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トリムルティ(夏イベ)

神々が集う...人間の思いを感じるために...


古代インドに語り継がれる叙事詩【ラーマーヤナ】、ヴィシュヌ神の化身【ラーマ王子】の愛する【シーター妃】を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ【魔王ラーヴァナ】との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生【椎谷しいたに蘭華ランカ】がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

ある河川敷

そこにはたくさんの人が賑やかで騒がしくしている。

ほぼ人の間には隙間があまりなく、ギュギュッと詰めている感じの状態になっている。

その原因は、これから行われるイベントにある。

その詰め詰め状態の人混みの中になぜかある一箇所だけ...他の人と少しスペースが空いている。

まるでそこだけがわざと空けられたかのようなそのスペースには人...男性が三人立っている。

三人が揃って浴衣を着ていて、人混みに詰まられず...流されることもなくただそこで立っている。


「暑い...」とその中の一人が文句みたいに言い始めた。

「ふっ!こんな暑さぐらいで文句を言うには全然ダメだね...壊三(かいぞう)は!」

維二郎(いじろう)兄はどんなときでも清々しい顔ができるところはうらやましいよ。」

「人間のこの暑い季節だからこそ、涼しむものを求めるのよ。壊三はもっと人間のことを勉強する必要がありそうだね...特にこの国ではこうして浴衣を着て、納涼を楽しむのは定番だぞ!」

「それなら、エアコンがあるところが良くない?涼しさ確定だよ...あと、人がいっぱいいるのは苦手だ...()()()()()()...」

「壊三...それは良くないことだ。ここにいる人間は特に罪がない...ただ集まるだけであって、決して悪巧みなどをしてない...一部を除いてな。」とさっきまで黙っていた男性は二人の会話に割り込んだ。

造一(ぞういち)兄さんこそ...その手にあるのは何だ?」

「ん?これか?最近の人間ではうちわじゃなくて、電動で動いてくれるハンディファンが流行しているらしいから、さっき造った。」

「ワオ!さすが創造神様!流行に乗っているとはちょっと以外だけどな!どれどれ?」と言った男性は別の男性が手に持っているハンディファンを勝手に奪って、出た風を自分に向けた。

「案外涼しいね、これ...」

「維二郎兄だけズルい...僕にも...」

「ふっ!お前は私のオシャレアイテム、この扇子を授けよう...これで十分だろう!」

「...ケチ」

「仕方ない...ほら、壊三...全員分造った。これを使え。」とどこかから取り出したか分からないハンディファンを不満そうな顔をしている男性に渡した。

「私は遠慮するぞ!この...シャレオツの扇子だけで十分さ!」

「あ、そう...」と言った男性は余ったハンディファンを突然手からもともとなかったかのように消えた。

そこで、ハンディファンを手に入れた男性は少し楽な表情になりながら、こう言い始めた。

「そう言えば、この国ではお盆という人間の先祖を敬う習慣がちょうどこの時期あたりにあったね。なんだっけ...キュウリとかナスを馬みたいに工作して、魂を乗せるとか...やっているって。」

「他の国も似ている習慣がある。お墓参りとかもそうだ。亡くなった者に思いを馳せるというところは世界で共通だ。」

「ふっ!魂が戻ってくるらしいとか...輪廻転生(サンサーラ)でいつか巡り逢うと知らずにね...とんだめでたい者たちだ!」

「あ、あと今日のテレビのニュースで見たけど...人間界ではなんか大きな戦...人間の世界全体が巻き込まれた大戦が終わった日もこの時期らしいよ。うん...いつだっけ...何十年前?覚えていない...」と男性は怠そうに別の話題を出した。

「人間の争い事には興味がないね...」

「造一兄さんは造る側だからそんなことが言えるんだよ...こっち側の身になってみろ!」

「急に突っかかるな...維二郎...何が言いたげな顔だぞ。」

「争い事は終わらない...人間は私たちが存在する数多の時を得ても全く学習もしない...結局同じことを繰り返す...ただ場所と規模が違うだけだ!本当に面倒で面倒で...」と言った男性はため息をして、

