表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
195/219

香蓮(あの場所へ③)

彼女がたどり着いた場所...そこには...


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

ある細い道に車が走っている。

中には運転している一人の女性と...もう一人の少女が助手席に座っている。

少女は何かを話している様子で、もう一人の女性はどちらかというとその話を聞いている。

そして、少女の口の動きが止まり、いつもの無邪気な笑顔に戻った途端、今度は運転している女性が口を開いた。

「その話...あなたはどこから聞いたの?」

「聞いたじゃなくて、これは...」

「はいはい...どうせ私の記憶から語った話だと言いたいでしょう?」

「さすがカレンちゃん!すごい!なんで分かるの?」

「別に...あなたのことだし...昔話みたいなことはそういう手で語っただろうなと思っただけわよ。」

「さて...カレンちゃんは私の話を信じないでしょう。」

「信じるか信じないかの問題じゃないわ。私もこういう展開の話はどこかで聞いたから...どこでも似ているのよ。不幸なヒロインの話...あとは平民みたいな人と恋に落ちてしまう禁断の愛の物語とか...今じゃ流行らないわ。」

「む...カレンちゃんの意地悪い...」

「第一...仮にあなたはシーターの生まれ変わりだという前提で聞いたとして...今のあなたとどう関係するの?まさかその農民のことを思って、現世で生まれ変わった彼を探すというパターンになる?じゃ、ここで何をしているのか理由が聞きたいわ。」

「それは...」

「答えたくないか...答えられないわね。別にいいわよ。あなたが語ったことが本当だとして、今はその村はどうなっているのかは先だ。」

「その真相を見つかるためには...あなたが必要だわ...ウルミラ...いいえ、カレンちゃん。」

「はいはい...結局それも説明してくれないわね...」

と少し呆れた声で言ったカレンちゃん...古海(うるみ)香蓮(カレン)はため息をしたところ、

「目的地に着きました。案内を終了します。」という案内音声が聞こえた。

そして、車は停まった。

道もそこまで行き止まりになっている。

二人は車を降りて、周りを見回って目的地である神社を探そうとしている。

しかし、そこからは見当たらなかった。

「場所としてはこの周辺のはずだけど...」とカレンはもう一度地図のアプリと自分の現在地を照合して確認した。

「あそこ...道にも見えなくもないよ。そこに行ってみようよ。」

「え?ほぼ獣の道じゃない...大丈夫なの?」

「行ってみないと分からない...だから、行こう!」と言った少女は先にその道?に進んで行った。

「待って!...は...このシューズを履いておいたのは正解かもしれない。」と言って、カレンはその少女を追って、同じ道に進んだ。

しばらくその道を歩くと、獣の道が少し広くなり、そして...何かの建造物が視野に入った。

それは道の左側にあるので、神社じゃない...ってなんかデカい!

そのデカいというのはどうやら誰かの屋敷らしく、なぜこんなところに屋敷が建てられたのかも謎だが、

この道とその屋敷が繋がっていないっぽいから...と思ったカレンはただ驚いただけで先に進んだ。

地図にも載っていない...それはそうか...私有地だし...というかもしかしてこの辺り全部は私有地だったら...

「ね...ちょっとマズいかもしれないわ。」

「何がなの?」と少女は振り返って首を傾げにカレンを見た。

「あそこの屋敷が見えるでしょう?そんなデカい屋敷が建てるのなら、この辺全部所有しているかもしれない。見つかると、不法侵入になるかもだよ...一旦戻った方がいい...」

「じゃ...見つかる前に神社を見つければいいのよ...早くしないと。」と少女はカレンの心配を無視して、先に進んだ。

「待って!もう...ネットで女性会社員が森の中で不法侵入して逮捕されたニュースとかになるのは勘弁して...あ、もう!」とカレンも不安を思いながら、少女を早足で追った。

