不可解な出来事(椎谷村)
ある村に隠された...謎
古代インドに語り継がれる叙事詩「ラーマーヤナ」、ヴィシュヌ神の化身「ラーマ王子」の愛する「シーター妃」を奪還するために耗発した羅刹羅闍「魔王ラーヴァナ」との戦の末、羅刹の王が敗北者となり、王子と妃が運命の再開を果たした物語...
もしこの物語は何者かの筋書き(運命)によって定められたとしたら、それに抗えないだろうか?
時は現代日本、ある女子大学生「椎谷・蘭華」がラーマーヤナの物語(世界)に巻き込まれ、滅んだはずの羅刹の王との出会いで運命の歯車がついに再び動き出して、心を探す旅が始まった...ぶらりと...
シーターと名乗る謎の女性と夢の世界で出逢ってから翌日
古海・香蓮は今部屋を出て、ある場所に訪れている。
そこにはたくさんの書籍が並んでいる図書館だった。
利用者たちが黙々と読書に専念する静かな雰囲気に包まれた館内...
そこで彼女は今読書用テーブルに積んで置かれたあるジャンルの本を読んでいる。
1ページ1ページをめくって...書かれた内容の中に何かを探しているように見える。
...やはりない
とりあえず自分のうちから一番近い図書館に来てみたけど、蘭華が前にも言われたっけ...
日本には中々南アジアとかインド神話に関する本は少ないって...
それもそうか。
この国では他の神話とかに比べたらマイナーだし...実際...もしランカと出逢わなければ、
私もこういうことを一ミリも知らない方になるかもしれない。
と言ってもすごく詳しい訳じゃないけどな...ハイライトみたいな出来事とか概要ぐらいしか知らない。
だから、改めてラーマーヤナのことをもっと理解できるようにこうして本を読んでいる。
ネットにはない情報を探るためにでもある。
これで今までランカから聞いた話が物語としてつなぎ合わせることができた。
出来事の時系列を整理すると、もっと全体的に分かるようになった。
しかし...さすが叙事詩と呼ぶだけであって...長い
かなりダイジェストされたバージョンを読んだ私でも気が遠くなるぐらいだ。
これの全巻バージョンを読破する人って、ランカみたいになるのか?
それはさておき...物語の理解度が上がった気がするけど、やはりないね。
その知りたい肝心なところには結構曖昧だ...
というか...その肝心なところについて聞きたいのにメッセージの返事もないんだから...あの南アジアオタクが!
となぜか一人で苛ついている顔をしたカレン。
何回もスマホを確認したけど、何をしてるんだ?
ランカは私のメッセージに対して既読スルーにはめったにないけど、一日経っても既読が付かずに読まれていないことは珍しいことじゃない。
でも...あんたにめっちゃ確認したい案件なんだよ、こっちは...
そう...
夢の中で聞いた話の記憶がないものの、彼女は目が覚めた瞬間...必死に脳に残された断片的なキーワードをメモに残しておいた。
...で...の...が...
...完全する
彼女に...
巫女
土
片
そして、最後に...【椎谷村】
他のキーワードには未だにピンとこないが、唯一ハッキリと脳裏に残った言葉が一つ...
その上に、それは自分の親友とどういうことか彼女の名字と一致している。
漢字が合っているか確信がないが、でも確かにしいたにと聞き取った。
可能性はかなり高いと思う。
それは一番確認したいことだ。
でも、名字と一緒だからと言って...ランカがそれと関係するとは限らないし、
第一...そのような名前の村は地図に...載っていない。
試しにネットで検索してみたが、何一つヒットしなかった。
これって...おかしいでしょう?
昔の村が合併して名前が変わったとかは考えられるけど、そもそも存在しないってなんか怖い...
とにかくヒントになりそうなのは親友が何かしら知っているかもしれないと思ったカレンはその返事を待つことにし、また積んでおかれた本を開き、何かの調べを再開した。
しばらく経つと、彼女は本から目を離し、両腕を上げてストレッチをした。
そこで図書館の中を見て、ふっと思った。
あ...もうこんな時間なの?
人が減っている。そろそろ図書館も閉まる時間か...
今日の収穫はこれだけか...仕方ない...
とスマホを見て、今の時間を確認したカレンは送られたメッセージを目にした。
返事が来たんじゃん!
急いで親友からの返事を確認したカレンだが...
え?
とその内容にカレンは驚愕の表情をした。
...
実家...?
ちょっと待って...
地図に存在しない村が実家?
それどういうことなの!?
この二文字だけで分かるわけないじゃない!
もっと説明しなさいよ...
しかし、それ以上の説明を求めるメッセージを送ってもランカからの返事がなかった。
返事がいつ来るか分からないカレンはため息をついてこう思った。
参ったな...
