邂逅(マスターミーツサーヴァント)
古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...
もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?
時は現代日本、ある女子大学生「椎谷・蘭華」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...
主?と従者...二人が出逢った
都内のとある店
内装はオシャレな黄色のパステルカラーに包まれている。
ここは...最近の流行りで話題になった...バナナのジュースがメインで販売しているの店のようだ。
入り口の前にある看板を見ると、この店の名前はWUKONGのようだ。
このバナナのジュースの店は海外で流行ったチェーン店の日本第1号店らしい...
そこに設楽・羅亜夢が店の中に足を踏み込んだ。
その理由は、先日差出人不明の封筒の中にある電話番号に掛けたから始まった。
......
「あ、もしもし?」
「あ...やっと電話してきたか...何年待たせるってのか?この野郎。」
知らない電話越しの相手になぜか不機嫌な声で電話を出たが、怒られてしまったのか?なぜ怒られたか理由が分からないまま、ラームは話を続けた。
「あの...この番号に電話したら、自分の使命は何なのか分かるらしいですが...」
「俺の声も忘れた上に、あの胡散臭いメッセージを鵜呑みしたのかよ...本当に普通の人間に成り下がってしまったな...旦那。」と電話の相手が不可解なことを言われた。
初めて話したのに...相手からにしてはまるで僕のことを知っているかのような言い草だ。
さらにかなりの辛辣さだ。
「あの...すみません...」となぜかラームは咄嗟に謝ってしまった。
「で?旦那は電話しきたということは、ようやく動き出すということだよね?」
「動き...出す?何がですか?」と相手の疑問を自分の疑問を上乗せて返した。
「は?そんなことも分からないのかよ!旦那は何も言われていないのか?この世界の終焉とか復活した魔王とか...」
「僕は何も知りません。ただこの番号に電話しただけです。って...さっき世界の終焉とか魔王とか言っていませんでしたか?」とラームはさりげなく話した相手の聞き慣れない...日常では絶対に出て来ないキーワードを聞いて、一瞬思考が停止した。
「そうか...そういう反応だと、旦那は本当に何も知らない人間になったという何よりの証拠だ。で?自分の使命を思い出したいと言ったっけ?思い出させてやりますよ...俺は...全てを。」と言って、その後は待ち合わせの日程と場所を指定された。
そして、今に至った。
あの不良っぽい話し方から想像すると、かなり強面の男性ではないかと勝手に思ったのだが、この女子向けの店で待ち合わせするとは...なんか違う気が...
店の中にはかなりお客さんが多く、9割は女性だ。
ラームは決して女性に慣れないとかではないが...やはり女性ばかりがいる店に入ると、アウェイ感を感じてしまう。
店を見渡したが、自分が想像した電話相手の強面男性らしき人物を見当たらなかった。
店自体はそこまで席がないため、見落とした可能性は低い...それともまだ着いていないのか?
と思った瞬間...ある方向からある人物の呼び声が聞こえた。
「おお!旦那!ここじゃー!」
その方向に振り向くと、自分を呼んでいるのは強面の男とは真逆だった。
その人は小柄の女性で...いや、女の子だった。
さらにもっと驚くのは見た目だった。
白い肌とはまた一段階白い...そして、あの長い髪は全て真っ白だった。
そして、無邪気な表情とあの特徴的な灰色の目は彼を呼んでいる。
アルビノ?
あの不良っぽいな電話相手と思えない...第一、確かに電話相手の声は男性の声のはずだ。
これ一体...どういうことか...と思ったラームは半信半疑の気持ちを抱いたまま、その少女が座っているところへ進んだ。
ラームが反対側の席に着くと、相手の少女は口を上げて、しゃべり出した。
「こんな姿と会うのが初めてじゃけん...驚くのは普通じゃーな。ちーと時間が経てば慣れるさ。」
なぜだろう...目の前にいる女の子の見た目としゃべり方が全く一致しなかったせいで、内容が頭に入ってこなかった。
さらにこれ...方言?
