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昔話(ある村の話③)

これは昔々の話...ある農民と不思議な彼女の話再び


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

昔々...ある村では普通に平凡な農民がいました。

農民は、【豊穣の神様】の力を授かる巫女と思われる謎の女性を村まで連れてきました。

最初には他の村人は半信半疑だったが、彼女の力を目の当たりにした村人たちは彼女を招き入れて、様々なご馳走を振る舞いました。

今年こそ作物の不作が豊作に変わって、村がより豊かになって欲しい気持ちを彼女に託して...一夜が過ぎました。

しかし、彼女は村長の家で姿が見当たりませんでした。

それは朝に迎えた村長の家に村人が訪ねたときだった。

「巫女様がいなくなった!!!」と誰かが叫びました。


そこから他の村人が村長の家に集まり、不安な声が飛び交っていました。

「なぜこんなことに...」

「巫女様はどこに行った!」

「誰か...誰か巫女様の姿が見えませんか?」

「村長に聞いても、朝起きたらもう...夜着だけが残っていて...」

「どうするんだよ!」

「わしに聞いても...」

そして、遅れて登場した農民は他の村人の目にとどまった瞬間、まるで彼女の失踪が農民の責任かのように彼は一斉に責められた。

「あんた!どうしてくれるのよ!」

「巫女様はどこに行ったかオマエなら知っているじゃないのか?」

「もしかしてお前さんが巫女様をどこかで隠したりしていないよな?」

「連れてきたあんたの責任だ!巫女様を探せ!」

「え...?」という返事の言葉しか出てこない農民は昨夜の村人たちの歓喜が夢ではないかと感じました。

「ま、待ってください。わしも何か何だか...」という弁明にも村人に届かず、巫女の女性の行方を探す責任をなすりつけられました。

「これはこの村の一大事だから...皆で分けて探した方が...」という提案にも村人の耳に入りませんでした。

「他の者も仕事があるから、皆が手一杯なんだ。な...巫女様を連れてきたお前さんなら、もしかしたら何か...そう!神様が巫女様のところまで導いてくれるかもしれない...頼む...」という村長の言葉で結果的に農民一人だけが探すという決定になりました。

「わしも...さっぱり分からないが...やってみる。」という村全体からの責任重大な任務を任された農民は村の外を出ました。


と言われてもな...

農民もまた八方塞がりで、どこから探せばいいか分かりませんでした。

昨夜のことを思い出すと、巫女様は普通に眠りについた。

それが確認できてから家に戻ったときにはもう夜がすっかり更けて...外に歩くにも何の灯りがない。

さすがに一人で出て歩くのは考えにくい。いや、あり得ない。

お日様が出てきてからにしたら、そこまで遠くまでは行かないだろう...

手がかりがない以上、昨日歩いてきた道に行ってみるしかないのか?

うん...どうすればいいんだ。

神様の導きは...なさそうだ。

ん?とここで農民が地面に何かを見つけた。

これは...新芽?

明らかに畑じゃない道の真ん中に出てきた新芽に違和感を思う農民は何かに気づきました。

もしかして!これは巫女様の仕業なのでは?

じゃ...この新芽を起点として進んでみたら...あった!

また不自然なところに別の新芽が見つかった。

やはりだ...これは豊穣の神様の導きというのか?

それなら、血の眼になっても次の新芽を探し...その果てには...

としばらく新芽を探しながら、その道に沿って歩いている途中、農民は子供の時聞いた話を思い浮かべました。

老人に助けられた鶴は...美女に化けて織物を作って貧しい老人に恩返しするという話...

でも、織物を作る途中には見てはいけないことをある日覗いてしまって、正体がバレた鶴は飛び立っていってしまった。

同じじゃないけど...なぜかこの話を思い出してしまう。

そもそも助けてもないし...恩返ししてもらってもまだないから...

