大学の学食
夢の中だと言っても美味しいものは美味しく感じるなと香蓮は思わず感心した。
自分の想像で現れた生姜焼き定食を完食した彼女はふっと感じた今自分が置かれている状況を整理してみた。
これは夢であり、今現実の自分はどうなっているか分からないのに、なぜかのんびり飯を食べる今の状況が安心だと感じている自分がいる。
夢の中にいるのはこういう感覚が普通なのか?
うん...頬を引っ張ってみるか?
そもそも痛みを感じないなら、それが夢だという根拠ってどこにもないのに...とよくあるある展開を思い出して考えた。
昏睡状態になった人を目覚めることができないと同じ論理の方はまだ分かるけど、まさに今の自分ってそれと同じだろうか...
まあ...少なくとも今の夢では話し相手がいる。
奇妙な相手だけど、いるだけで安心したという訳なのかな...
とカレンは目の前にいる女性をチラッと見た。
本当に...蘭華と似ているな...
ずっと気になったけど、未だに聞き出すタイミングを計っているカレン。
と思った瞬間、相手に気づかれたのかその聞き相手は先に次の話題を始めた。
「そうだ...私、【女子会】というものに興味があるの...よかったら私と一緒に女子会をしませんか?」とまた唐突な話題を振ってきた。
あれ?この唐突なところ...アイツと同じというところは偶然なのかな...?
...って...女子会?
女子会という想定外のワードでどう返せばいいか困惑してしまったカレン
「えーと...女子会というのはどういうものなのか分かりますか?」と確認のために聞いたみた結果、「え...女性同士が趣味や遊びについて話したり盛り上がったり...あと...殿方との恋の話などを話すための会かしら?」という回答にカレンは驚いた。
「え...内容は大体合っていますが...会というのは2人だけにしてもいいでしょうか?」という素朴な疑問を口にした。それに対して、女性はこう答えた。
「そう...ね...しかし、この夢には私たちしかいないから...これもこれでプチ女子会とでも呼べるかしら...それともあなたの夢だから、他の登場人物を呼ぶべきかしら?」と意外にもマジレスの言葉の返しにカレンは苦笑した。
「あっ...ハハ...ここでの返しは想定しませんでした。これ...想像をしたら、たぶん誰かが現れてくるでしょうけど、今はあなたとお話ししたいです。」と自分の中の考えをはっきり口にしたカレンだった。
それを聞いた女性は少し目を大きくしてから、微笑みを浮かべた。
「ありがとう...では、早速だけど...あなたの恋愛の話が聞きたいわ。今お付き合いしているまたは気になっている殿方がいますか?」というまた唐突に話題に入り込んだ。さすがにそれを聞いたカレンは動揺した。
「えっ?えーと...女子会の話題はもっとライトなものから始まるべきではないか...と...は...なんか本当にランカと話しているみたいだ。」と何か悟ったかのようにカレンは話をし始めた。
「実は気になっている人というか...最近出逢った面白い人がいて、まだまだお互いのことがよく知りませんでしたが、なんか...ハッキリとした理由が言えないけど、こう...不思議にこの人にひかれる気持ちになったのです。それで、少し手伝ってもらいたいことがあって、この夢に入るまでは一緒でしたが...決してデートとかじゃないですけどね...って...」と話したカレンはサラッと話した話の内容を思い返して、急に恥ずかしくなった。
って!なんでこんな話をしたんだ、私!
ランカさえもまだこの話をしていないのに...
見た目が似ているから、親友と錯覚したのか?
それとも夢だから、気にせずに何でも話しちゃうのか?
は...
穴があれば入りたい...
想像したら穴が出てくるのかな?
そして、さっきの恥ずかしさを振り払おうとしたいのかカレンは同じ話題を相手に返した。
「あなたこそ...どうなのですか?好きな人というか...すでに結婚したかと思いますけど...」という質問に対して、目の前にいる女性はなんだか遠く見ているような目をして、どこかで悲しそうで寂しそうな笑みを浮かべて、こう答えた。
「私には...【結ばれる運命】の方がいます。しかし...それは恋なのか愛なのか...最初は分からなかったけど…今でははっきり分かりました。」と言って、少し沈黙の間を空いてから、彼女は話を続けた。
「私は...ある人を...愛しています。」
夢の中の女子会...まだまだ終わらない
最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
まずは2023の初投稿ですので、改めて明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします!
年明け早々の女子会?それともガールズトークと呼んだ方が正しいでしょうか。まあ...細かいことは気にせずにと言いたいところですが、少しずつ謎が明らかになったようでもっと謎が増えたようで...どうすればいいでしょう(読者に聞くな!笑)
蘭華の見た目と似ているシーターと名乗った女性と今の夢の中の世界にいるカレンちゃんのやりとりはなんだか和むなと感じて、しばらくこの夢の世界を続けたいと思います。だって、夢から目覚めたら現実が待っているから...
あ...伏線回収ってこんなにムズイと実感しながら、また新しい伏線を置いてしまった作者にお許しください。
いい加減にランカちゃんと魔王の話にしたいですが...いつラーメンの話になるんだ?お待たせしてしまい、すみません!(<m(__)m>→これで3回目...
その前に現実世界のカレンちゃんのことも考えないとですね。
もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!
毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!
追伸:
実は新作も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓
有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~
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