そこからしばらく歩くと...二人は何かが見つかった。

「ここが...」

「神社?」

二人が目にしたのは古びた...神社というより造りがより簡易な【(やしろ)】だった。

造りの構造が一つしかなかったことから、本殿と拝殿が一体化したにも見える。

古びたと言ったが、ちゃんと手入れされるので、廃墟になったわけじゃなさそうだ。

あと、造りは簡単に見えるが、丁寧に建てられたことを感じる。

しかし、いつも神社で見かけるある物が見当たらなかった。

それは賽銭箱だった。

「そもそもないのか...こういう場所の来訪者は中々いないから、撤廃した...とか...」とカレンはそう考えている。

しかし、隣にいる少女の目がさっきまでの無邪気さがどこかで行ったかのように真剣に社を見つめている。

カレンがそれを見た瞬間、少女は動き出した。

彼女は社の方に向かって、目の前のふすまの扉に立っている。

そして...彼女は()()()()()()()()()()

「いきなり何をしているのよ!勝手に開けちゃ!」と慌てて少女のところに走ったカレンだが、彼女は少女のことより...その社の中にある物に目が留まった。

見えた...

見えてしまった...

見てしまった...

「嘘...これ...これって...」

カレンは明らかに動揺した。

自分の眼に映ったものはあまりにも現実にかけ離れたため、言葉もそれ以上出なかった。

一方、少女はその光景を見て、動揺するところか微笑んだ。

「これで...ピースが揃った。」と言って、少女は動揺しているカレンの後ろに手を伸ばした。

そして、「おやすみ...」と言った彼女はその手に隠している鋭い針をカレンの首筋を()()()

無防備のカレンは驚くことさえもできず、そこで気絶してしまった。

「ここからはあなたの本番だよ...カレンちゃん...いや、ウルミラ。」

カレンの意識が遠く行ってしまう前に見えたのは少女の...シーター妃の生まれ変わりと自ら名乗った少女の本当の顔...無邪気の裏に隠された企みのある顔だった。

そして、カレンは眠りに入った。

...

...

...

カレンの意識が取り戻すと、そこはさっき彼女と少女がいる社ではなく...果てしのない暗闇の中だった。

私...確かにさっき...

そうだ!

やられた...アレを見て動揺して、でも...こんなことをして何の意味が...と彼女は目の前に広がる暗闇の中に何かが見えた。

人影のような何かがこっちに向かっている。

そうだ!これは夢の世界...

以前彼女が体験した不思議で不可解な出来事...眠り姫の夢の世界をまた思い出した。

これは夢の世界でしか記憶が残らない。

ということは...そこにいるのは...

「シーターさん?」

その人影がカレンのところに近づいたことにつき、その正体は明らかになった。

...え?

目の前にいる人影の正体を確認した彼女は思わず戸惑う気持ちを露わにした。

()()()()()()()()...


「あなた...誰?」

今回の感想↓


ついにたどり着いたある場所!

謎の少女が話した話はどんな話だろうね(気になる方は193話を参考にしてね...あくまで参考だよ〜)

その続きのようにして、二人のやりとりから始まる。

そして、目的地に着いた。

ここからは神社を探すところに見かけた屋敷...

一体何の関係があるだろう...

それで神社にたどり着いたのはいいが、そこにあるのは鳥居もなく、造りが簡易ながら丁寧に建てられた社でした。

賽銭箱もなく、一体何のために建てられたのだろう...

そして、1番肝心なのは彼女たちが見た...社の中にあるモノとは!

それが明らかになる前になんと!カレンちゃんはまた眠らせられてしまったじゃないですか...

もう眠りの香蓮と名付けた方がいいんじゃw

これは少女が言ったカレンが必要になる理由ですかね。

眠りに入ったカレンはまた夢の世界に訪れ、あ、はいはい...ここでまたシーター(本物?)と出会えたよな...分かったわよワンパターンだなと思う方に...

違いますよw

じゃ、誰なんだい!?


そ、れ、は...

もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!

乞うご期待!


改めて最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

今回の第13回ネット小説大賞に再挑戦します!

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