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巫女の追憶~あの人~

彼女の心に残る...相手


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

私は...自分が何者なのか思い出せない。

目が覚めたら、見覚えのない森の中にいて...

今まで自覚していない不思議な力を得て、

ある人と出逢ってから、その私はミコという存在になった。

その話の前...村までの道のりの話をしましょう。


この人...逢ったこともない私のことをまるで崇拝するかのように姿勢を低くして、道の案内をした。

あと...私が裸足だと気づくと、すぐに自分の足の履き物を脱いで、私に履かせるように仕草で促した。

私は別に裸足でも構わないが、彼の表情はとても心配で慌てたので、それを受け取った。

見たことがない履き物だが、その機能ぐらいは理解できる。地と足の裏が触れないためだろう...

元々私はこのようなものが不要だ。

どの地面に歩いたとしても足の裏が()()()()()()()()()()()からだ。

目が覚めたときから無意識にそうなっている。

これは記憶があるかないかと関係なく、自然に感じただけだ。

しかし、彼の善意を拒否することにはあまりに失礼すぎる。

その履き物を履いて歩いてみると、最初は慣れなかったが...少し慣していくと割と面白かった。

地面と足の間に何があるという感覚は今まで体験したことのない新鮮な気持ちまで感じた。

私は...おかしいでしょうか?

このようなものにとても興味を持つことは...

...上手く言えないが、これは私が自由を望んだと何か関係があるだろうか...

...


その後、道のりを歩いたときに私はいろんなことを考えていた。

特に彼...私の前に歩いて、先導しているこの人のこと...

言葉が通じないこともそうだが...それでも私の機嫌を取るような態度をしていた。

彼は私が王族だと分かったのだろうか?

だからその態度...

違う...

第一、もし私は本当に王族だとしても、ここは私がいた国ではない。

その場合、身分が分からない人にそのような態度を取るはずがない。

そう言えば、私の力を見せた途端、確かに態度が変わった。

そもそもこの力...自分でも上手く説明できない。

この力は私の記憶を無くす前にあったのか...それとも私の記憶がなくなった代わりにこの力を授かったのか...

これは神様に見放された代償なのか...自分の運命に抗おうとして神様からの贈り物なのか...

運命に抗う?

そう...私は本当の自由を手にするために自ら運命に抗うことにした...

それだけは記憶というより私の心の中に秘めている。

最初には混乱した気持ちを歩いている途中に整理すると、そう思うことにした。

それより彼のことに戻そう...


理由はどうであろうと、敵意がないのは態度からはそう感じた。

あの祠で必死に何かを訴えかける表情を見たときにもこの人は何かに困っているように見えた。

困っている人には必ず手を差し伸べて助ける...決して放ってはおけない...

そう...

いつも...誰にも優しい...()()()なら...

...あの人は誰?

...思い出せない...

あの人の顔も...名前さえも...

ハッキリ感じるのは誰にも優しく接するその寛大な心...揺るぎのない正義を貫く心構え...

そして、私への...ある感情...

この感情は...愛?

しかし...私は...あの人のことを...

と考えているうちに目の前の彼は足を止まった。

座れそうな岩のところに座らせた。

これは...休憩してほしいなのかしら...

ふふっ...気が利くね...


言葉が通じなくても...相手のことをできるだけ理解しようとしているみたい。

それとも配慮かしら...

決して自分の気持ちを口にしない...不器用でちょっと可愛い...()()()に比べて...

...まただ...

あの人は誰?

さっき頭に浮かべたあの人とはまた違う...別の人だ...

とても強いにもかかわらず、私といたときには私の顔さえも直視できない照れを見せたり、体が赤くなったり...して...

それは誰だ...

記憶が戻ったかと思えば、それ以上思い出せない...

あの人から感じたのも...愛?

【あの人】の二人には確かに私への愛を感じる...

しかし、私は...その気持ちにどう応えたのかは...よく分からない。

今私が感じたこの感情は記憶からではなく、心からだ...

これは...愛じゃないと私の心がそう言った。

それでも記憶のない私の心の中にはあの人の二人のことを思っている。

でも、心の中に残っているのは後悔じゃない...罪悪感でもない...

申し訳ないという気持ちは少しあると思うが...

これは自由を手にするために...私はあの人の二人のことからの愛を応えなかったのか、それとも...

あの人の二人は私にとってはとても大切な存在だというのは記憶がなくても確かだと断言できる。

それでもあの人の二人より私は自由を選択した。

そして、今はここにいる。

...

そうか...

あのときには私が気づかなかった。

私が求めるのは本当の自由だけではなかった。

私は...

あの人の二人からの愛を応えなかった理由は後に気づくことになるとは今になってこの心を持って知った。

今思えば...村までの道のりに歩いたときは目の前にいる彼の態度が完全に理解できなかった。

ただ言えるのは彼のことが気になっただけだ。

まさか()()()()()になるとは...


そして、私たちは彼の村にたどり着いた。

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

「第12回ネット小説大賞」に再挑戦した結果、残念ながら通過できませんでしたが、これからも挑戦を続けます!

このような作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします!


今回は前話の続き?のようなじゃないような感じであの巫女の話になりました。

村に着くまでの話...

彼女が道を案内した農民に対して、何を考えて思ったのか...

彼女が初めて履き物をしたこととか自分の力のこととかいろんなことを考えましたね。

そこで登場したあの人...しかも二人...

誰でしょうね...特に気づいたかと思いますが...w

あの人の二人という呼称がちょっとややこしいですかね...でもできればあの二人よりこう残したいと思って...

農民のどことなくその二人のことを思い出させることで少し自分の心のことを記憶がない代わりに感じたことができたようです。

そして、求めたのは自由だけじゃない。

一体何を求めるでしょう...

そこで最後に彼女はこう言った。

こんなこととは何ですかね...


そ、れ、は...

もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!

乞うご期待!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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