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竜王の試練(伝達⑦)

竜王の...別の密会


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

或る場所

誰かの手に取っているスマホは通知音が鳴った。

そのスマホはその誰かに画面を確認された。

それはあるチャットアプリのグループチャットだった。

そのグループ名は【竜王】

その内容はこのように示された。


弐号)

現状報告

尊敬するお方からのお告げを頂いた我々【竜王】は、復活した魔王に【試練】を与えるべく封印から解き放たれ、次々と現世に出現しました。

近況の報告をさせていただきたく、ご連絡いたします。


(はち)号)

ご苦労...

報告を聞こう...


弐号)

現在小生は単独行動中で陸号の探索をしています。


捌号)

陸号に何か起きたのか?弐号と一緒に合流したと以前の連絡で今でも一緒にいると思ったのだが...


弐号)

一生の不覚でした。

何者かの奇襲により、小生と陸号とはぐれてしまい、安否確認ができない状態でいます。


捌号)

それは同胞としてとても心配だ。

無事の帰還を心から祈る。


弐号)

は!小生は最後まで責任を取らせて頂きます。

必ずや!必ず陸号を探し出してみせます!


捌号)

それは弐号の負担になると分かった上だが、よろしく頼む。

そして、忘れてはいけない...我々竜王の本来の目的...竜王の試練に支障がない程度でも頼む。

次の試練の目星がついたか?


弐号)

了解しました!

もちろん!次の試練に取りかかっております!


捌号)

そうか...

候補は誰だ?


弐号)

それは...小生が引き受けます!


捌号)

ついに弐号の出番が訪れたか...

では、吉報を待つ。


弐号)

は!


捌号)

では、尊敬するお方とこの世界の行方のために!


弐号)

この世界の行方のために!


ここでチャットが途切れた。

そのチャットを見た人はスマホをまさに今席の向かい側に座っている人に見せながら、やれやれとして呆れた顔をした。

「いつまでこんな取り纏め役みたいにさせるのですか...大体この言葉使いは今現代っぽくないでしょう?」

「演技ですよ...皆さんはお互い顔が知らない者もいるので、特に()()...あなたには...」とその人は少し圧力を感じさせる優しい笑顔をしながら話した。

「あなたがそう言うなら、別に良いですけど...こういう上に立って下を見下ろす感じは嫌じゃないし...」

「そう...それはよかった。」

「あなたを除いての話ですけどね。」と捌号と呼ばれた人は自分にしか聞こえるように小さな声で呟いた。

「何か?」

「いいえ。何でも無いです!ところで...」と言って、向かい側に座っている人の顔を見てから、捌号は周りを見回った。そして、こう言った。

「なんで()()()...いや、()()なんですか?」と唐突の問いに向かい側の人は全然不思議と感じずにただ淡々と説明した。

「ここのバーガーが美味いからだよ。」

よく周りを見ると、そこはローカルでは有名なハンバーガー屋さんだった。

かわいらしい?道化師のようなキャラクターのロゴや飾りが店に溢れている。

「新幹線は函館まで来られるし、便利だよ。」

「精密にはまた電車に乗り換えないといけないけどですね...」

「ちょうど気温も涼しいし...」

「それ...どこに比べています?最近の気温って北海道でも暑い日は暑いですよ...来るのは初めてですけど...ニュースで見ました。」

「私の実家に行ってもあまり何もないよ...だからここを待ち合わせ場所にしたの。わざわざ来てくれてありがとうね。」とここでまた優しい笑顔を見せた向かい側の人。

その笑顔を見た捌号は渋々の顔をして、こう言った。

「だからといって、博多からここまで来るのは新幹線じゃ中々長旅ですよ。本州横断ですよ!まあ、チケットを用意してくれたのはあなたですが...何で飛行機にしないのですか?」

その質問を聞いた人はド正論のようなことを口にした。

「あなた...ちゃんとした身分証明書がないよね?」

「あ...そう...ですね。」

「でも、ちゃんと迷わずに来られたね...感心したよ。」

「まあ...しばらくあの山から下りて...こんな姿になって、人間の今の生活も徐々に慣れてきたから...これぐらいは...」

「さすが...【九頭龍】様ですね。」

「それ...関係あります?」

「ないよ。」とまたその人は笑顔で笑った。

「はいはい...からかい上手の方ってこった。」

「あ、そうそう...壱号が倒されたと言う話...それは嘘よ。」

さっき笑顔だった人は突然とんでもない話をポロッとこのタイミングで口にした。

「は?でも、弐号の結構前の報告では...」

「それは()()...本来の力の試練の担当者よ...」

「じゃ...弐号が嘘を...?」

「さあ...メッセージを読む限り、そんな風な方じゃないと思ったけどね。勘違いか...それとも...」

「じゃ、参号は?もしかしてまだっ!」と興奮気味の捌号の言葉が向かい側の人に止められた。

「参号は、残念ながら本当に自分を責務を全うしてから、亡くなりました。いいえ、輪廻(サンサーラ)に戻っただけだよ。」

それを聞いて少し悔しそうな顔をした捌号はまた質問をした。

「参号と偽る者は...」

「それは一応...把握できたわ。でも、処分はあなたたちに任せようと思って。」

「ああ...それはいい。同胞を偽る不届き者にはこちらからしっかり償わせないと...あと、今の話じゃ、弐号もめっちゃ怪しいし...」

「これは私から直接にあなたに課せる任務です。しっかり遂行するように...」

「分かりました!」

と言ってから、ちょうど向かい側の人もハンバーガーを完食して、出る支度をしている。

「じゃ、行こうか...【本宮】へ...」

「はい!私たち竜王のためにも!あなたの生まれ育った故郷に眠っている()()を持って帰らないと...」


竜王の試練...新たなる展開

今回の感想↓


久々のチャット回...

内容としては今までこの作品を読んでいただいた方にはもうとっくに知っている状況かと思います。

なんだ...特に新しい展開がないのか(弐号が次の試練を担当する話以外)と思ったら、あれ?

捌号キタ!!!

あと、捌号と話しているのは誰!?

なんで函館!?

いや…懐かしいですね。

作者は何年前に函館に行きました。

街もキレイだし...何せよ海鮮は安い!美味い!

2000円ぐらいでデカ盛りの刺身盛り合わせを食べた記憶がまだ鮮明です。

あと、この回にも登場したバーガー屋さん!

ハンバーガーも美味しかったな...

一応オマージュにして道化師にしたのですが、別の言い方で一発分かります。

あ...山から見た夜景もとても綺麗だったな。

1回目で霧で何も見えなかったな...2回目トライしたら、見えた!

は...また行きたいな...

いかんいかん...ずっと函館の話になったw

新幹線で博多から函館までは何時間かかるだろう...遠いなと今更思いました。

そして、なんか急に話が変わった!

壱号は五号?

弐号は怪しい?

参号は誰かがなりすまし?

本当の壱号は?

そして、本宮という実家...そこにどうやら何か大事なものがあるらしい

結局向かい側に座っている人は誰だ!?

もう...誰も怪しく見えてしまった。

もうどうなってんのか...

どうなるのか...


そ、れ、は...

もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!

乞うご期待!


改めて最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

今回の第13回ネット小説大賞に再挑戦します!

また、お陰様で...この作品は30000PVに達成しました!!!

本当にありがとうございます!

この作品を描き始めてあと少しで4年が経ちます。

それでもまだ読んでくれている読者がいる限り、やめるつもりがありません。

(もしかしたら、別の作品を書くこともあるかもしれませんが...並行にしたいです)

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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