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英雄王の追憶~嘘~

古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...


王子が語る...嘘の中に隠された真実

「こんな時間に旦那に呼ばれたとは...どのような用件でしょうか?」

そこに一匹の白い(ヴァナラ)は自分の主である【ラーマ王子】に前に跪いて、何かの任務を伝えることを待っていた。

王子は真剣な表情をして、声を重々しくして話し始めた。

「神様から啓示を授かった。君にしか話せないことがある。君にしか託せない任務だ。」

「明日は最後の戦になるからって、緊張しすぎだろう...旦那...俺に命令を下されば、あのランカ島でも一瞬で滅びましょう。なのに...ここまでめんどくさい人間らしいの戦まですることにして...」とヘラヘラしたヴァナラに対して、王子は表情を変えずに話を続けた。

「今夜、ランカ島の中にある宮殿に忍び込み、ある物を盗んで欲しい...それは、羅刹(ラクシャーサ)の王が殺せる唯一の方法だ。」という言葉に対して、

「ほ...そういうことですかい...戦はただ建前で、最初からあの魔王を確実に殺すのは旦那の本音だと...恐れ入ったぜ。」とニヤリと笑ったヴァナラ。

「必ずそれを手に入れ、我の手元に届けるように...君なら容易い任務であろう。」と言って、少し表情が柔らかくなった王子。その言葉に対して、真っ白な毛を纏ったヴァナラは頭を下げた。

「はい。必ずこの任務を成功して、そして旦那...我が主の目的が果たせるのお役に立てることを誓いましょう。」

「君にはいつもその忠誠心に感謝しているよ。」

「よせよ...旦那に感謝の言葉を言われるのはまだ早い。あんたの妃を無事に奪還できるまではその言葉を預かっておきますわ。」

「分かった。では、この作戦が成功したときにまた改めて君に御礼をさせてもらおう。これから任務の詳細を伝える...魔王の妃、()()()()()()()が隠した一本の矢の居場所を見つけて、太陽が昇る前にその矢を我の元に届けよ。」

「は!かしこまりました!」と命令を聞いたヴァナラは任務に向けて、素早く姿を王子の前から消した。

「頼んだよ...は...()()()()()()()()...」と王子はヴァナラが完全に姿を消したことを確認して、申し訳なさそうな表情と共にため息が漏れた。


そう...

神様の啓示は確かに授かった。

しかし、内容は魔王を殺すことではなく、()()()()をして、封印するということだった。

それはあの魔王には生かす理由がある...

今から遠い未来に訪れる世界の終焉にとって、魔王という存在が必要であるからだ。

あのときが来るまで生きてもらわねばならない...

そのためにあの矢が必要だ。

すまない...我が従者よ...君に【嘘】をついてしまった。

しかし、これは避けられない嘘だ。

我の()()()()()ために...我はこの【真実】を隠さなければならない。

さあ...全ては明日の戦で終わりが迎える...我の役目も明日で全うする...

しかし、本来とは違う目的になってしまった。

申し訳ない...シーター

君には必ず救い出す...しかし、もはやこの戦は君だけのためとは言えなくなった。


全ては...真の正義のため!

愛する者のためより...

我は、【正義】を選んだ。

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。

この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


今回は追憶編になりました。ついに真の目的が明かされました。王子の決断で物語が動き出しました。それはどのように現在と繋がるか真相に一歩近づけた気がします。(なぜか他人事みたいな言い方...笑)


一本の矢と言えば、初めて魔王を発見したそのときに繋がります(第20話参照)。では、その矢に書かれた文字と...蘭華との何か関係があるかまた謎が残ります。また今度一緒に解き明かしましょう!(また他人事みたいに言っているよ...作者...笑)


次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は新作も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓

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