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眠り姫の夢(アゲイン④)

彼女は...夢の世界に別れを告げる


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

ある夢の世界

これでは二回目で訪れた夢の世界...彼女にとっては...

夢の中で暖かい陽差しとそよ風を感じさせる和やかな雰囲気のどこかの公園に彼女が座っている。

ただし、一人じゃなかった。

隣には別の女性が座っている。

彼女が何かを語りながら...少し微笑んで、たまに笑っていた。

隣の女性は優しい笑顔で彼女の話を聞いていた。

「本当にアイツ...いや、あの人は自由奔放でマイペースで...いつも振り回されたばかりでした。最近だって...」とまだ話の途中で彼女は隣の女性の顔を見て、ふと思ったことを質問した。

「あの...」

「ん...何?」

「私の話...というか私の親友の話を聞いただけでいいのですか?逆に気になることがあったら、聞いてもいいですよ。」

「あ...大丈夫...結局私が何を知ったとしても何もできないから...」

「でも、これは夢ですよね?できるできないじゃなくて、もっと好きなようにしてもいいのでは?」

それを聞いた女性は少し驚いた表情を見せて、いつもの優しい笑顔に戻った。

「この封印...の影響かもしれないですが、ここまでは限界のようです。あなたとこうして話すことができるのは恐らく現実の世界ではあなたと私が近距離に置かれる状態だからだと思うわ。」

「そう...封印!もっと詳しく説明してくれませんか?なぜあなたは封印されないといけないのかとか...そもそも封印とは何か...」

「この封印は、大事な人を守る...ううん、世界を守るためだったの。」

「せ...かい?」

「私が選んだことなの...これで皆は...」

「...なぜ...」

「え?」

「なんであなたも!シーターさんもこんな悲しいことにならないといけないのですか!?なんで自ら背負わなければならないのですか!?理不尽です!」

彼女...古海(うるみ)香蓮(カレン)は我慢できずに胸の中にこみ上げた感情をここで言葉にした。

「あの...」

「何のための封印なのか分からないし!世界のためとか大事の人のためとか...そのためなら、自分が犠牲になればいいといって...でも、結局大事な人の傍にはいられないし...夢で逢えるのもその人たちじゃなくて私だし...世界はどうなるとか知らないけど...それは間違っているだけは分かる!」

「カレン...さん...?」

「ごめんなさい。こんなことをあなたに言ってもしょうがないのは分かっています...けど、私も悔しいです。何もできずにただ傍観者みたいに話を聞いただけ...私も...親友のためなら、できることがあれば力になりたい!」と和やかな雰囲気の公園がカレンの叫び声で響いた。

そんな彼女の隣にいる女性はその本音を聞いて、何かが吹っ切れた顔で彼女に言った。

「よかった...あの子にはあなたのような親友がいてくれて...」

「私...何もできませんよ。彼女の隣には頼れるデカい男がいて、しかも魔法みたいなものも使えたようで、それに比べて...何の不思議な力も持っていない私には...」

「でも、こうして逢えた...それはあなたの力だと思うわ。」

「え?」

「原因は分からないけど、あなたとあの子には強い絆みたいな...私もはっきりと言えないわ...でも、そのおかげで私たちと逢って、私たちのために怒ってくれて...理不尽だと訴えてくれて...それだけで私たちが救われたと思う。」

そして、その女性はカレンの手を取った。

「あなたなら...これが託せる気がします。ううん...信じます。」

カレンの手のひらに何かを置いて、そのまま彼女の手を閉じた。

「これ...は...」

「あの子...蘭華(ランカ)に渡して欲しいの...」

「え?」

「そのときが訪れれば分かる...ごめんなさいね。結局曖昧なことしか言えない。でも、あなたなら分かるはず...」

カレンは一瞬戸惑った表情を見せたが、何か決意できたのか顔つきが変わった。

「はい。分かりました!」

「じゃ...もう二度と逢えないかと思うから...お元気でね...」

「はい!ありがとうございました!」とカレンは逆に女性の手を握って、

「あなたもいつか本当の意味で救われる日が訪れますように...」

それを聞いた女性は涙が頬に流れながら、変わらずに優しい笑顔でカレンを見つめた。

「うん...あの子...よろしくね...」


...

