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巫女の追憶~自由~

彼女が選択した...自由の果て


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

なぜ...

私はここにいる...

...

違うわ...

なぜ...

私は死んでいなかった...

...

死?

なぜ私が自分が死んだと思った...

...

分からない...

というより...記憶が曖昧で靄がかかっているようだ。

私は...誰?

私の名前は...

...

思い出せない...

私は何者なの?

自分の手を見つめてから、私は自分の体を確かめた。

確かに私はこのような服を着ている。

それは覚えている。

この繊細に作り上げられた服を見ると、私の身分が王室の者だとすぐに分かった。

王室...

では、私は姫?王妃?

どの国の?

...

肝心なところで思い出せなかった...

無理に思い出そうとしても無駄みたいだわ。

と思った私は周りを見渡した。


ここは...どこ?

森の中に違いないが、見たことのない木たち...

私が住んでいた国とは違う種類の植物たち...

そこは覚えている。

自分に関することだけは覚えていないのに、自分は住んでいた国とは別の場所にいることが分かった。

どこなのかまではさすがに分からなかったが、ここは天でも奈落でもないと思う...

天にしては想像より普通で、奈落にしては怖いと感じなかった。

それでも答えにはならなかったが、とりあえず自分は死んでいなく...まだこの世界に生きている確信が得たいだけかもしれない。

それを得た私はまず立ち上がり、自分が最初に目覚めた場所からその周辺を歩いて探索してみた。

その間、一番目に覚えている記憶を整理しようと私は思い出そうとした。

目が覚めると、さっきの場所に寝ていた。

手に持っているのは、()()()()みたいなものだけだった。

これは何の破片なのか何に使うのかも分からなかったが、

自分の身から放さずに握っているものであれば、何かの手掛かりになるかもしれない。

もしかしたら今の記憶がないこともそれを蘇らせることに関係するかもしれない。

では、目が覚める前は?

...

暗い...場所?

暗闇に包まれたどこかにいたような気がする。

そこは...地下...

むしろ土の...中?

...

そのような気がしたが、これ以上自分の記憶に深入りすることができない。

今はここがどこなのか判明することが一番大事なことだわ。

他の人と会えたら話しができるかもしれない。

私は何者か知る人もいるかもしれない。

せめて、ここはどのような場所か私が住んでいた国からどれぐらい遠いか...

それで...そこに帰ることが可能なのか...を...


...帰る?

せっかく【自由】になれたのに?

なぜそこにまた帰りたいと思った?

...!?

突然頭の中に自分に問いかけるかのような声が聞こえた私は頭を抱えた。

自由になれた?

何から?

分からない...

覚えたのは私...自由になりたかった...

理由が分からない...

それでも自由という言葉だけには覚えがある。

しかし、それ以上は思い出せない...

突然心の底から記憶が蘇ったかのような喜びの感情が湧いてきた。

しかし、今ではその感情が余計に私を混乱させてしまった。

その感情を打ち殺そうとした私は座り込んで、手を地に付けた。

そうしたら、不思議なことが起きた。


私の手に付いたところから突然植物が生えてきた。

これは...私が...?

なぜこのような力を持っているのかも分からなかった。

それでも分からないなりにこの力を使って、

食べた木の実から取った種を芽生えさせることぐらいまでができたと分かった。

おかげで少しずつ移動しながら、餓死から凌いできた。

そして、自分には記憶がないという事実から気を逸らすことも少しできた。


最初のところを出発してから何日か経って、やっと人と出逢った。

一人の男だ...何かの小さな祠みたいなものを拝むような仕草をした。

私が知っている祠とは全く違うが、彼の必死さを見れば分かる。

これは神様への祈祷を行う場所であることぐらい...

顔立ちや服装から見ても私が知っている国の人じゃないとすぐに分かった。

いざ話そうとしても言葉も通じない...

何を言っているか分からないし、

私の言った言葉も分からない様子だった。

敵意がないことを見せるつもりで私は力を見せたが、

状況が一変した。

彼が私に寄りかかり、代わりに私を拝むかのような動作をし始めた。

カミ?...ミコ?

その言葉の意味が分からないまま...

私は彼が住む村まで行くことになり、

後に私はミコと呼ばれる存在になったらしい。


これは...私が望んだ自由なのか?

そのときの私にはそれが分からなかった。

ただこう思った。

例え、生まれ変わったとしても...

今度こそ...だと。

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

このような作者ですが、また今月から「第12回ネット小説大賞」に再挑戦しています。

今後ともよろしくお願いいたします!


追憶シリーズです。

記憶がない彼女は一体...誰だろう?

記憶がないと言いながら、案外自分はどんな身分で自分がかつていた国ではないところにいることが分かりますね。

肝心のところだけは...というのはなかなか都合のいい話ですね(どんな口がいうんだ?)

不思議な力もあるし...ますます気になるところです。

記憶がない自由を求めた彼女、果たしてその後にはどうなってしまうんだろう...


そ、れ、は...

もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!

乞うご期待!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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