終焉の伝承(終末の魔王)
古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...
もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?
時は現代日本、ある女子大学生「椎谷・蘭華」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...
元鳥の王が考える...終末の魔王と世界の終焉について
某都内大学 鳳研究室
資料の紙と本がたくさん積んでいるデスクの後ろに一人の男性が座っている。
その人はこの研究室の担当教授である鳳先生。
彼は、今目にしているのは携帯に送られた何枚の画像の中にある1枚の画像である。
その画像に写っているのは上半身裸の褐色の肌色をしている慎重2メートル以上にも見える巨漢だった。
これは...本当にあの魔王だ。
私の前世である鳥王、サムパーティの記憶から思い出した羅刹の王の姿と一致している。
間違いない...あの日私が【透視】で見たときには信じがたかったが、それは現実になってしまった。
ご丁寧に次に送られた画像を見ると...その画像の中には自分の教え子である椎谷・蘭華まで一緒に写っている。
結果的にこの画像は先日本人から聞いた話の裏付けになってしまった。
魔王が復活して、この日ノ本の地に降臨したという事実に対して、自分のツルツル頭を軽く掻いた鳳。
「椎谷くんの話も良い...これもいい...一番恐れていることが起きてしまった...これは厄介だ...」と自分に言い聞かせて、眉をひそめた。
あの人からの情報のおかげでもう透視を使う必要がなくなったな...
使ったら、今すぐ魔王の現在地は分かるけど、それでどうするの?という話だ。
あのときのように戦争が始まるということか?
それは否定できないが、羅刹という種族はその大戦の後には滅ぼされたはずだ。
生き残った者がいたとしても、人間の社会に溶け込んで...すでに羅刹であるすらなくなった。
軍勢を集めるなど...今の時代ではそれが不可能だ。
第一...この出来事は終焉の伝承とはどう結び付く?
今はカリ・ユガだけど...終焉はさすがに時は早すぎる...はず。
様々な法典や文献ではそれぞれの時代、つまりユガは4つに別れている。サイクルのように繰り返すということはどの文献でも同じだが、今でも論点になっているのは長さである。
一番よく言われたのは4つの時代を合わせて432万年...科学的に考えると、もはや地球の誕生から考えないといけないことになってしまいそうだが...人類が誕生したのは、およそ500万年前と言われた話から考えると、人類の前にこの星を支配した恐竜とかも誕生から絶滅までのサイクルに当てはまるじゃないかと思うが、それもまた6600万年前だ。
原人と言われるホモ・エレクトゥスの出現は約180万年前だとしたら...この時点から252万年前...もう考え始めたら、キリがない。
さらに別の文献ではもはや一つの時代では432万年のさらに4倍の時代から始まって、次の時代は432万の3倍で、次は2倍で、最後には一番短いのは暗黒時代のカリ・ユガで432万年...数字を見るだけで頭が可笑しくなりそうだ。
世界の誕生のこともハッキリしないまま、さらに神話のこの4つの時代をどう当てはまるかこれもまた学者の中では重大な論点である。
また、ある論文では今使っている暦で計算すると、すでに起源前3102年から暗黒時代が始まったと言われた。つまり、私たちはすでに暗黒時代に突入したということだ。
法が崩壊して、世界が悪徳に完全に汚れきってしまったあのとき、【汚物を破壊するもの】が現れ、世界をリセットするという伝承に対して、今まで調べてきた中では魔王の復活とか出現などは明らかにされていない。魔王は悪徳の象徴だ言ったら、辻褄が合うが...世界が浄化されるまでにはまだ431.7万年残るぞ!
!?
待って...
これはもしかして...新しい仮説になるかもしれない!
と恐ろしいことを考えながら、学者の血が騒いで興味津々の表情に変わった鳳だった。
よく弟子と師匠が似ていると言うが、こちらの鳳研究室でも例外ではない。
出藍之誉ということになるかどうかさておき、弟子のこの話題へのマニアぶりから見ると、師匠も大概ではないということである。
もしかして...
この魔王の復活は何かのサインであって...
そう!【終末の魔王】だ!
終末の魔王は、世界の終わりを告げる存在だ。
暗黒時代の期間とは関係なく、世界の終わりを早めるではないかと彼が考えた。
まるでキリスト教のヨハネの黙示録で出てくる四騎士みたいだ...
いいえ。魔王という存在こそがこの世界の終末のカウントダウンのサインか。
これで偉いご老体たちに一発ぎゃふんと言わせてることができるぞ...立証できればの話だが...
と完全に頭の中には一人だけの空間に入っている途中で...彼の携帯が鳴り始めた。
その電話の相手を見ると、非通知が表示されている。
気が取り戻した鳳は少し警戒しながら、その電話を出ることにした。
「もしもし...どちら様ですか?」
「始めまして。あなたと話すことは何千年の中で初めてかもしれません。私は、何者かは問われてほしくありません。ただ一つ、分かって欲しいのはあなたの味方であえることを認識していただければ幸いです。では、またご連絡いたします。鳥の王様...」という言葉をスラスラと言い放して、一方的に放ってから、すぐに切ってしまった。
その通話の内容に混乱していた鳳...
そして、次の瞬間電話はまたかかってきた。
まだ混乱している鳳は慌てて携帯を見たが、
これは...あ...知っている人だ。
安堵した鳳は一回深呼吸して、電話を出た。
「もしもし...どうしたの?...」と電話で話ながら、こう考えた。
さっきの謎の電話の相手は誰だ?私の前世も知っているみたいだから、ただのいたずら電話じゃないし。また連絡すると言われたけど、それを待つしかないな。
今はもっとやるべきことがある。
まずは魔王の今どこにいるか調べないと...椎谷くんなら、分かるはずだ。
この国の中ではあの魔王のことについて誰より分かる人がいれば、彼女しかない...
一方、そのランカ本人は現在電車の中でその終末の魔王の隣に座っている。
電車内で...次に降りる駅を確認してから、二人の奇妙なぶらり旅を少し楽しんでいる。
最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
今回は鳳先生の回になりました。魔王の復活と暗黒時代と世界の終わりについての内容を結び付くことがかなり大変でした。特にヒンドゥー教の時代の長さって...もはや何百万年のことで、通常の人間から考えると、本当訳分からなくなりました。(作者もです...笑)
というかいつの間に私たちも暗黒時代ナウですね...もはや本当に世界の終わりがいつ訪れてもおかしくないと考えると...いや、そのためにこの小説を書く理由でもあります。
謎の電話...それは誰でしょうかね?新キャラ?それともすでに登場した誰かが?どちらにせよ...謎がまた一つ深まってしまいました...もう伏線をどんだけ置くんだ!作者!(笑)
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
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