「あの...あなたは本当に僕と電話で話した人で合っていますか?あと...方言が苦手なので、標準語で話してもらえると助かります。」
「あ...すまんすまん...最近は中国地方に長くに済んだせいで結構方言になってしまってな...悪い悪い」とその少女は軽く申し訳なさそうな顔をした。
本当に外見と中身が一致しないな...というより話さないとと本題の話に入ろうと思い、ラームの方が先に話し始めた。
「あなたは一体...何者ですか?」という質問に対して、目の前に無邪気の表情をしていた白肌と髪、そして灰色の目の少女は表情を変えずに一つのカードをラームに差し上げた。
そのカードはどうやら名刺らしく、そこには会社名が書いて、この店の...いや、この店を経営する会社の最高責任者...だと!?
「始めまして...俺...私はソン・サトラと申します。悟るの【悟】と青空の【空】と書いて、サトラと読みます。まあ、ソンはなんの漢字か分かるかと思います。あの大手通信会社の方と同じです。そして、たまに私のことをヴァーユの子と呼ぶ人は大抵私の本当の姿を知っている旧友です。」
その説明に対して、まだ一部分しかついていけないラームだが、そのソンと名乗る少女はさらに言葉を加えた。
「そして...あなたは我が主、【ラーマ王子】の血筋の一人です。」という言葉にはすでに混乱しているラームに驚きがもう隠せなかった。
「え?ラーマ...あのラーマーヤナのラーマと僕ですか?それはただの架空の人物じゃないですか?実在しない人物と血が繋がるはずは...」と言っている途中、ソンは話を割り込んだ。
「信じがたいかもしれませんが、あなたから旦那...我が主と同じ匂いをするんだ。さっき確認してから...私は確信した...あんたは何も覚えていなくても...何も知らないとしても...これから世界に起きることはあなたの役目が必要になるときがいずれ訪れるよ。」
「それはどういう...」
「あんたにわかりやすく言うと、世界の終焉を導く魔王が復活して、これから世界が滅びますということかな...まあ、言っても信じられないと思うけど」と物騒な話を軽い気持ちで話したソンという少女だが、ラームの表情が真剣になった。
「要するに...僕の使命はそれを阻止するということですね。」と言って、真剣な眼差しでソンを見返した。
「ふっ!思ったより度胸があるじゃが...これこそ偉大な我が主の血を引く者はこうじゃなくじゃ...気に入ったぜ...ははは!」と興味深いな笑みを浮かべて、笑い出したソン...またの名はヴァーユの子は頭を下げて、こう言った。
「では、何なりと俺に命令をください...我が主...」
それを見て、ラームは慌てて相手の頭を上げるように話した。
これは初めての命令になったのかな...
主と呼ばれてもあのラーマの血を引くと言われてもまだしっくり来ないけど...
「じゃ、まずは説明してくれませんか...ラーマ王子と僕のつながりと世界の終焉と魔王...そして、その終わりを止める方法を...」
ともあれ...
これでハッキリになる。
自分は何者か...そして、自分に与えられたあの【使命】とは何かと...
さらに従者までできてしまった。
あ...
さようなら...今までの自分...
今日から僕は...平凡で普通の人間ではなくなった。
これから面倒なことに巻き込まれそうだ...
最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
その白肌と髪と灰色の目の少女の正体は一体...(もう分かりきっているわい!(笑))
ついにヴァーユの子の姿まで変えてしまいました...まさかのアルビノのロリ少女にするとはかなり大胆に...
正直言うと、結構前から設定しました!(一つ言わせてください...作者はロリコンではありません!)
その枠のキャラはこのキャラしかない!とパッとひらめいて、ついに実現しました。
さらにどうやら方言も喋るので...このキャラにはかなり設定をぶっ込みました。
(もし使う方言が間違えば、言ってください!)
あと...マスターとサーヴァントって...もはやF●teになってしまいましたね...笑
この二人の出逢いはどのように物語の展開に影響を与えるか乞うご期待!
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!
毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!
追伸:
実は新作も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓
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