...

そして、カレンは目を覚めた。

目を覚めたら、カレンの手には何かを握っている感触がした。

ゆっくり握っていた拳を開けると、握られた物を目で確かめた。

「...何これ...石?」

何でこんなものが...

そうだ!また夢を見た!

...ダメだ...今回は何も思い出せない。

夢を見たのは確かだが、やはり思い出せない。

しかし、彼女は気絶寸前に見た光景が脳裏に蘇った。

!?!?

同じだ!

(やしろ)の中に...同じ...顔?の女性がい...る?

どういうこと...

あれ?なんか分からなくなってきた...

どっちが現実でどっちが夢で...

と考え込んだそのとき、音が聞こえた。


その方向を見ると、そこには大きな扉があった。

さらに改めて周りを見ると、とても豪華な装飾と家具...彼女が今上に座っているベッドだって、サイズが大人三人が余裕で一緒に寝られるぐらいの大きさだった。

そう言えば...ここ...どこ?

そして、また音が聞こえた。

それは扉がノックされた音だった。

「あ、はい...」

「失礼いたします。」

扉が開けられ、誰かが部屋の中に入ってきた。

その服装とその着こなし...まるで映画で見たことがある昔の執事さんみたい...とカレンは思った。

「ご気分はいかがでしょうか、お客様。」

「お客...様...?あ、ええ...良くなりました。ありがとうございます。あなたが私をここに連れてきたのですか?」

「いいえ。それは別の警備係の方です。申し遅れました...私はこの館の支配人...椎谷(しいたに)一族に仕える者です。どうぞよろしくお願いいたします。」

「そんなにかしこまらなくてもいいですよ、執事さん...いや、支配人さん。」

「ご無事で何よりでございます。あなたはお嬢様の御親友であるため、万一何事があればご当主様に顔を向けることができません。このような失態は私の責任でもあります。」

「あ、はは...大袈裟ですよ。いや...かなり大袈裟のことか...倒れたし、運ばれたし...」

「もしご気分が回復しているであれば、ご当主様のところまでご案内いたしますが、いかがいたしましょうか?」

「あ、そうですね...挨拶した方がいいですよね。御礼もしないといけないし...」

「では、こちらでどうぞ...」と言った執事は手を扉の方に広げて、頭を少し下げた。

ベッドから体を起こしたカレンは執事の案内に従って、歩いて部屋を出た。


彼女の手にはその謎の石?を握ったままで...

今回の感想↓


そして、夢の世界アゲインはこれで終幕...?

あるとすれば、名前を変えてアゲインの次に...夢の世界パート3にしますか?w

結局その謎の女性は誰でしょうね...

もう察しがつく方がいると思いますが、一旦彼女の話は終わります。

何のための封印とかそんなことよりカレンちゃんの感情爆発が書きたかったのです。

そして!戸惑いから決意がついたときの表情...絵にしたかったですね。中々重要なシーンだと個人的に感じます。

カレンちゃんには振り回される役ばかりですが、ここで自分の決意が感じるところでもっと深みがあると思います。

そして、目が覚めた!

握っていたのは何の石だ?

そして、執事...支配人が登場!

最大限の敬語を使ったと思いますが、これ...実際にはもっと丁寧な言い方があるんだよね。

難しい...にほんごむずかしい

これである程度役者が揃った...

これからは誰が登場するだろうね...(作者はいつもお約束の展開があると言わないのですw)


そ、れ、は...

もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!

乞うご期待!


改めて最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

今回の第13回ネット小説大賞に再挑戦します!

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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