旅の始まり(終わりへのカウントダウン)
そうだ...【旅】に出よう
【東京駅】
駅舎は過去に存在した駅舎の再現で美しいレンガ作りのままに蘇り、構内の最先端の技術と過去の美が完璧に融合して、その美しい造形を誰にも一度自分の目で見たくなる。そのために遥々から足を運んで人までもいる。
この美しい東京駅舎はもうすっかり東京の一つのランドマークになった。
その構内の中に交差する人々...
通勤...
通学...
出張...
帰宅...
様々な目的の人々は同じ駅の中に存在している。
そして、その中には1人の女子が立っている。
少し他の人の通路を邪魔しないように大きな広告用看板の横に立っている。
スマホを見て、誰かを待ち合わせしているようだ。
服装と荷物からすると、これからこの駅からどこかに旅行に出発する予定のようだ。
そう...旅行もまたこの駅の中にいる人々の一つの目的だと忘れかけた。
旅行...それは旅に出ることで様々な経験を得て、人生が豊かになる今では当たり前の娯楽である。
整ったポーニーテールとアウトドアな格好...そして、リュックサックを背負っている姿はまさに流行っているキャンプ女子とか山ガール系女子の類にも見えなくもない。
さらに、いかにスポーツや部活をやった経験があるように肌色はキレイに焼いた小麦色である。
そして、アクティブで明るく微笑んでいる表情...これはまさに見る人にまで笑顔にさせるオーラが出そうな感じ。
この女性はどんな旅をするだろうか...
そして、誰と旅をするのかと彼女を見かけた通りすがりの人々の中に気にする人も何人かいるだろうか。
そして、彼女が待ち合わせした相手が到着したそうだ...が...
「あ、来た来た。おい~!」と待ち合わせ相手を人混みの中に見かけると、彼女は手を振って、待ち合わせの相手に自分の居場所を知らせるように合図を送った。
ただ...その相手の容姿は違った。
想像より遥かに違っていた!
こう言ってはよろしくないかもしれないが、典型的な場合には相手な同じ世代の女子はたぶん妥当であろう。さらにロマンスの要素を入れたら、現れたのは男子で、これから一緒にデートみたいな旅をすることも想像できる。
しかし、何かが違う。
その相手は女子でも男子でもない...人間すらでもないのかと疑ってしまう。
その肌色は濃い褐色で、身長は2メートルぐらいある。
そして、顔立ちは日本の人ではないとすぐ判定できる。
どちらかというと、南アジアの人っぽい顔。
さらにその長い髭とムキムキの筋肉が一見でも分かりやすいその強靭な身体。
そして、最後の決まりはその巨漢が着ているのは、
ピチピチになるぐらいのTシャツに書いてある「I♡東京」の文字だった。
「お疲れ~さーて、出発するか!」
と彼女は隣にいる巨漢に話をかけると、巨漢はただうなづいて、彼女の後をついただけだった。
周りの人のざわめきを後にしたまま...二人は旅を出た。
彼女は椎谷・蘭華
そして、隣にいる巨漢はなんと、滅・ん・だ・は・ず・の魔王、羅刹羅闍【ラーヴァナ】である。
この二人はどうやって出会って、どのような経緯でこれから旅をするのか...皆さんはすでに分かっているはずです。
ここからは彼女たちの旅物語の始まりである。
同時にこの世界の終焉の始まりでもある...
ただし、彼女たちはこれから起きることについては無論...知る術なんてありません。
では、【カウントダウン】を始めるとして、彼女たちの過去、そして物語の続きを覗いてみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
二人に何があったのかぜひ先日譚編である第一章(第1話~第29話)を読んでいただければ分かります。
実はこの話は28日に自動設定で投稿されてしまいまして、もう一度時系列を整理するために削除して、再投稿しました。少し内容を加えたので、もう一回読んでいただいても大丈夫です。すみませんが、よろしくお願いいたします。
ご興味ある方はぜひ登場した言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
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