不可解な出来事(椎谷村②)
二人...ある図書館へ
古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...
もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?
時は現代日本、ある女子大学生「椎谷・蘭華」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...
都内...ナガタ町駅
改札を出た一人の女性は誰かを探している。
そして、見つけた彼女は待っている人のところに歩いて、手を上げて挨拶した。
「お待たせ...待っていた?」
「いいえ...休日にも関わらず、出かけてもらったので、僕が遅れる訳にはいけませんし...
ちなみに待ち合わせ時間まではまだ6分32秒があります。
5分前行動より早く着くのも社会人の常識でしょうか?」となかなか妙に理屈っぽい返しをした相手の言葉を聞いた女性は少し苦笑いしてから、ふっと笑った。
「あ、ごめん...初めて会ったときを思い出して...やはり駱くんはラクくんだよねって...ふふっ。」
「僕は僕以外になる場合、それは僕ではないじゃないかと思いますが...あるいはそれもまた僕である証拠などがあれば、それも僕であると立証できるとも...」
「あ...違うの...そう言いたいわけじゃないから、ラクくんは以前会ったラクくんらしい言動をしたから、そのときあった君への興味がまた湧いてきたと言いたいだけ。」
「そう...ですか...僕は科学に興味を持つ大学生だけですので、僕のどこかに興味があるか教えていただければ...」
「いいのいいの...ところで今から行く予定の場所に行こう。」
「はい、古海さん。」
そして、ラクとの会話をした香蓮は一緒にある場所に訪れた。
「ここ...」
「ここは、【国会図書館】です。国民への奉仕を目的として設立された図書館兼研究機関で、本だけじゃなくデジタル化された様々な資料が閲覧可能となります。」
「こんな場所があるんだ...というか国会議事堂に近いし、それはそうか...国会だもんね。政府機関エリアのこの辺で図書館が...でも、利用できるのは議員さんとか政府関係者だけっぽくない?」
「18歳以上であれば利用できます。誰でもです...」
「そう...なんだ。ラクくんは何でここを知っているの?」と気になる様子を見せたカレン。
「以前...僕の周りに起きた不思議で不可解な出来事の話しをしたかと思います。
子供の時は近所にある図書館とかネットとかで調べるしかできませんが、大学の教授にここのことを教えてもらいまして...すでに18歳なので、ここに訪れてみました。」
「なるほど...何か分かった?」
「あまり収穫がありませんでしたね。昔の資料を調べましたが、僕と似ている体験や事象がいくつかありますが、どちらでも科学的には説明できませんでした。神様の力とかよく出てきましたね。」
「そうか...私も、今でも自分自身で体験したあの出来事にはまだ理解がついていなかったよ。」
「科学的なアプローチでは説明が難しいかもしれませんが、あの出来事で僕はもう一つのアプローチを考えています。」
「それは?」
「科学と違う...宗教、信仰あるいは神話の中で発生した不思議で不可解な出来事、
すなわち【奇跡】や【魔術】のような類いだと考えれば一理がある...
と言っては科学者としてはどうかと思いますが...」
「そう...ね...ラクくんにとってはこういうのって科学的に証明したいと思うし、矛盾しているってことになる。」
「それでも...説明できないぐらいなら、まずはそのような事象を仮説として考えてどうかと最近思いました。
将来的にはもしかすると科学では説明が付く日が訪れる可能性もゼロではありません。」
「はは...そこはブレないね...」
「実は...ちょっと前にはまた別の出来事に遭いました。」
「え?大丈夫?怪我とかしていないよね?」
「ええ...僕にも一緒にいた兄さんも何もなかったのです。ただなんと言いますか...簡潔に言うと、不思議の怪物...のちに女性と遭いました。」
「怪物!?で女性?...女の子に化けるお化けみたいなやつなの?」
「ええ...そんな感じです。」
「そう...ラクくんも大変だね...私も不思議な夢を見たし...あ、それは眠らされた後の話ね...ほら、だからここに来ると決めたんだ。比べるとそこまで不思議じゃないかもしれないけど。」
「夢...ですか?それはどのような夢でしょう?」
「それは...ハッキリ覚えていないけど、ただ起きた瞬間に必死で覚えた断片の言葉を書き留めたの...それで、読み返したら、あるワードが気になって...」
「椎谷村という村のことですね。」
「そう...できるだけの情報が欲しいの...何でも...どうしても知りたいんだ...」
「そうですね...ここの設備では昔の資料をデジタル化したので、もしかしたら何かこの村に関する記事や資料があるかもしれません。そこを当たってみましょう。」
「うん...ありがとうね、ラクくん。今日はよろしくお願い...」
と言って、二人は国会図書館の中に入って行った。
椎谷村...
蘭華には内緒で調べているこの謎は私が分かるまで調べてやるんだから...
約束したしな...
...
あれ?それは誰となんだ...?
最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!
二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。
だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!
これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。
今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。
このような作者ですが、また今月から「第12回ネット小説大賞」に再挑戦しています。
今後ともよろしくお願いいたします!
前書きには2人と書いてありましたが、ランカちゃんたちじゃないです(残念!w)
椎谷村の謎を解き明かすべく、カレンはラクと共に挑む。
と謎の核心に迫るというより、今回は2人の会話がメインになりました。
この2人ならこんな感じの会話になるんだなと勝手に手が動きました(信じてください)
気づいたら一話ぐらい書きました。
やはりラクのキャラはこんな感じじゃないとですねw
でも、最近科学だけじゃなく他のアプローチも考えるようになった。
最近会ったことも影響しますかね...
それを否定もせず興味を持つカレンもたぶん親友に振り回された経験のおかげですかねw
この2人の会話が自然にこんな感じになるとは作者も興味あります。
では、謎にだんだん近づけていくのは果たして...どうなるか?
そ、れ、は...
どうなるかそれは次回の楽しみ!(はいはいこう来ると分かったw)
乞うご期待!
もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!
毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!
追伸:
実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓
有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~
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現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。