ある意味ではすごいヒントになることだが...逆にピンポイントすぎた情報をさらに知るには彼女の親友がキーパーソンになっているとも捉えられる。
どうしよう...一層電話した方が...
と思ったカレンのスマホが振動した。
誰からの着信らしい振動を感じたカレンは心の中にランカ!と思って、
スマホに表示された名前を確認せずに慌てて通話可能のエリアに移動して、電話に出た。
「もしもし!ねえ、どういうことなの!?もっと説明しなさいよ。」と電話の相手に言ったカレンだが、相手は少し困惑した声でこう答えた。
「古海さん?僕です。誰かと間違えていませんか?」と聞いたカレンはやっと表示された相手の名前を確認した。
それは別の人物からだった。
「あ、ごめんなさい...てっきり私の親友からかと思い込んでしまって...どうしたの、駱くん。」
「え...昨日の部屋探しの手伝いもできず、不可解な出来事にも巻き込んでしまって、改めて謝罪します。
だから、今度は埋め合わせさせてもらいたいのですが、もしよろしければ何か...」
「ううん、昨日のことはラクくんのせい...じゃないとは言い切れないかもしれないけど、あまり気にしないで。埋め合わせとかは...」と突然カレンの言葉が止まった。
「古海さん?どうかしましたか?」
「あ...実はね...埋め合わせなのか分からないけど、手伝ってほしいことがあるの...」
「それはもちろん問題ありませんが、何の手伝いでしょうか?」
「えーとね...謎解き...と言っては大げさか...ネットとか普通の図書館にはないような情報を探しているの...
ラクくんなら、私が知らない何かの情報があるかもしれないし、どう...かな?」
「分かりました。それなら、そのような情報を調べるところなら一つ心当たりがあります。」
「それは...ヤバいところ...じゃないよね。」
「ええ...安心して下さい。国が認めたちゃんとしたところですよ。」
「それって...どこなの?」
存在しない村への手がかり...近づける...?
最後までお読みいただきありがとうございました。金剛永寿と申します。
こちらは「第11回ネット小説大賞」の一次選考通過作品です!
二次選考で選ばれませんでしたが、一次選考通過作品である事実は消えません。
だから今もこれからも胸を張って、誇りを持って言えます!
これを励みだと思って、前にもっと進みたいと思います。
今まで応援していただいた読者の皆様にはお礼を何回言っても足りません。
このような作者ですが、また今月から「第12回ネット小説大賞」に再挑戦しています。
今後ともよろしくお願いいたします!
先週は休んでしまって、ご心配をおかけしました。
完治ではありませんが、今は特に体には問題ありませんので、また今週分を書きました!
今回は...なんと?
蘭華ちゃん!...ではなく、香蓮ちゃんの回でしたw
あの夢(第138話参照)から目覚めたときに残したメモを頼りに何かを探っている彼女。
しかし、肝心なところに一番詳しそうな蘭華ちゃんがいない...
そこで登場したのはなんと駱くんだった。
地図に存在しない村...そして、夢から得たヒントのキーワード...
なんか急にミステリー要素がまた出てきました...
最近まではなんかマフィア映画みたいな雰囲気だったのに...
ここで謎がまた増えました。
結局蘭華ちゃんたちはどうなっているのか?
そ、れ、は...
どうなるかそれは次回の楽しみ!(デジャヴw)
乞うご期待!
もうここまで来て、付き合ってくれた皆さんに御礼を申し上げます。
次回は誰を登場させるか...どのような物語と展開になるか...今後の展開もぜひお楽しみに!
この作品は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をベースにした輪廻転生系ローファンタジーフィクションです。
日本では三国志や西遊記よりかなりマイナーですが、南アジアから東南アジアまで広く親しまれる作品です。ぜひご興味ある方は原作にも読んでいただければと思います。
ご興味ある方はぜひ登場した気になる言葉をキーワードとして検索してみていただければと思います。
もし続きが気になって、ご興味があれば、ぜひ「ブックマーク」の追加、「☆☆☆☆☆」のご評価いただけるととても幸いです。レビューや感想も積極的に受け付けますので、なんでもどうぞ!
毎日更新とはお約束できませんが、毎週更新し続けるように奮闘していますので、お楽しみいただければ何より幸いです!
追伸:
実は別の作品も書いていますので、もしよろしければそちらもご一読ください!↓
有能なヒーラーは心の傷が癒せない~「鬱」という謎バステ付きのダンジョン案内人は元(今でも)戦える神官だった~
https://ncode.syosetu.com/n6239hm/
現代社会を匂わせる安全で健康な(訳がない)冒険の世界を描くハイファンタジーです。




