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香蓮(あの場所へ②)

そうだ...椎谷村に行こう...?


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

電車の窓を見越すと、田んぼが見えてくる。

大都会から離れた田舎によくある見かける風景が永遠のように続いている。

もう...飽きた...

という思いが浮かんできたのは列車の中に座っている一人の女性、古海(うるみ)香蓮(カレン)だった。

電車を何回も乗り換えて、しかも今乗っているのはもはやワンマン運転の一車両の電車だなんて...どれだけ交通が不便なの?

レンタカーにしておけばよかったと考えなくもないカレンだが、それだと別の意味で迷ってしまいそうなので、電車にした。

彼女が退屈そうな顔をしながら、外の景色をボンヤリと眺めている同時に...彼女の隣には全く対照的な反応をした人がいる。

「ねえねえ、カレンちゃん!あそこね...さっきと違う色の田んぼだよ!あ!そこの木も!何の木だろう...ねえ!」

と何もないところにいちいち気になるところを口にしたのは一緒にこの電車に乗った謎の少女、自らシーターと名乗った少女だった。

そのはしゃいだ声を耳にして、カレンは少し疲れた声で「うん...そうだね...」と返しただけだった。

なんでこんにはしゃげるのか不思議に思うカレンだが、これは最初に乗った電車のときから数時間が経った今になっては彼女の中の適応力で適当に返しても特に大丈夫という結論に至ったため、こんな薄い反応になった。

いちいちツッコむとキリがないのよ...もう...と思ったそのとき、車内のアナウンスが聞こえた。

それは次の駅に間もなく到着するというアナウンスであり、そこで彼女が謎の少女に言った。

「次で降りるわよ。」

「うん!分かった...電車に乗るって楽しいね。」という無邪気の言葉を聞いて、カレンは少し驚いた。

「どこか楽しいなのよ...」

「ウルミラ...いいえ、カレンちゃんと一緒にだから!」という無邪気な笑顔と共に来た不意打ちの言葉でカレンはどこから来たか分からない最悪感を感じた。

この子...やっぱりアイツと似ている...

そのアイツとは彼女の親友であり、今は日本のどこかで旅をしている椎谷(しいたに)蘭華(ランカ)である。

いや...帰省は旅と呼んでもいいのか...まあいいか...

この二人には全く接点がないのに、すぐすぐこの謎の少女の言動がここにいない親友と似ているところを不思議で仕方なく感じるカレンだが、今はその話をする場合じゃない。

今回の目的はある場所について調べることだから...

その場所...ある村の名前もまた彼女の親友の名字と同じ...【椎谷村】である。


下車したホームには一緒に降りた謎の少女以外は誰もいなかった。

さらに、駅舎も駅員がいない...いわゆる無人駅...

改札というよりただの通り道の前に彼女は電子ICカードをタッチして外を出た。

一応ICカード対応なんだ...と少し関心したカレンだが、外の様子を見渡すと...より実感してしまった。

ここ...田舎すぎるでしょう...

車はおろか...道路も一本道だし...ここからは歩く...しかないよね。

カレンは自分のスマホで地図アプリを開き、現在位置を調べ初めた。

えーと...ここから村があったと思われるところ...ダム建設で今は貯水地になったところから一番近いのは...

あった...神社がある!

そこに行ってみれば、何か分かるかも...ってよく考えたらそこには誰がいるか保証がないし...

アプリで表示されたのは神社の写真だけで...社務所みたいな場所は映っていない。

そもそも本当にあるのか今更だけど、思い始めた。

誰が適当にピンを置いて、写真を載せたみたいな事例はこういう地図アプリの珍しくないことだ。

うん...ここからだと...徒歩...2時間!?ここ最寄り駅だよね?

は...帰りたくなった...でも、この子にどう説明すれば...と思ったカレンはスマホの画面から目を離し、例の少女を見ようとしたが、どこにもいなかった。

え?

目を離した隙にどこに行った?

