表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
167/219

不可解な出来事(椎谷村④)

謎の村の居場所...見つかる?


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

場所はまた国会図書館に戻る。

シーターと名乗った謎秘めている少女の発言を聞いた香蓮(カレン)(ラク)は思わず目を大きくして、言葉が出なかった。

「知りたくありませんか...椎谷村(しいたにむら)のこと...」という追い打ちのような言葉を口にした少女を見て、二人はお互いの顔を見た。

なぜ彼女が村のことを知っているのか...

もしかして彼女は正真正銘あのシーター妃の生まれ変わりでは...?

と二人の中にある疑問が確信に変わりそうなときに、カレンが先に口を開けた。

「椎谷村のこと...知っているの?」

それを聞いた少女は面白そうな笑みを浮かべて、こう言った。

「実は...」

「その村が何なのか...あとはどこにあるのかあなたは知っているということですか?」とラクが早く真相が確かめたい気持ちで少女に答えを促した。

「実は...」

中々答えてくれない少女...そして、その答えを待っている二人は唾を飲み込んだ。

「実は?」

「実は...私も分かりません...へへ。」

もしこれが昭和のコントなら、二人がガーンとこけてしまうというところだったが、実際にはただ大きいため息をした。

特にカレンはため息をした後に明らかに不機嫌そうな顔をし始めた。

「ここまで来て、からかうのはやめて...もう...」

「しかし、あなたはその言葉が知っている...なぜですか?」とラクが冷静を保って質問をした。

「さっき聞きました...二人が図書館に入る前に真剣な話をたまたま聞こえたので...」

昭和のコントなら、ここでラクはまたスベってこけるところだったが、さっきの冷静さが無くしそうでそれを隠すために眼鏡を取って、クロスでレンズを拭く...ふりをした。

「じゃ、あんたは私たちをつけたの?それはちょっと問題あるじゃない?」

「決してそんなつもりじゃないよ...私を信じて...ウルミラ...」

「信じるも何も...そもそも私はウルミラじゃなくて、古海(うるみ)だ。まだあなたのことを本物だと認めていないから...」

「それは構わないよ...でも、私が知らないというのはさておき...実際二人が調べているでしょう?椎谷村のこと...だから、ここに来た。」

「そうです。まるで答えが分かるかのような口ぶりで私たちをがっかりさせることは一旦置いといて...ここではネットにない情報が調べられるので、ここに来ました。」とラクが加えて説明した。

「だから、あんたは何か知っているならもう即解決なんだけど...そうはいかないね。」と今でも機嫌が直らないカレンは少女を見ながら、言った。

「ごめんなさい...それは謝るわ。もし私に何か手伝えることがあったら、言って。この記憶が何か役に立ったらいいけど...」

「そうですね。古海さん...二人から3人になれば、より効率が上がります。単純作業でもいいので、彼女に手伝ってもらいましょう。」とここでラクは提案した。

「うん...そうね。ここで問い詰めても時間が勿体ないし、あんたには協力してもらう...さっきの件の罪で...」

「うん...分かった。姿が変わってもいつも優しいね、ウルミラ。」

「だから今は古海でっす...カレンと呼んで。」

「うん!カレンちゃん。」と笑顔でその名で呼ばれたカレンは急に恥ずかしくなった。

そう呼ばれると、アイツに見えてしまうじゃん...と一人で何だか言葉にならない気持ちで相手の顔が見れないカレンだった。

そこで、シーターと名乗った少女は話し始めた。

「しかし...素敵な名前ですね...その村。」

「素敵...ですか?」

「しーたにと読むでしょう?しーた...シーター様の名前と同じじゃない...」

「確かに...別の言語でも発音が似ている言葉とか実は別の言語が由来だったというのは世界中にあるわね。」とここでカレンはやっと話に戻った。

「まさに...シーター様から名付けられたみたい...」

「ただの偶然では?」とラクがその考えを否定したが、

「私もそう思ったけど...私の親友もそれと同じ名字だからな...本人に聞いてみたら、そこは実家と言ったし...」

「実家...」と少女は呟いた...

「でも、彼女の名字の椎谷(しいたに)で検索しても、そんな村の名前は何も出てこなかった。ですよね、古海さん。」

「そう...実家と言ったけど、今地図に載っていないし、さっきも調べたけど...」とここまで情報を共有された少女は一つ気づいたことがあった。

「じゃ...その村は昔にあって、今はもうないということは?」

「それって...どういう意味?」とカレンは少女に質問したが、ここでラクは何か気づいた。

「まさか!盲点でした!」

「え?どういうこと?」

「知っているかと思いますが、昔の村は他の村と合併する市町村合併ということを得て、名前が変わったりするのは珍しいことじゃない。もしかすると、本当は名前が変わったけど、住民はまだ前の名前で呼ぶことも...」

「そうか...だから、今はもうそんな名前の村はなかった。」

「私が言ったことで何か気づけて嬉しい...」

蘭華(アイツ)に聞くのは一番早いけど...変な気をさせたくないし...できるだけ私たちで調べられることをしよう。私は廃止された村の一覧から調べるわ。ラクくんと...あんたは昔の資料とかで調べて欲しい。」

「分かりました。どう調べますか?」

「アイツ...私の親友はギフ県の山奥の村から来たって初めて会ったときに言っていたわよ。そのときは冗談かと思ったけど...今になってそれがヒントかもしれない。頼むね。」

「はい。」

「私も手伝うね...」

「邪魔とかだけはやめてね。」と一回釘を刺したカレンだった。


そして、カレンたちはしばらく別行動で調べ物をした。

カレンは廃止された市町村の電子版名簿を調べた。

そこで、ヒットしたのは...

「本当だ。あった!ギフ県に椎谷村があった。えーと、19xx年○○村と合併し、後で...消滅?」

その言葉に少し不思議だと思うカレン。

消滅って村が消滅するじゃないよね...ただ名前が消えただけだと思うけど...

とりあえずこれで裏が取れた。後はラクくんが何かを見つけると、その村の現在位置が分かるはず。

とカレンはラクと少女がいるところに向かった。

「見つかった...本当にあったよ、その村。今は消滅したけど、たぶん名前が変わっただけだと思う。そっちは何が分かった?」とカレンがラクに聞くと、ラクの様子は少し変だった。

「どうしたの?」

「それは...」とラクが何かを言おうとしたが、代わりに喋るかのように少女が割って、話し始めた。

「えーと...私たちは昔の新聞記事で何かヒントにならないかギフの山奥の村について調べたけど...」と言って、少女は電子パネルを指した。

それは数十年前の新聞記事で電子化されたもので、そこに書いてある文字をカレンが読み上げた。

「隠された秘密...()()()()で...()()()()...その村の名前は...」

記事の内容を確認したカレンは思わず表情を変えて次のように言った。

「椎谷村...」

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

このような作者ですが、また今月から「第12回ネット小説大賞」に再挑戦しています。

今後ともよろしくお願いいたします!


ついに...椎谷村のことが分かるかと思えば、

ぬか喜びかよ!

昭和のコントとかでガーンみたいな展開のこけ方が好きで、作者自身もやってしまったこともあります。

平成もまだあるか...さすがに令和にはもうほぼ絶滅かな。

作者の年齢についてはツッコまないでくださいねw

名前が似ているからって...さすがにシーターと関係するとか...ね?

市町村合併のことをヒントに真相に近づいたカレンたちがそこからまさかの真実が分かった。

謎の村は...水の中?消滅?

一体それはどういう意味なんだ!


そ、れ、は...

もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!

乞うご期待!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