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羅刹の王国(会合)

秘密の会合...開催


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

都内ギンザの夜

ある高級レストラン

入り口の飾りや店の看板から見て、ここは高級レストランであることが一目瞭然である場所。

そのレストランの入り口から誰かが出てきた。

さらに後ろにも何人かの人は先に出てきた人に声をかけた。


「本日はお忙しい中、お会いする機会を設けていただき、誠にありがとうございました!」

「これでこの国のスポーツ界隈でクリケットの普及が確かなる発展を遂げるに間違いありません!」

「なにせよ...大スターのあなたが自らこのプロジェクトにご参加いただけるので...」

その何人かの言葉が向けた先にある人の後ろにいる通訳がその人に別の言語でこそこそ伝えた。

そうすると、その人は爽やかな笑みを浮かべて、通訳に何かを言った。

「こちらこそこんな素晴らしいお食事に誘っていただき、逆にこの国の料理の神髄に触れたと思います。まさに神様の所業と言ってもいいほど美味しかったです。もっと堪能したい気持ちが残りますが、次の予定があるので、ここで失礼いたします。」

その後、また何か言った。

「この国...というよりこの世界でクリケットがより普及されることは私の夢でもありますので、お力になれれば何でもします。今日は本当にありがとうございました。」

という通訳の言葉が終わると、その人はありがとうございますなど簡単な日本語を交えながら他の人と握手してから、迎えに待機している高級の車に乗った。

そして、その人が乗った車はレストランを出発した。


しばらく車が道に進むと、車の中にいるさっきの人と通訳らしき人二人が普通に日本語で会話をしている。

「先ほどの協会の方々との会合お疲れ様でした。今からはもう一つの雑誌の取材がありまして...」

「ああ...それはただのダミーだよ。気にしなくて良い。」

「え?そうなんですか?なぜわざわざ偽スケジュールを...」

「実は別の用事があってね。さっきの皆さんを誤魔化すために入れておいたんだ。」

「そう...ですか。では、どちらに?」

その質問に対して、その人...スーツ姿からでもガタイがいいと分かる黒に近い褐色の男性は自分のスマホを取り出して、画面に表示される地図アプリを見せた。そこにピンが置いてある場所が一カ所あった。

「ここに連れて下さい。」

しばらくして、車は男性が指定した場所までたどり着いた。

「今日はご苦労様...私はここで降りますので、君はこのまま帰ってくれ。別の迎えの車の手配は済ませた。」

「あ、はい...しかし...この場所で合っていますか?」

「あ...ここでいい。さっきのレストランでは確かに美味しいけど、まだお腹がすいてね。」

「...分かりました。」

停まった車から男性一人が降りてきた後、車は再出発した。

そこはあまり人が通らなかった道路で、男性の目の前の場所にはまだ明かりが付いている。

それは、どんな街も見かける中華料理店、いわゆる町中華である。

(すい)】という古びた看板に書かれた看板とよく目にする中華料理と書いてある赤いのれん...

男性は店のスライドドアに手をかけて開けた。


店に入ると、厨房が向こう側になるカウンター席と何台かのテーブルがある。

そこで一番奥にあるテーブルでは誰かが座って、新聞を読んでいる。

テレビも付けっぱなしになっている。


入ってきたお客さんに気づいたその人は新聞をテーブルに置いて、「いらっしゃいませ」と挨拶した。

よく見たら、その人はコックコートをしている。

男性で歳はどちらかというとまだ若く見える...

