表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
166/220

不可解な出来事(ヤブのクマ③)

ヤブ?医者の...意地


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

場所は都内にある小さな内科クリニックに変わる。

そのクリニックの看板には【クマさんクリニック】と書いてある。

すでに診察時間外になったにも関わらず、明かりはまだ付いている。

中を覗くと、一人の白衣を着ている男性はパソコンの前に何かの作業をしている。

非常に目立っている青色の髪をしている男性、球磨(くま)(オサム)は何かを考えながら、パソコンから目を離して、あるカルテを見る。そこには何かの治験記録が書いてある。

そこで彼はボイスレコーダーを取り出し、録音ボタンを押して何かを言い始めた。


「被験者1号...設楽(したら)(ラク)の血から採ったサンプルと被験者2号、古海(うるみ)香蓮(カレン)のあの矢の欠片によって感染した血から採ったサンプルを使用。別の人間の血に合わせて、効果があるか検証した結果...

サンプル1番...私、球磨・オサムの血と被験者1号の血...適合せず...

サンプル2番...私と被験者2号...適合せず...

サンプル3番...バカ猿...(そん)悟空(サトラ)からお願いして採った血と被験者2号では...一部適合...しかし、被験者1号と2号みたいに効果が薄い...これでは呪いが完全に消えない...

サンプル4番...サトラと被験者1号...適合...しかし、呪いではなく別の治療になる。」

とどうやら結果を記録するためにボイスレコーダーに録音しているらしいが、その録音を一旦停止して、独り言を話し始めた。


「可能なら、もっと別の人のサンプルが採りたかったが...いや...こっそり持ち帰った二人の血の量も少ない。次はDNA鑑定にしてみるか。」とここまで言ったオサムだったが、ちょっと疲れたのか天井に仰ぎ、目を閉じた。

確かに...設楽・ラクには兄が一人...

私がその現場に到着したときにはもういなくなった。

バカ猿に言われたことが本当なら、彼こそが...

彼...設楽・羅亜夢(ラーム)の血が古海・カレンの血と適合したら...

この説明できない呪いの正体には説明がつく可能性がもっと高くなる。

バカ猿にはこれ以上借りを作りたくない...

人が呪いと呼ばれた現象を無くすことには決して難しいことじゃない...問題は別にある。

この兄弟を取り込んだ病気のような因縁...その原因...簡単には医学的には解明できない。

医学に長けている私でも今調べられることはここまでか...

と考えたオサムに外から扉が開けられた音がした。

「閉め忘れたか...すみませんが、今日はもう診察時間が終わりました。急患なら別の病院...に...」と言ったオサムが目に映ったのは入ってきた予想外の者だった。


「こんばんは...」

「あなた...」

「元気にしているか...うん...違う...人間なら、この場面では...久しぶり...か。」

「なぜここに...」

「うん...人間なら、この質問に対してどんな答えをすべきだ...たまたまここに通り過ぎただけだよ...か。」

「そんなことがある訳がないでしょう。あなたに限って...」

「うん...僕もこんなことがしたくて君のところに訪れる訳じゃないけど...面倒くさいし...」

「そうですね...私を誕生させておいて、一度も私のことを思うこともないくせに...」

「まあね...僕は君を産んだ訳じゃないし...ただたまたま私の体の一部だったものが君の形に変わって、君になっただけだから...親子みたいな関係でもないし...君の場合、()()()()()の方がよっぽどよかったかも...」

「残念ながら、()()()のあなたから生まれて、医学に長けてしまったんで...それでも自分の役割を全うするつもりです。もう一度聞きます。なぜ私のところに...」

「うん...人間みたいに心配したという訳じゃないけど...そうね...宣戦布告とは大げさかもしれないけど、そんなところか...」

「宣戦布告?私にですか?」

「うん...違うね...君と...うん...これからの終わりに関わる全ての者に...かな...」

「終わり?あなたはまたこの世界を終わらせるつもりなのですか?」

「うん...僕はやらないよ...面倒くさいし...」

「じゃ、終わりを告げるのはあなたで、実行するのは別にいたとしてそれは何者ですか?」

「君も知っている者だよ...」

「それって...まさか古の魔王!?」

「さあ...もうこれ以上言うのは面倒だし...僕はここまで...」

「待っ...待ってください!かみさっ!」

と必死に声を掛けたオサムだったが、その答えが聞けないまま...訪問者がそのまま消えた。


「わざわざ私を告げに来たというのは...今回の終わりには何か...私には役割があるということ...なのか?それともそれを阻止する役割...もしかして!?」

と自分に言ってから、オサムはすぐに支度して外を出た。

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

このような作者ですが、また今月から「第12回ネット小説大賞」に再挑戦しています。

今後ともよろしくお願いいたします!


なぜかそのヤブ...医者のクマさんが登場!

このキャラって誰だっけと思う方には108ー109話をご参照ください。

書いたのももう一年経ちましたか!早い!

メインストーリーに進まないw

でも、まさかその時カレンを治したときに血をサンプルとして採っておいたなんて...

治験というか...実験?

中々大胆というか医者として大丈夫なのか?

某天才闇医者ならどうするんですかね?

魔術とか呪いとかを医学的にアプローチするのはまたラクくんっぽいけど...実際には魔術みたいなこともできるし、このキャラを使わないのは勿体無いなと思い、また登場させました。

しかも、あの謎の訪問者とのやりとり...

何者だろう(棒読み)

良い子のみんななら分かるかな?

分からない人はもう一度読んでみてね...

さらに終わりを告げると実行するのは別々だと...

実行者は一体何者なのか?

これからのクマさんのムーヴは?


そ、れ、は...

もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!

乞うご期待!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