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羅亜夢(使命)

古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出した。


彼は電話をかける...自分の使命を思い出すために...

俺、設楽・羅亜夢(ラーム)は...

自分の使()()が思い出せない。


ネパールで体験した不可解な出来事自体はハッキリ覚えた。

「汝の本当の姿...そして、汝がやり遂げなければならん使命を忘れるな」

「汝の役目を忘れるな...本当の自分を...思い出せ」


という謎の声が言っていた言葉...


使命...

役目...

本当の自分...


うん...分からない!


確かにそう言われたが、具体的に言ってくれないと分からない。

自分で思い出せみたいな言い方もあまり好きじゃない。


最初は驚きはしたが、冷静に考えるといくつかの違和感を感じた。

運命のことは信じるとしても、

神という存在がいると信じるとしても、

神のようなよく知らない存在から自分に与えられた使命とはただの押しつけられた厄介なことに過ぎない。


俺はただスローライフを満喫したいだけ。

運命とは縛られず、普通に生きたいというのは俺の願い...ただそれだけだった。

だが、神様はそんな俺のささやかな願いを許してくれないみたい。

さらに何やら面倒なことを巻き込もうとしている。


は...

と日本に戻ってしばらくすると、ずっとこのことで頭の中から離れなかった。

思い出した方が良いのか...

仮に思い出せないとして、このまま見過ごされることはあまり考えにくい。

また前みたいに天啓(メッセージ)みたいなやつがまた来るのかな...

どっちにせよ...この厄介(運命)から逃れられないよな...

と思ったある日、部屋に1通の手紙が届いた。


差出人の住所がなかったが、ちゃんと俺宛の住所に送られた。

名前も...【オノ】と書いているだけだった。

オノ?

知り合いの中には小野さんとかはいるが、こんな形で連絡を取るとは思えない。

どうみても怪しい...

慎重にその封筒を開けると、中には一枚の紙が入っている。

取り出した紙を読もうとしたが、中身はたった2行の文章だった。

正確に言うと、一つの文章と一つの数字の羅列


自分の使命が思い出せないあなたへ↓

XXXー○○○○ー△△△△


何これ...

書いてあるのは電話番号...

怪しい宗教への勧誘の新しいやり方?

唐突にアナログ感がかなり感じさせたため、それはないかと...

最近の詐欺さえもSNSとかを利用するよ。

わざわざ手紙で送って、この番号に電話してって...

送った人の住所が分からなくても、消印を見ればどこから送られたかは分かるはず...

場所は...

...?

(おに)...(なし)...?

それは香川県にある地名で、鬼無(きなし)と読むらしい。

何で香川?

全く接点が思い浮かばない...

ただ気になるのは地名そのものだった。

鬼がいない...

鬼無というキーワードをネットで調べると、その地方では皆が知っている桃太郎伝説とは違う伝承があり、さらに桃太郎神社もある。

なんでいきなり桃太郎の話になったのか自分でも追いつけない。

まさか...本当の自分って!

()()()()()で、使命は()退()()とか...

そんなまさか...な

まあ、とりあえず詐欺の類いではないと思う。

じゃ...この電話番号に電話するのか...

うん...

自分の使命が思い出せない俺には他の選択がないか...

仕方ない...

電話してみるか...

通話料、差出人が負担してくれないかな...

最近は全然ネット通話しか使っていないから、普通電話はプランに入っていないから。

と考えても仕方ないか...


そして、俺はその紙に書いてある電話番号に電話すると決めた。

自分の使命を思い出すために...

自分の役目を知るために...

本当の自分は何者かが分かるために...


「あ、もしもし?」

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。

この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


今回は久々の天然たらし青年、ラームのストーリーになりました。(久々過ぎて、しっかり彼の話は第22話以降でした...怖っ!)

彼の性格から見て、なんか真面目にその運命を受け入れる感じじゃないなと思って、こういうのは面倒くさがりやの感じにしました。


オノという人物から届いた手紙...中に書いてある電話番号...鬼無...桃太郎伝説...

また謎が増えてきました(減らす気がないな...作者...笑)


果たして、その電話はどうやって彼の運命を変えるか...今後の展開にぜひお楽しみに!


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は新作も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓

有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~

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