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竜王の試練(音楽)

魔王...ギターを触る


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

空がすっかり夜になった頃

タカマツの港で停泊したフェリーから乗客が降りてきた。

その中、二人組が現れた。

片方は小麦色の肌をしている女性と片方は彼女より濃い肌色の巨漢だったが、

巨漢の様子は少し気になった。

いつもの強面が微妙に少し真っ青に見えなくもない巨漢はふらついた歩き方で女性と一緒に船を降りた。

そして、陸地に立った途端...巨漢は全身に力を込めて普通に歩こうとした。

しかし、その様子を見た隣の女性は少し心配そうで、声を上げた。

「少し...休息...する?」

と日本語じゃない片言の何かの言語を話した。

それを聞いた巨漢は一瞬止まったが、そのまま歩き出した。

女性はその巨漢を見て、少し笑い声をこぼした。

「頑固だね...そんなに意地張らなくてもいいのに...」と言って、巨漢の隣に歩きながら、次のように言った。

「うん...もう夜だし...何か食べてホテルに行こうか...鷹野伯父様がホテルを予約してくれたってさっき連絡があったんだ。」

...

巨漢は何の返事もなくただ歩いているだけだった。

「うん...まず!食べ物!後!ホテル!よろしい?」

とまた片言の謎の言語で巨漢に伝えてみた。

それを聞いた巨漢は無言のままで首を横に振った。

「オーケー...じゃ、またうどんになるけど...せっかくここに来たし...この街には人気な店がいっぱいあるんだ。

うどん好きな人はたぶん一週間があっても制覇できないレベルの数だよ。と言っても分からないか...適当に選ぼうっと...」

とここで女性...蘭華(ランカ)はスマホを取り出して、何かを検索し始めた。

一緒に歩いている巨漢...古の魔王と呼ばれた巨漢はそのランカを見て、彼女が行く場所に付いていく形になった。

しばらく市内で歩くと、あるアーケード街に着いた二人はある店にたどり着いた。

そこで二人はぶっ掛けうどんを注文して、それを堪能した。

そして、食べ終わった二人は店を出た。


「は...やはりシンプルは一番美味しかったね...讃岐うどんのコシはしっかり感じるし、なんだろう...

本来の小麦の味とつゆがとても合うというかな...私の食レポはここまで限界か。

なんちゃらの宝石箱やと表現できる人はすごいよね...語彙力と表現力のレベルが違う。」

とずっと独り言みたいに言っているランカ。

隣の巨漢はどちらかというと、さっきまで具合が悪そうな顔からいつもの様子に戻ったみたいだった。

ランカの方を見て、表情を変えないままで目が少し満足しそうな輝きをしている。

それから、「オイシイ...」という妙な発音の日本語を発した。

それを聞いたランカは嬉しそうな顔をして、「ねえ?美味しいでしょう...別の店にも行ってみたいけど、今日はこれぐらいにするね。ホテルでちょっと服の洗濯したい...あ、うん...まあいいか...洗濯と言う言葉は分からないはず。でも...ありがとうね。オイシイは伝わったよ。えーと...感謝する。」と機嫌がいいランカは巨漢に別の言語で御礼を言って、スキップしそうな気分で歩いている。

その二人がホテルに向かう途中に()()()が聞こえてきた。


ん?

これは...ギターの音...

誰かが演奏している...

路上ライブかな?

と思ったランカはその声が聞こえた方向に歩くと、

そこにはシャッターが閉められた店の前に一人の男性が箱みたいな台座で座りながら、ギターを弾いていた。

隣には携帯用のアンプが置いてある。

見る人とかはいないにも関わらず、その男性は一人でギターを弾いていた。

見た目で一番目立てるのは顔ではなく、パンク...すなわちスパイクヘアでさらに色が緑色の髪型をしたところだった。

さらに着ている革のライダースジャケットが真っ黒で、よく見ると首や手など露出している体のあるところにタトゥーをしている。

柄は...竜?みたいなタトゥーがあちこちしている。

中々奇抜な格好をしている男性がこの誰もいないアーケード街の片隅でギターを弾いているところから怪しさ満載だったが、より気になるのは演奏している曲だった。


この曲...どこかで聞いたことがあるような気がする...