そして、お客さんとして入ってきた男性はカウンター席に座って、厨房に戻ったコックさんに訪ねた。

「店主は?」

「あ...もう帰りました。最近この時間になると、僕一人で店をやることになっていて...店長さんはもう結構歳だから...」

「そうですか...逢えなくて残念です。」

「でも、料理の腕は負けませんから!ご注文は?」

「...天津飯を一つ。」

「分かりました!少々お待ちください。」

しばらく待って、男性の前に注文した料理が出された。

「はい。天津飯です。」

そこにはどの中華屋でもあるような天津飯だが、気のせいかあんかけと卵の色が黄金に輝く見える。

男性はレンゲを手に取り、天津飯のあんかけと共に卵と隠されたご飯をすくった。

そして、それを口に運んだ。

少しの間、男性は味を堪能して...とても満足な顔をした。

「美味しい...星5つのレストランには負けない美味しさだ...」

「褒めすぎですよ...でも、ありがとうございます。」

「町中華の神髄はここにあり...とも言っていいでしょうか。この店はやはり外れがないです。」

「それはどうも...冷めないうちにどうぞ食べて下さい。」

「はい...」

しばらくの間、男性は天津飯を堪能し、見れば伝わる笑顔は美味しさを語る。

そして、米の一粒も残さず、全部が平らげた。

「ご馳走様でした。」

「まいどー」

お皿が下げられてから、男性はコップに入ってある水を一口飲んで、次に厨房にいるコックの男性に話した。


「では、そちらの状況を教えてくれませんか?」

そこでコックの男性の手が止まり、男性の方を見て、笑顔で答えた。

「一回取り逃がしましたが、居場所は特定できたので...泳がせておいただけです。」

「なるほど...そういう作戦ですか?」

「そちらは?」

「こちらは裏切り者の始末もあって...ターゲットの方と接触したという情報を得ました。」

「ということは、お互いのターゲットは今一緒にいるということですね。本当に好都合すぎるぐらいです。」

「運命は私たちを味方にしている...と思ってもいいでしょう...いや、運命というより因果ですかね。」

「では、約束した通り、白鬼(ハクキ)はそちらに引き渡します。こちらには...」

「あなたの伯父さん...ですね。承知しましたよ。」

「さすが名家の当主様...よろしく頼みます。我々が組めば...誰にも止められません。例えば、あの英雄王さえ...あ、そうだ...祝杯と言っては何ですが...ビールを取りに行って良いですか?」と言って、コックの彼は厨房から出て、飲み物が保管される冷蔵庫を開けて、ビールの瓶と2つのグラスを男性に持ってきた。

瓶を開けて、2つのグラスに注いだ後、片方のグラスを男性に差し出した。

コックの彼はそのグラスを上げて、こう言った。

「今後ともよろしくお願いしますね...()()()()さん...」

「こちらこそ...期待をしています...()()さん...」


グラスが軽くぶつかった音で二人の計画が本格的に始まる合図も同時に聞こえてきた。

今回の感想↓


201話!

それにふさわしい話を考えると...なぜかこんな話になりました。

最初は高級レストランでの会合を考えたのですが、あまりにもベタすぎるなと思って、一捻りしました。

で...なんで町中華なのかって...皆さんも親しみのあるじゃないですか?

シンプルだけど、早い!美味い!

そしてどんな街にもある!

じゃ、なぜ天津飯なのかって...

そりゃ、作者が好きだからですよw

ちなみに町中華じゃないチェーン店の場合、天津飯は大阪の○将派です。

あ...腹減った。

ほのぼのグルメ回かな?と思った矢先...はい!出ました!

この二つの勢力が協力関係だとは...

たぶん最初の辺りは片方の男性は誰かとはすぐわかったかと思います。

しかし、店で誰かと待ち合わせなのかと思ったら、まさか町中華屋の若いコックさん本人の方でした!

皆さんはわかったかな?

これでこっちの方も動き出しました。

段々話がややこしくなるのは気のせいかな?w

ランカちゃんと巨漢は?

カレンちゃんと夢の世界は?

ラームくんの武器作りは?

ラクくんとシホさんは?

そして、その他諸々...

201話にもなって、どんな展開になるのか!?


そ、れ、は...

もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!

乞うご期待!


改めて最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

今回の第13回ネット小説大賞に再挑戦します!

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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