「本当に人間は愚かな生き物だなと...毎回毎回思い知らされるよ...参ったな...」と呆れた顔をした。

「私も同感だ。でも、敢えて言おう...愚かな生き物でも、その者たちを守るのも私たちの務めの一つだ...」

「そう!神々の仕事だ!」といきなりさっき呆れた顔が歓喜の顔に変わって、叫んだ。

「実際...人間がいなければ、私たちはこんなことをすることもできないからね。まあ...意味の無いことだけど...いつか終わりが訪れるとみんなが内心で分かっていたのに...」と怠そうな顔をした男性が会話に加えた。

「それはそうだが...例え人間の命は儚く...すぐに咲きそして散る...まるで...」とハンディファンを手にしている男性が言ったそのとき、川の向こう側から大きな音が轟いた。

それは...空に打ち上げられて、そのまま爆発した音と共に一瞬灯す眩しい光...【花火】だった。

男性たちの会話はしばらく止まっていて、他の人たちもその花火を見上げていた。

「こんな綺麗なものも造れるのに...恐ろしいものも造れるとは...創造神として褒めたい半分...哀れだなと言いたい半分だ。」と男性が少し悲しそうな顔をしながら、花火を眺めている。

最後の花火が打ち上げられ、綺麗に咲き誇った後、

人たちが帰る準備をしたりまた談笑したりしながら、その場から立ち去ろうとしている。


「ところで...今の状況はどうなっているの?」と突然男性の一人が言い出した。

「まあ...ぼちぼち進んでいるとしか言えないよ、造一兄さん。」

「ふっ!こちらとしては中々いい進展があったぞ!」

「維二郎...お前の方は何か余計なことをしていないよな。」

「造一兄さんは心配性だな...私は何もしなくたって...その者たちが勝手に動くよ...ただそーっと背中を押しただけだ。」

「まあ...良い...とりあえず物事が想定外の方向に進まないようにお前が監視しろ...維持神。」

「言われなくてもそうするさ...まあ、想定外というものはないけどな...全ては(ことわり)のままに動くだけさ!」と豪語した男性を見て、もう1人の男性はさっきまで花火が上がっていた夜空を見て、怠そうにこう言った。

「まずは今を楽しみましょう...二度と訪れないかもしれないこの平和を...」

「私たち神々とは関係ないけどな!ははははは!」と大きな笑い声を残して、その場からその浴衣姿の男性三人が...消えた。

今回の感想↓


超久しぶりの三人...?いや、三柱...?

初詣の話を以来、え?一年半前!?!?

時が早いな


夏のイベントと言えば...?

浴衣!

作者は正直着たことがないので、どんな感じか想像にしかできませんが、夏イベのマストアイテムみたいで...着させましたw

お盆!

と言ってももう終盤ですよね。皆様はどこかに行ったり、ちゃんとご先祖様に逢えたりしますか?

作者は普通...に仕事していました。

お盆?なにそれ?美味しいの?

休む方も仕事の方も...お疲れ様でした。

花火!

花火大会はあまり行かないですね。

人混みが苦手で、壊三みたいにすぐだるーくなるかと思います。

そして...終戦記念日の今日15日でもあります。

この更新日だからこそ、これも入れたい。

あの大戦からも80年が経ちました。

それでも世界中から戦争がなくならない。

この国ではよく平和ボケしていると言われますが、この平和のために様々なことを尽くしてきた者たち...そして、これからもこの平和を守ろうとする者たちに敬意をここで表します。

本当にありがとうございました。

こうして小説が書けることも...そのありがたみも...

どうか忘れないでいきたいです。


時事ネタを全部ぎゅっと集めた結果はこれです。

正直怪談話も付け加えたいが、入れる余地が見つかりませんでした。

最近はちょうど怪談話を聞く機会があって、本当にゾッとしました...怪談で涼しくなるってこついうことかと体験しました。


この登場によって、本編みたいな物語に影響があるかどうかはなんとも言えませんが...

それでもたまに登場させたいキャラです。

この三人?のやりとりを楽しんでいただければ幸いです。

では、そろそろ本編に戻りますか?

ん?次は誰が登場するかって?


そ、れ、は...

もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!

乞うご期待!

----------

改めて最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

今回の第13回ネット小説大賞に再挑戦します!


また、お陰様で...この作品は30000PVに達成しました!!!

本当にありがとうございます!

この作品を描き始めてあと少しで4年が経ちます。

それでもまだ読んでくれている読者がいる限り、やめるつもりがありません。

(もしかしたら、別の作品を書くこともあるかもしれませんが...並行にしたいです)

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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