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羅刹羅闍(ライブ)

魔王の...本気な生演奏


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

余は...なぜ...このような場所に立っている。

そうだ...


確かに昨夜、謎の男に遭った後、愛する我が君に言われた。

明日...演奏...興味...ある?と

演奏か...

その男が奏でた未熟な音色にはそんなに興味がない...が、

その音楽への情熱には認めても良い...

余もその時期があったからだ。

否...今になっても余のこの未完全な心には音楽への探究心が残っている。

だから、此奴の演奏を見に行くつもりで翌日愛する我が君と一緒にある場所に訪ねた。

入り口みたいなところからさらに地下への階段が見える。

階段を下ったとき、周りは薄暗かった。

そして、地下に着いた余と愛する我が君が見えたのはそこそこ広い空間だった。

一番奥には高さが他のところより高い台があり、そこにはいくつかのものが置いてある。

昨夜見かけた弦楽器も置いてある...

他のものも多分別々に使われる楽器であろう。

余が持っているヴィーナとも形状が違ったとしても、余の時代には他の役割のために作られたものがたくさんある。

元々他の者と一緒に演奏するのは好まない余だった。

なぜかというと、他の者の演奏は聞く耳に価値のないと思っていたからだ。

しかし、この時代には音楽が進化した。

例え、前のときに路上で演奏した人間もそうだ。

技術は未熟だが、音色はそこまで悪くなかった。

だから、そのとき本物の音楽を示した。

では...今度はどのような音色が聞けるのか興味がない訳じゃない。

しかし、この空間の中にいる人間の数が広さに比べて...少ない。

観客がいなければ、奏でた音色は自分にしか届かない。

所詮...大した者じゃないか...残念だ。

とそのとき、愛する我が君が余の腕を掴んで、どこかに連れて行かれた。

そこは、さっき見えた台の横側にある小さな空間だった。

そこからにはいくつかの部屋に繋がっているらしいが、突然そこに立たされた余は愛する我が君にこう説明された。

「...あなた...演奏...可能?」

余は首を横に振った。

「ソウカ...エート...今から...演奏...願う...可能?」

...要するに余が今から演奏して欲しいという愛する我が君からの要望であろう。

其方のためであれば、何時間...否!永久にかけてもずっと演奏して見せるさ...

では、余は何をすれば良いか愛する我が君に聞いてみた。

そして、余は台に立たされて、昨日見た弦楽器を渡された。


目の前に光が差してくる。

眩しい...

さらに徐々に台の前に集まってくる人間たち...

数はまだ少ないが、さっきより少し増えてきた。

そして、隣に何かを言っている...此奴、昨夜出逢った男本人が...

「今日はスペシャルゲストでとびきり参加の方を紹介するぜ!魔王のおっさんだ!」

と何を言っていた意味が分からないが、不愉快な言い方と感じた。

そこで、人間たちが叫んだ。

まるで動物の吠え声だ。

何を言ってくる者もいたが、余は理解できないから、それはどうでもいい。

今から演奏でこの人間たちに余の音楽の腕を見せればいいの話だ。

では、昨夜此奴を真似して奏でた曲から...

...

ふむ...この空間にはより音を増幅させるための仕組みがある。

昨夜に比べるものにならない響きが聞こえてくる。

...うん、中々悪くない...

この人間たちに聞かせるにはこれぐらい...

と突然さっき隣にいる男は、別の楽器で演奏し始めた。

余に対する宣戦布告か?

面白い...

ここで威厳を示さなければ、余もまた自分のことを否定することになる。

だから挑発に乗ってあげる。

それから何曲か此奴の演奏を聞きながら、同じように演奏してみた。

なめるんじゃないぞ...

見せてやる!余の本気を!

時間がどれぐらい経ったか分からないが、突然余の中にある未完全な心は何かが...

何かが呼び覚まされたかのような感覚...

これは...

これは!!!

胸が昂ぶるこの感覚!

いつの間にか余も男の音楽に惹かれて、胸が熱くなる!

しかも...

この調べ...この旋律...

これは...!?

...思い出した!

これは()()()()()()()()である!

なぜそれを忘れてしまっただろう。

まさか...

此奴...わざと余に思い出させるためにこんな小癪な真似をするのか?

それでも...久々気分がいい。

最近では哀しみに飲み込まれた余にとって、この機会は何というか...

その哀しみが消える訳ではないが、それをひととき忘れさせてくれる...

これは余が今更と言っても良いほど...忘れてしまった感情...

あ...今この瞬間に...余は楽しんでいる。

誠に...楽しませてもらった。

お見事だ...

と演奏を終わらせた次の瞬間...余は観客の人間を見ると、驚くことに人数も奥まで埋まっていて、そして、喝采が空間の中に轟いた。

次に隣にいる男を見ると、此奴...涙をしている。

「さすがであります...音楽の達人のあなたには...この試練が無事に合格とさせていただきます。」とここで余でも分かる言語で喋ってきて、次に手を差し出した。

これは...何の合図なんだ?

と思った瞬間、余の手を無理矢理に掴んで、握りしめられた。

しばらく...

喝采が鳴り止まずに続いていた。

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

「第12回ネット小説大賞」に再挑戦した結果、残念ながら通過できませんでしたが、これからも挑戦を続けます!

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


竜王の試練が行われたのはなんとライブだった!

何を考えたんだ作者...みたいなことを思っているかもしれませんが、

この展開は前から書いてみたかったのです。

今までの試練とはまた一味二味違う...いかがでしょうか?

試練と言ってもやり方は竜王本人が決める形式にした以上...次もまたどんな感じになるだろう(知らんw)

音楽の達人でもある魔王にはここで何かが目覚めそうですね。

激アツのライブの描写が伝わるとよかったです。

あ...ライブに行きたいです(作者がw)

しかもなぜ自分が作った曲を忘れたのか...

ここで思い出したのもこの試練の目的だろうか...

次はどうなるか...


そ、れ、は...

もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!

乞うご期待!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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