香蓮(眠り姫の夢)
古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...
もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?
時は現代日本、ある女子大学生「椎谷・蘭華」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...
眠りの夢の中で...二人が出逢う
あれ...?
ここ...どこ?
目を開けると、周りが暗闇に包まれた空間を見た古海・香蓮は思わず思った。
私...さっきまでは駱くんたちと一緒にいたはずなのに...
そうだ!
話の途中で背中に突然痛みを感じて、それが最後の記憶で...気づいたら、この真っ暗なところにいた。
もしかして...これが死後の世界...?って!というのは私が死んだということ!?
ある仮説を思い付いたカレンは慌てて自分の足元を見る。
...
足が...一応ある...って!昭和のお化けの固定概念じゃあるまいし...
と思ったカレンは今度自分の体を触り始めた。
一応体は触れる...って!また昭和の幽霊の固定概念になっているじゃん!私!
と自分のお化けや幽霊に対する固定概念にツッコミを2回も脳内に繰り返したカレン。
というか私...今浮いている?ともう一つの違和感に気づいたら、さらに訳が分からなくなっている。
宇宙の無重力でこんな感じなのかな?って!呼吸ができるし...って!今の空間って酸素とか関係なくない!?とますます脳内のツッコミ力が増した一方、落ち着こうとしたカレンは改めて周りを見ることにした。
見渡す限り...本当に何もない空間だ...
もしこれが死後の世界じゃなければ、別の可能性は...
様々な仮説を思い浮かべながら、自分の視界には何が見えるじゃないか暗闇に目を凝らしたカレン。
とそのとき、背後から何者かの手らしきものがカレンの方にポンッと一回軽く触られた。
「きゃっ!」と小さな悲鳴をこぼしたカレンは大きく目を開けたまま、自分の背後を確認するために振り向いた。
そこには、一人の女性がいる。
...
えーと、死神?とまた固定概念に囚われた自分の考えを払拭しようとしたカレンは、さっきの考えを捨てて、ちゃんとその女性に面に向かって、定番の質問を口にした。
「あなたは...誰?」
それを聞いた女性は微笑みを浮かべて、カレンの顔をじっくり見始めた。
き...急に見つめられると、なんだか恥ずかしい。
待って...
この女性の顔...どこかで...と何か気になるカレン。
この顔立ち...さらに服装が和服に対するこの褐色の肌色...見覚えがある...
そこで、突然あの女性は言葉を発した。
「始めまして...あなたはカレンちゃんですね?」という唐突な質問の返しにカレンは困惑した。
「え?なんで私の名前を...というかあなたは誰ですか?始めましてって初対面ということですよね?なんか会ったことがあるようなないようなだけど...」とカレンが次の言葉を見つけようとした途中に目の前にいる女性はこう言った。
「私とあなたは初対面ですよ。ここはあなたの...うん...簡単に言うと【夢】の世界です。今の現実の世界ではある出来事であなたはいつ目が覚めるか分からない眠りに入ってしまいました。そこで、その原因には特殊の物であり、その特殊の物との関係がある私はそれに干渉できて、それでただ今あなたの夢にお邪魔しに参りました。」という女性の話の内容にある部分しか脳に入っていないカレンはその内容を復唱した。
「いつ目が覚めるか分からない眠りって...え?何?私は現代の眠り姫になってしまったってこと?」という疑問と不安が混ざった気持ちでカレンは動揺した。
「落ち着いてください...と言っても不安がいっぱいですわね。でも大丈夫...私はあなたが目覚めるまでここで一緒にいる...違うね...一緒にさせてもいいかしら?暇つぶしでも思って...」と謎の女性がまた微笑みをカレンに送った。
なんという...暖かい笑顔なんだ...不思議なことに少し安心の気持ちが不安に代わり始めた。
この人...私より少し年上かと思うけど...やはり...この雰囲気...誰かと似ている。
なんと言えばいいだろう...私が知っている人がもっと年を取ったら、こんな感じになるじゃないかなという感じ...
うん...今考えても仕方ない...少なくともこの真っ暗な空間にひとりぼっちでいるのはさすがに怖すぎる。
「では...一緒にいていただければ...嬉しいです。」と素直に相手の提案にオーケーしたカレン。
「こちらこそ嬉しいわ...お互いもっと仲良くなればと思うけど、ここならあまりこの真っ暗な場所だと話が盛り上がらないし、場所を別のところに移ろうかしら?あなたが安らぎと感じる場所はどこか教えてくれる?」という質問に対して、カレンは疑問を持ちつつ、少しの間に考え込んだ。
「えーと...変な回答かもしれませんが、よく親友と過ごした大学の食堂がいいかな...ってなんでそこを選んだんだ、私...」となんだか突然言った後に恥ずかしさが顔まで走ってきて、赤面したカレン。
一方、それを聞いた女性はただ相変わらずの笑みを浮かべて、それから手を上げた。
彼女の指がパッチンと鳴らした瞬間...真っ暗の空間が突然変化し始めた。
次の瞬間...気づいたらカレンは親友である椎谷・蘭華と昼ご飯を食べたり、話をしたりした大学時代の時間を過ごした母校の大学の食堂のいつもの席に座っていた。
え?何々?どうなっているの?と自分の目が疑ってしまうほどの光景に驚いたカレン。
そして、自分の席の向こう側に座っている女性の服装が変わった。
そう...見覚えがあるの程度じゃない。
そのピンク色のTシャツ...そのチェック柄の服...
まるで...自分の親友がそこに座っているかのようだった...
「さてと...今から私のお話に付き合ってもらえるかしら?」
「は、はい...」と自動的に回答したカレンだが、目の前にいる女性は自分の親友と重なっている。
性格は多少...いや、かなり違うけど、面影というかなぜか自分の頭の中ではそこにいるのは蘭華だと錯覚してしまう。
そして、目の前にいる女性は話し始めた。
「私の名前はシーター...これから話すのはそうね...私が自分で体験した...あなたの世代ではこう...【不思議】で【不可解】な出来事について少し語らせてもらうね。」
最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
今回はなんと...突然眠りに入ってしまったカレンちゃんの現況報告みたいなものです。夢の中で出逢ったあの人とは...どのような会話...どのような物語を語るかは...お楽しみしていただければと思います。(どうせ...こんな手を使って焦らせるでしょう?というあなた...まさにその通りです(笑))
中々一人のキャラに集中できない作家の自分をお許し下さい。<(_ _)>
でも、これで夢世界で現実世界と並行して、物語を進めることができる(という技を書いているときに思いつきました)
完全に他のキャラのことが忘れられた気が...(そんなことありません...ただ登場を遅らせるだけです。)
本当にここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!
毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!
追伸:
実は新作も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓
有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~
https://ncode.syosetu.com/n6239hm/