どこだろう...

日本の歌とかじゃない...でも、聞いたことがある...

と突然さっきまで無言だった巨漢は口を開けた。

「これ...分かる...」という言葉の内容の一部はランカが聞き取れた。

「この曲を知っているの?」

「余も...奏でた...ある。」

「え?つまり...これって古代インドの曲?」

とここでギターを弾いていた男性は演奏を止めて、ランカたちに声をかけた。

「ほ...お嬢ちゃん、これが何の曲か分かるのは凄いね!」

「あ、えーと...どちらかというと、この人?が分かったというか...」

「これはね...古代インドの音楽を俺なりにアレンジしてみたんだ。」

と言って、またギターを弾きながら、こう言った。

「残念だけど、音を完全に再現するなんて無理だ...このギターで奏でる音色はインドの音楽には限界がある。

インドの楽器には俺たちがよく聞いた音じゃない音まで出せるということなんだよ。だから、インドとかその辺の曲を聴くと、妙にドレミみたいに当てはまらない音がある。」

「それでもすごいですね...ギターで再現しようとしているのは...」

「まあ...一応プロだけどな...一度はまると、中々興味深いよね。お嬢ちゃんはやってみる?」

「あ、いいえ...私、楽器は...」

「じゃ...そこのデカいお前さん...」とここで男性はギターを巨漢に差し出すみたいな仕草を見せた。

「お前さん...詳しいっぽいけど...弾けるか?」

「え?ちょっと...今から私たちホテルに...」と言い出そうとしたランカだったが、巨漢はその男性のところに歩いて、彼のギターを手に取った。

そして...()()()()()

「嘘...」

確かに前にはヴィーナで演奏したところを見たけど、現代のギターもできるんだ。というかうまい!

これ...さっき聞いたばかりだよね?

弾き方も音もさっきプロの人が弾いたのとあまり変わらない...上手だ...

それはそうか...伝承の通りなら...


しばらく巨漢の演奏を聞いたギターの男性はとてもいい笑顔をした。

そして、演奏が終わった。

その途端、男性は喜んでいる顔で巨漢に言った。

「お前さん!やるじゃないか!

ちょっとしたテストのつもりだったけど、お見事だ!

合格!

よく分かってくれたな...な?兄弟!!!」と片腕で巨漢に抱きついた。

巨漢は黙ったままだが、ランカは少し状況についていけなかった。

「ごう...かく?」

「お前さん...()()()()()に出てもらうぜ!

これ...明日のライブハウスと時間の詳細な!

お嬢ちゃん...こいつをちゃんと連れて来てくれよ!

絶対だぜ!!!」とビラをランカに渡し、ギターを巨漢から回収してアンプと台座を待ちながら去って行った。


...

残された二人に沈黙が訪れた。

え?

ライブ?

いきなりなんで?

なんというか...ミュージシャンっぽいじゃぽいけど、

すごい勢いだよね...

とまだ混乱したランカだが、そのビラを見てみると...

「えーと...ワンマンライブ...ナーガラジャ斉藤...すごい名前だね。」

ランカは戸惑いながら、巨漢に向かって一応聞いてみた。


「明日...演奏...興味...ある?」

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

「第12回ネット小説大賞」に再挑戦した結果、残念ながら通過できませんでしたが、これからも挑戦を続けます!

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


そして、二人は島から戻ってきた!

そして、また?変な人?と会ってしまったw

一人でギターを弾くという怪しさ満載なのに、見た目も性格もロックすぎる!

その名前...どっかで聞いたことがあるような...

気のせいですね(バレバレ)

インドというか南アジアの音楽には独特の音があると聞きました。なんと17つの声調があるとかないとか...

だから、西洋式で表現できない音があったりして、聞いた時なんか神秘的な感じをしませんか?

そういうことです。

ご興味があれば、聞いてみてくださいね。

魔王のいきなりのライブデビュー!?

一体どうなるのか!?


そ、れ、は...

もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!

乞うご期待!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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