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ヴァーユの子の追憶~宿敵~

一匹の猿が求める...永遠のライバル


古代インドに語り継がれる叙事詩【ラーマーヤナ】、ヴィシュヌ神の化身【ラーマ王子】の愛する【シーター妃】を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ【魔王ラーヴァナ】との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生【椎谷しいたに蘭華ランカ】がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

戦って

戦って...

戦い抜いて...

永久に近い俺の一生は、ずっと...戦いに身を投じていた。

戦から次の戦へ...

戦場から次の戦場へ...

俺はずっと探し求めていた。

俺の強さが証明できる相手を...

俺は誰よりも強い!この世界で一番強い!

そのような言葉が胸を張って言える...

そのためには相応しい相手...

永遠にやり合える相手...俺の【宿敵】を...

もちろん身の程を知ったあの出来事の後には...さすがに相手を選ぶさ。


基準は、強さだけじゃない...

絶対に誰にも負けない自信、その威勢...

絶対に自分の誇りを捨てないその気高さ...

例え自分の命が尽きるまで絶対に最後まで戦い抜くその信念...

全てが揃って備える者こそ...俺の宿敵に相応しい


しかし、俺が設ける基準の要素を持つ者は中々俺の前に現れなかった。

探しても

探しても...

どれだけ探し求めても...


考えてみると...旦那と出逢わなければ、俺は自分の宿敵を永遠に出逢わないかもしれない。

旦那のおかげだ...本当に今でも感謝している。

おかげで見つけた...()()

天までその名を轟かせるその魔王...俺はずっと待っていた。

この者と対峙する時...もしかしたら俺が生を受けるその瞬間から...

ようやく見つけた...俺の強さが証明できるその瞬間を...


そして、戦ってみてすぐに分かった。

あ...これだ。

この手答え...

この俺が本気を出したくなるその強さ...

あ...なんでこんなに気分が良いのだ。

俺は...例え万一この者に敗北したとしても俺は悔いが無い。

しかし、決着が付かないまま...()()()()()()


旦那が放ったその矢が魔王の胸に刺さった光景...

俺の手が握った魔王の【心臓】が砕けた音...

俺は...俺の宿敵の最後の勇姿を...見届けた...

俺はしっかりこの目で確かめて、脳に焼き付けた。

そして、こう思った。

俺の宿敵はもう...いないと...実感した。


それ以来...現れなかった。

時間が流れ過ぎ去り、

どれぐらい経つか分からない俺の一生には、俺が宿敵だと呼べる者は現れなかった。

骨のあるやつがいないのか?と思い、世界中探しても見つからなかった。

滅んだ魔王に代わる次の宿敵は結局現れなかった。

そして...世界は平和になった。

いや、ただ平和ぼけをしているだけだ。

戦いは消えないが、昔に比べて毎日が戦場のような場所が減っていく。

俺もその平和ぼけに包まれた地で身を焦がしていた。

あ...自分の望みはもう叶わないんだな...

俺はこのつまらない一生を送るんだな...

と諦めかけたある日、風が集まってくれた噂の中にある話を聞いた。


()()()()()()()()()...と


さらに情報を収集すると、どうやら俺が現在いるこんな平和ぼけの地にいるということが分かった。

まさかここまで偶然だとは...

遠く迎えに行く手間がなくなった。

また...逢えるのか?

歓喜...

興奮...

こんな感情は久々すぎる...

一方...一つの懸念が浮かんできた。

この魔王は()()なのか?

確かめる方法は一つしかない...

直接に殴り込みに行く...そう思った俺は魔王がいる場所に向かった。

一匹の蛇が邪魔だから...先に倒しておいた。

さあ...やっとまた逢えた...魔王よ

どれほどこの再会を楽しみにしているのかお前はきっと分からないだろう...

でも、嬉しいぜ...また逢えて、またお前とやり合える!


...

と実際に戦ってみた結果、違和感を感じた。

確かにこの強さが本物だ。

その誇りも何一つも変わらない。

拳を混じり合った俺にはそう感じる。

しかし、以前に感じたその傲慢さがない...

それに加えて、今の魔王はその女性のことだけを考えて戦っているみたいだ。

そう...

どういうわけか...僅かだが、妃様の匂いが感じる。

しかし、魔王に攫われた妃様本人じゃない...

それでも愛する我が君を守るとかと言って、もはやこの女性のことで頭がいっぱいの様子だった。

本物の妃様じゃないのにな...なんでそこまで...

その話は調べておこう...


でも...本物なのかどうかこの違和感が消えないけど...

また逢おうな...

次に逢うときには確かめさせてもらうぞ。

その強さも威勢も気高さも信念が本物だと...俺の全てで証明してみせてやる。

お前は俺の()()()宿()()に相応しい存在であることを...


と昔のことを思い出して考えていた俺は今...隣にその宿敵がいる。

戦う意志も見せずにただ歩き続ける俺の宿敵を見て、人間の言葉を借りて、言葉にした。

「丸くなったな...お前。」

「何か言ったか?声が小さくて聞こえん」という相手の言葉を言われても特に腹立たず、俺はこう答えた。

「きききっ...聞こえないその耳の方に問題があるんじゃない?」

永遠の宿敵...最近の人間の言葉をまた借りると...

ライバル...か...


待っていいもんだな...ほんと...と幼い少女の姿をしている1匹の猿は1人で笑った。

今回の感想↓


まさかの追憶シリーズ!(どこがまさかだw)

しかもあのヴァーユの子ってもはや3年ぶりで2回目です!

最後に前回の続きのようなくだりも少しありますね。

なぜかちょっと和む感じになっていません?

なんか自分で書いておいてなんですが、いいですね。

ライバルはそもそも敵だと言ってもお互いを高め合う存在とかこういうキャラがいないと主人公は成長しないとかよくある筋書きですよね?

でも、正真正銘の永遠のライバルってもっとすごいと思います。例え時間が永遠のように経ってもこの関係性は変わらない。

途中で仲間になったりするよりはこの距離感が好きです。

逆に言うと、仲間より自分のことを理解するとも言えます。

いいですね。ライバルがいて...

まあ、現実には敵を作りたくないですけど、腐れ縁は持った方がいいかもしれません。

さて...一応伝えておきますが、来週は仕事の都合で休みます!すみません!

また再来週に誰が登場するのは...


そ、れ、は...

もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!

乞うご期待!

----------

改めて最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

今年の第13回ネット小説大賞に再挑戦します!


また、お陰様で...この作品は30000PVに達成しました!!!

本当にありがとうございます!

この作品を描き始めてあと少しで4年が経ちます。

それでもまだ読んでくれている読者がいる限り、やめるつもりがありません。

(もしかしたら、別の作品を書くこともあるかもしれませんが...並行にしたいです)

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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