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サンサーラ(猿と鬼)

久々に出逢った...昔の仲間


古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍ラクシャーサラージャ「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...


もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?


時は現代日本、ある女子大学生「椎谷しいたに蘭華ランカ」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...

蘭華(ランカ)と巨漢が鬼ヶ島で伯父様と呼ばれる人物の家に訪ねた同時刻

瀬戸内海の海域内


そこにはあまりにも大海に似合わない小さなボートが浮かんでいる。

それに乗ったのは白い肌と白い髪の少女と色白のちょっと濃い顔立ちの男性だった。

誰かに見られたら、なぜこの二人が同じボートに乗って、海の上のボートに座っているのか理由が気になるに違いないが...会話の内容もまた別の意味で気になる点満載だった。

「俺の風で移動したら、あっという間に目的地に行けるのに、なんでこんなちっちぇーボートに乗る必要があるのじゃ?」

「はは...さすがに少女の姿のあなたならあまり目立たないと言えるでしょう。

でも、このおじさん体型の私まで飛んだら...さすがに誰かの目にとどまります。これなら、誰にも見えません。」

「だからって...こんな二人乗りのボートはないじゃけん!単純にただ(かい)で漕いで本土に行くつもりなのか!?」

「さっきまでちょっと運動したくてやってみたのですが...さすがに疲れますね。」と言った男性は荷物のリュックからタオルを取り出し、汗を拭いた。

「運動とか面倒じゃ!俺は漕がないぞ!」と言って、少女はボートの上に立ち上がった。

少し揺らいだボートだが、すぐに安定した。

いいえ...安定というよりまるで波に影響されず固定されたかのように見えた。

「俺はこれで行かせてもらうぜ...」と同時に彼女の後ろ側から風が吹いてきた。

その風が集中してボートを押したかのようにゆっくりスピードを上げて、前に進んでいる。

「あなたはそうすることは分かったのです。」

「それなら最初から頼んでも良いじゃないのか!?クソ参謀さんよ!」

「まあまあ...私の運動不足対策に付き合ってくれてありがとうございます。」ともう読み切ったかのように男性は微笑んだ。

「チッ...むかつく野郎だぜ...昔の仲間じゃなければとっくに...」

「とっくに私を殺すと言い出すのも分かりましたよ。」

「あ...はいはい!もうええのじゃ...さすが参謀様々だぜ...昨夜のことも感謝しろよ...

大変だったのじゃ。あんたの家を壊さずにありとあらゆる攻撃を風で弾いたり防いだりしたんだ。

あと...アイツらの片付けも俺だぞ!あの偽僧侶とは違って、俺には何人くたばってもいいけど...あんたが全員拘束して、交番に置いておけって...あの島のおまわりさんかわいそうじゃよ!今頃は大混乱だわ...」

と自分の鬱憤を男性に少女だと思えない口調で言葉を吐き出した。

それを聞いた男性は反論をせず、ただ一言だけ言った。

「君には感謝しているよ...」

と聞かれた途端、急に少女の方がなんだか恥ずかしくなって、話題を変えた。

「で?どこまで行けばいいじゃ?」

「まずは()()()()()()()に行くとしますか...」

「あいよ!」と言った少女、(そん)悟空(サトラ)はよりボートのスピードを風でさらに上げて大海の中に移動中...


ボートが完全に自動運転中で移動している間、サトラは男性に一つ質問をした。

「いいのか?彼女と会わなくて、勝手に留守にしてよ...せっかく会いに来てくれたんじゃなかったのじゃ?」

「大丈夫です。私たちは必ず出逢いますから...もう見ましたから...」

「あ...そうかよ...改めて言うのはなんだが、便利じゃの...あんたの目。」

「全てが見える訳ではありません。さらに、変えようがない未来を見ることもまた...

自分なりに変えようとしますが、なかなか上手くいくもんじゃないですね。」

サトラは何か共感しているのかそれ以上聞こうとしなかった。

「あと...逆に私がそこにいたら、また狙われるので、私の代わりに伯父様を用意しました。」

「は?どういうことなのじゃ?あんたは彼女にとっては伯父様じゃなかったのか?」

「いや...どちらかと言えば、彼こそは()()()()()()と言えるかもしれませんね。」

「...意味分からん...」

「あ、港が見えましたよ。」

「おお...やっとか...」

少しずつスピードを落としたボートがある小さな港に到着した。

そのボートから降りた...というか桟橋に上がった二人はあまり人影が見当たらないその港で誰かを見つけた。

そして、二人はその人物に近づいた。

男性はその相手の方を見て、こう言った。

「また逢えたのは分かりましたが、実際に逢えると嬉しいですね。」

「だな...今世でこの姿ではたぶん初めて会ったよな...」

「俺は昨日ぶりなんだけどね...あ、そうそう!オーナー...依頼の代金を頼むじゃ...

対象の警護とここまで無事に連れてきた分...1000万円ぐらいでどうだ?」

「あるわけねーだろ、その大金!おめーの店の方はあるのかよ!」

「うん...どうかな...最近秘書に任せっぱなしから、よく分からない...それぐらいいくかな。」

「嘘つけ!」

「まあまあ...落ち着いて、二人共...お金なら私が払うよ...」

「え?マジ?」

「そんな大金を持っているんだ...」

「しかし...追加の依頼が達成してからです。」

「出たよ、条件付き...まあ、いいけど。で?何をすれば良いのじゃ?」

「この三人で或る場所に行く間の警護です。」

「行くのって...どこにだ?」とオーナーと呼ばれた男性が気になって質問したが、男性はただ笑ってこう答えた。


「目指すべきなのは...あの場所...【椎谷村(しいたにむら)】です。」

最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。


こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!

二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。

だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!

これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。

今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。

このような作者ですが、また今月から「第12回ネット小説大賞」に再挑戦しています。

今後ともよろしくお願いいたします!


あれ?

あれれ?

確か...前回は島にいるはずだけど、気づいたら海に...笑

その家にいないなと思ったら、脱出?しましたね。

しかも小さなボートでw

まあ、サトラでなんとかなるでしょうと読み切ったですかね?その参謀さんという男性は...

決してギャグにするつもりはw

昨日のことに何かあったかはダイジェスト版でお届けします!

代わりの伯父様って一体...(これはさすが明らかでは?)

待ち合わせした人物は?(これもまた明らかでしょう)

そして、今から3人が向かう場所...椎谷村...

これでいくつかの伏線が集結した。

一体そこには何があるのか...


そ、れ、は...

もうどうなるかそれは次回の楽しみ!と言いません!

乞うご期待!


もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。

次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!


この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。

日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。


ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。


もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!


毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!


追伸:

実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓


有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~


https://ncode.syosetu.com/n6239hm/

現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。

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