不可解な出来事(椎谷村③)
出逢いで深まる…謎
古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再会を果たした物語...
もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?
時は現代日本、ある女子大学生「椎谷・蘭華」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...
都内にある国会図書館
通常の図書館より広い空間と数え切れないほどの書籍が収まったここでは、どのようなことでも調べられそうじゃないかと感じてしまう。
そこには今、古海・香蓮と設楽・駱は別々のところで調べものをしている。
別行動を決める前に二人は話し合った。
「私は、椎谷村についての情報を探してみる。ラクくんは、どうする?」
「古海さんを手伝うことにするじゃなかったのですか?」
「それもいいけど...結局二人に同じところにいてもなんだか効率が悪いの気がするの。
さっきラクくんが言った違うアプローチで考えることを聞いて、君には自分が気になる分野で探してみてはどうかなと思う...どうかな?」
「そう言われると、確かに一理がありますね。では、とりあえず僕は別の調べをします。もし何かあれば、連絡をください。」
「うん。分かった。」と言って、二人は別々のコーナーに向かった。
そして、ラクが足を止めたのは...南アジア、特に古代インドやインド神話などに関連する本棚だった。
そこから自分に興味がある何冊かの本を取ったラクはふっと思った。
ラーマーヤナ...
父さんが昔話した物語を聞いたぐらいだったな。
兄さんは結構興味津々だけど...僕はまだ子供すぎるせいかあまり理解ができなかった。
もしくは興味がなかったかもしれない。
子供の時で結構覚えたことは自分に起きた不思議で不可解な出来事が多いよな。
最近になっては理解して証明しようとした自分から考え方まで変わった気がする。
そんな科学的に証明できないことばかりが自分の目で見たら、さすがに科学者でも考え方を変えざるを得ないか...
昔の魔法や魔術だと言われた現象を科学的に仮説を立てて、実験して立証することと同じだ。
科学の側面だけでは足りないかもしれない...だから、今日はこうしてここに来た。
古海さんの力にもなりたい...けど、まずは自分の考えを整理してまとめる必要もある。
万一、彼女が探している村と何か関係がないと断言できない以上...自分なりのアプローチで調べるんだ。
...
そういえば...子供のときは絶対科学的に証明すると思って、理科だけじゃなくて、物理学とかもっと難しい本を読んでいた。
今になって、こういう神話とかにはまるで初心者だ。
まあ...今ここで一からそれを読むのは合理的じゃない。
第一、物語の長さは何日かかるか...
あらすじぐらいは覚えている。
と考え中のラクの目がある本に止まった。
それもさっきまで取った何冊の本を加えて取り、読書用のデスクに置いてから、本人も座った。
【ラーマーヤナと東南アジアの文化との関わり】...本のタイトルはこう記されている。
カンボジアのアンコールワットではラーマーヤナの登場人物がレリーフとして作られ残された。
タイの王室が作ったタイ版のラーマーヤナ...ラーマキアン...オーナーが話した物語だ。
それだけじゃない...バリ島では有名な劇...ケチャもよく魔王ラーヴァナが登場するし、ヴァーナラたちも登場するとか...
なるほど...日本ではあまり知られていないが、南だけじゃなく東南アジアの各地まで知り渡れたことね。
今の調べものとはあまり関係がないけど...前にオーナーから聞いた話で気になったから、読んでみた。
少し視野が広がる気がする...じゃ、他の本も読んでみるかと思ったラクに何者かの声が聞こえた。
「ラーマーヤナ...好きですか?」
ラクはその声が聞こえる方向に振り向くと、そこには一人の少女が立っている。
小麦色の褐色とショートの髪型
パッと見てなんかのスポーツ系の部活をやっている女子高生に見えるが...
「あ、はい...最近興味が湧いてきて...」と言ったラクに対して、少女はキラキラの目をしてきた。
「そうですか!面白いですよね!なかなか日本では知っている人が少なくて、ちょうど通り過ぎるところにラーマーヤナの本が積んでいるところを見て、つい声をかけてしまいました。あ、すみません...熱くなっちゃって...」
「別に構いませんが、あなたは...」
「あ、失礼しました...私は」とまだ少女が言った途中にラクのスマホが振動した。
「すみません。ちょっと失礼します。」と振動したスマホを確認して、相手の少女にこう言った。
「すみませんが...知り合いに呼ばれたので、ここで失礼...」と言い終わっていないラクだが、少女は逆にラクに話した。
「知り合いもラーマーヤナ好きですか?よかったら、会わせてもらえませんか?」
「あ...え、え...分かりました。」
少女の明るさに圧倒されたラクは仕方なく、カレンがいるところまで少女と一緒に向かうことになった。
そして、彼は待っているカレンと合流した。
「ラクくん、お疲れ様...どう?...って」とカレンはラクの後ろに付いてきた人を見て気づいた途端、自分の目を疑ったかのように言葉がこれ以上出なかった。
似ている...
そっくりというより...
夢で見たかのような...なんの夢だった?
いやいや...それより...
まだ若い...18歳...かな?
髪がショートだけど...似ている...
いや、初めて大学で会ったときの彼女みたいだとも感じる。
「ラン...カ?」とカレンの口から自分の親友の名前がこぼれ出た。
それを聞いた少女は首を傾げた。
「え...えーと、ランカとは誰ですか?私たち...会ったことがありますか?」
ラクも加えてカレンに問いかけた。
「古海さん...この人を知ってるのですか?」
「い、いや...私の友達...親友と似ていて、つい...」
「そう...ですか?」という二人の困惑を気にしないかのように少女は笑顔で次のように言った。
「じゃ、初対面ですね...初めまして。シーターです。」
「シー...ター?」
「はい!私はあのシーター様の生まれ変わりです!」
カレンとラクは同時に驚愕の表情になって、
「...え?...」という小さな声が口から出た。
謎を解明するために来た国会図書館でまた別の謎が深まった。
最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!
二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。
だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!
これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。
今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。
このような作者ですが、また今月から「第12回ネット小説大賞」に再挑戦しています。
今後ともよろしくお願いいたします!
謎の椎谷村に進展があるかと思えば...また新キャラを登場させた作者(お見事...それともお手上げと言ったほうがいいのか)
誰だ!?
しかも...シーター...だと!?!?
さらにランカと似ているって!?
どうなっているんだ!この作品!!!
一つ言えることがあるとすれば、作者が褐色キャラが好きですねw
そのぐいぐいの感じもラーマーヤナ好きと言ったところも...
一体何者だ...
そ、れ、は...
もうどうなるかそれは次回の楽しみとしか言いません!
乞うご期待!
もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!
毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!
追伸:
実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓
有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~
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現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。