カレンは駅の方を見ると...いた!まだ駅舎内にいる...何を見ているようだった。

「何をしているのよ、もう...」と少し声を上げて、少女に話した。

「すごいね...次の帰りの電車が来るのって3時間後だよ...いっぱい時間があるね。」とこっちの心配に気づかないかのようにまた無邪気なことを言った。

「3時間!?帰りたくてもそんなに待たないといけないの?」

そして、少女が駅を出て、カレンのところに歩いてきた。

「まだまだ時間があるし...椎谷村に行こう!」とやる気満々の目をしている少女だったが、

「さっき調べたけど...ここから徒歩2時間だよ。本当にそこには村があるという確信がないし...こっちはあなたに付き合うと言い出したのに悪いけど...今になって冷静に考えると...現実的じゃないわ。」

「それなら大丈夫だよ。」

「大丈夫?何がなのよ...ここからどうやって行くの?車もないんだよ。」と本当に思うことを口にしたカレン。

「車ならあるよ。」

「え?」

とカレンの驚きの表情がまだ消えないまま、さっきまで車が全然通らなかった一本道に突然一台の車が彼女たちの前に停まっている。

次に運転席から誰か降りてきた...それは黒いスーツと黒いサングラスをしたガタイのいい男性だった。

その男性は少女に車のキーを渡し、駅舎の前に無言で立ち始めた。

「これで時間短縮できるかしら...あ、私は免許を持っていないから、カレンちゃんに運転をお願いね。」

「あなた...マジで何者なのよ...」と本音が再びこぼれたカレンだった。

「誰って...私はシーター様の生まれ変わり...そして、()()()()()()()を解くため...椎谷村を見つけないといけないの...と言ったらカレンちゃんはどこまで信じるかしら?」

「シーターの謎?...どういうこと?」

「まずは椎谷村まで一緒に行こう...ね?」とさっきまで無邪気な笑顔の少女に妖しげな雰囲気が纏っている。

「う、うん...」とカレンは少女から車のキーを受け取って、荷物を後ろ席に置いてから運転席に座った。

そして、車が走り出した。

ご丁寧スマホスタンドまで設置された...これで地図アプリをナビゲーターモードに切り替える。

「案内を開始します」という音声が聞こえてきた。

また二人きりになったカレンとシーターと名乗った少女...

「聞いてもいい?」

「何?」

「なんで私まで一緒に来る必要があるの?」

「なんでって...」

「さっきの運転手みたいな人がいるなら、自分でも来られるんじゃないの?」

「ウルミラ...いいえ、カレンちゃんと一緒じゃないとダメなんだ。」

「私?私はシーターのことをほとんど知らないし、えーと、あなたじゃなくて...あのラーマーヤナに出てきたシーター妃のことよ。なのになんで...」

「あなたじゃないと...シーター様には逢えないの...」

「逢う?それはどういうこと?」

「それより...私の話を話してもいいかしら?」

「急に話題を逸らさないで。答えて。」

「答える前にあなたに聞かせてもらいたい話があるのよ...いいかしら...」

「...分かった...少し時間があるし...」

「ありがとう...優しいのね、カレンちゃんは...」

「褒めても何も出ないわよ...」

「それは...ある女の子の...不幸の話で...」


車はそのまま狭い一本道に進む...謎に包まれたまま...

今回の感想↓

初っ端からぶらり旅感が出たのに、なんで終盤はいきなり謎の展開が出たのか!?w

あのそうだ...〇〇に行こうの後に...?も付いているし

うん...におうw

カレンちゃんと謎の少女の二人旅にしようと思った矢先、作者は気づいてしまいました。

これじゃ、しばらくほのぼの展開になる...

それで誰もいない駅に降りて、そういえばどうやって椎谷村に行くのかほぼノープランだということを...

カレンは付き合わされて、一応最寄駅までは調べたが...そのあとは彼女ももっと調べておけばよかった感を出したら、どうする?という展開から...はい!車が登場!

じゃ、なんでカレンちゃんがくる必要なのか?

それはね...作者も考えていなかったのです(おい)

でも!考えがあります!

これであれとあれが繋がる!

仕込んだ甲斐がありましたよ...(実はさっきの思いつきです)

一体カレンちゃんにはどうなるのか...

作者が言ったあれとあれは何なのか...


そ、れ、は...

もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!

乞うご期待!


最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

第12回ネット小説大賞に再挑戦した結果、残念ながら通過できませんでしたが、これからも挑戦を続けます!

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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