いかんいかん...そんな不純な気持ちで巫女様を探すなんて...神様に祟られてしまう。

でも、昨日一緒に来てもらったときには特に嫌がる様子も見えない...はずだ。

なのになぜ...と思った農民はある丘にたどり着きました。

そこで...誰かが立っていることを目視できた農民の顔は安堵の表情に変わりました。

「おーい」と農民はその人物に声をかけました。

農民のかけ声に反応し、振り返ったのは彼が探していた巫女様と思われる女性でした。

女性のところに駆けつけた農民は息切れしながら、こう言いました。

「巫女様!探しましたよ...勝手に外を歩いては...は...困ります。」

無論...農民の言葉には彼女が理解するはずがありませんでした。

そして、彼女は何かの言葉を言いましたが、農民もその言葉が理解できるはずもありませんでした。

「あ...ごめんなさい。言葉が分からなかったの...忘れました。」

とここで強引に村に連れて帰るのもよくないと思った農民はしばらく女性の様子を見ることにしました。

そこで、彼女はまた手に持っている何かの木の種をその場で埋めて、しばらく経つとそこからまた新しい芽が芽生えました。

逃げたじゃなくて...豊穣の力を使ってみたいから、外を出たのか?

わざわざここじゃなくても、畑になら大歓迎だが...農民如きが神のお使いの考えることが分かるはずがないか...

しゃがんでその新芽を見た彼女は満面な笑顔だった。

そこで、彼女の笑顔が農民に向けると、農民が一瞬驚きのあまりに顔を伏せました。

う...美しい...真っ直ぐにこの人の顔が見られない!

初めて会ったときには気づいていなかったが、彼女の顔立ちは村人の女性とは違えど...自分としては美しいと思う。

鶴が化けたか...またはたぬきやキツネかは分からないが...それはよそう。

さらにこっちまで幸せの気持ちが伝わってくる...

心まで美しいお方だ...

その笑顔でわしの心も奪われそうになった。

っていかんいかん!そんなことを考えては罰当たり...でも...かまわない?

と農民は一緒にしゃがんで、彼女を見てこう尋ねた。

「名前は?...ナマエ...」

「...ナマエ?...ナーム?」

とここで農民は自分に指を指して、こう言った。

「ナマエ...次郎左衛門(じろうさえもん)だ。」

そして、今度は彼女の方に指を指した。

「ナーム...」と彼女は困惑の表情になりました。

名前がないのか?

ずっと巫女様と呼んだからな...

よし!

「巫女様...名前...お鶴...どう?」

「オツル...ナーム...オツル...ん!」

と彼女は理解できるか分からないが、笑顔で応えました。

「気に入るということでいいか...では、お鶴...様...村に戻ろう...今度は鶴みたいにどこかに飛び立っていかないでくださいね。」

と今回も農民の次郎左衛門は巫女様改めお鶴と名付けた女性と一緒に村に戻るのでした。


(まだまだつづく)

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

「第12回ネット小説大賞」に再挑戦した結果、残念ながら通過できませんでしたが、これからも挑戦を続けます!

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


話はまたあの農民に戻る...

村人に責任を負われた農民...

ずっと農民農民ではなく彼の名前が決めました!

...しかも次郎左衛門ってw(結構適当)

一応設定上では江戸時代にしていますが、はっきりはしません。

それで江戸時代の人の名前を探したら、これにしました。

なぜ鶴の恩返しをこじ開けて無理矢理にに入れてしまったのだ...自分w

しかも巫女様をお鶴って名前勝手に付けて...

なんだか...巫女様を見る目が少し変わりましたかね。

新芽でヒントって新鮮ですね...お菓子ではなく...笑

手がかりというかなんというか...彼女の意図はハッキリ分かりませんね。

また今度巫女様視点の話にしますか(お?)

完全に言葉が伝わらないので、そうするしかないかと思ったら、ナマエってサンスクリット語のナームに似ていますね。

これは使える!と思って、まずは一歩目の名乗りが通じるかな?

結果的に一緒に村に戻った次郎左衛門とお鶴...

まだまだつづくというのはまだ何かあるですよね?

それは一体...なんだ!


そ、れ、は...

もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!

乞うご期待!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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